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成長株投資とバリュー投資

岩崎さんが日経にいいコラムを書いておられる。実に岩崎さんのコラムには無駄がなくて素晴らしい。勝手に、私の師匠ということにしてしまおうと思う。そして、私は、こういう人に、GPIFをやって欲しい。

日経には珍しい素晴らしい株式投資のコラム

岩崎師匠の元の記事が素晴らしいので、株式投資をやっていると自覚がある方であれば、ぜひ日経新聞ぐらいは購読して上記の記事を読んでいただきたいのだが、一応、その概要を宣伝してしまおうと思う。

スタンフォード大学の株式投資講座では、フィッシャーの本が使われ続けている。フィッシャーを師匠とするのは、他にもウォーレンバフェットがいる。

バフェットは、

自らの師として、米コロンビア大学時代の恩師であるベンジャミン・グレアム(1894~1976)とフィッシャーの2人を挙げ、幾度となく「自分は85%グレアムで、15%フィッシャーだ」と語ってきた。
グレアムもフィッシャーも、株式投資の基本は「企業の持つ本源的な価値を把握すること」だと考えた。しかし「バリュー投資の父」と称されるグレアムと違って、フィッシャーはモトローラやテキサス・インスツルメンツなど、当時の米国のハイテク株に積極的に投資した。今日でいえば、アップルやアマゾン・ドット・コムのような銘柄に近い。こうしたことからフィッシャーは「成長株投資の雄」として知られるようになった。

やっぱり、引用が多くなってしまう・・・

そして、岩崎さんの解説は、リバランスなんかするのは、フィッシャーの考え方からするとクソである。という旨の話が続くのである(もちろん、もっと綺麗な丁寧な言葉で)。

元の記事が無駄なく素晴らしいので、何かを付け加えようとすると、悪い風にしかならない。全く、その通りであると200%同意してしまう。さすが師匠。

バリュー投資と成長株投資は一体である

私も個人投資家と話す。勉強の足りない迂闊な株式投資家と話をすると、バリュー投資と成長株投資を過度に単純化しており、正しく理解していないのでとても残念な気持ちになる。バリュー投資は低PER、低PBRの株式を買うことではないし、成長株投資は、流行りの高PERの株式を買うことではない。

だいたい、PER、PBRという数値があるとして、この時系列をどこに置くのかという話である。通常、この数値は、過去1年の利益に対するPBRと、直近決算のBook Valueに対するPBRという数字をみることが多い。しかし、バフェットさんが見ているのでは、過去ではなく、未来のPBRとPERなのである。

グレアムの投資は、「企業業績は循環的であり、過去も未来も油商詐欺のような特殊な例を除いては大きく変わらない」という前提で、バリュー株を定義している。まあ、グレアムもその著書、『証券分析』をちゃんと読めば、今までの業績が将来も続くとは限らない、旨を様々な例外ケースを説明している。だから、グレアム=フィッシャーといってもそんなに遜色はないのだが。グレアムの正当な実践者が、その弟子、ウォーレンバフェットである。

グレアムの投資理論に「業績がずーっと伸びたら、将来のPERは低くなるわな」というフィッシャーの成長株理論が乗っかっているのが、バフェットである。バフェットの軸足は、シケモク株投資から、P&Gやコカコーラなどの成長株投資に変っている。とはいえ、素晴らしい企業なら、株価がいくらであっても買うというのではなくて、そこそこの価格で買うというグレアムのいう投資をしっかり実践しているのが、バフェットである。


株式投資をしていてハッとすること

フィッシャーは「株式に投資する以上、年率5%程度の利益で満足してはいけない」と説く。

岩崎さん、ほんといいこと言うなと。いや、私が忘れているだけなんですけどね。

amazonや過去のモトローラのように成長し続ける企業は本の一握りであるので、それを見つけるのは大変に難しい。難しいだけに、莫大な利益が転がり込むのである。

良い企業が見つかれば、その株式はずーと持っているべきであるし(ただし、素晴らしい企業であり続ける期間だけ)、過去の利益ではなく、未来の業績でのPERやPBRを見て、割安・割高を判別すべきである。

まあ、5年以上の未来の業績を正しく読める人はほぼいないだろうから、それが難しいのであるが、確かに、年間5%しか利益の得られない株式に投資をして満足をしてはならないと言うのは確かだろう。株式投資のリスクに応じたリターンとはいえない。

まあ、私などは、REITを結構買っているので、それは5%程度の利益しか得られない。これは、株式と思わずに、債権と株式の間のものとでも考えて、投資をしないといけないと思う。

アマゾンの株価は1997年に上場してから23年間で2000倍以上になった。優良株には「じゅうぶん高くなった」という局面はやってこない。96歳で亡くなるまでモトローラ株を持ち続けたフィッシャーはこう考えたのである。

とはいえ、今、モトローラ株を持っていてもしょうがないのであり(すでにgoogleに買われて解体された)、いつかは企業は変わり果てるので、いつかは売るべきであるのだろうが、その期間は人の人生と比べると結構長い。

そう思って、自らのREITを除くポートフォリオを見てみると、成長株というのは非常に少ない。というか、10年20年安定して業績成長が見込める企業を見つけきれていないし、それが適正価格で買えるというのはもっと少ない。

まだまだ精進であるなと思うのである。

そして、投資家たるもの、チャンスが来れば、それを逃してはいけない。

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