日本の国防のためには、陸自のミサイル強化が必要だそうだ

陸上自衛隊OBの方が書いている記事なので、多少割り引いて読まないといけないのだろうが、なるほどなと思った。

現状の米国軍の戦略からきちんとレビューしていく必要があるとのこと。

前提として、米国軍はバカではなく、用意周到である。

現在、中国はミサイルをわんさか整備している。日本やグアムなどは射程の中である。空母なども狙われるので、米国は、米中戦争になると一度空母などを引き上げて、艦隊を分散配置する。それは、中国がミサイルをわんさか撃ってくるミサイル飽和攻撃を米国艦隊にかけてくるからであり、それを防ぐためである。一度艦隊を引き上げることが、米国の基本戦略である。米国艦隊は、中国のミサイルを避けるために一度、引く。これが前提。

改良ASBでは、海兵隊を含む海空戦力は中国との開戦当初、グアム以東に一時的に後退するとともに、核戦争になることを抑制するために中国本土への攻撃は控える。

そして、米国は、中国艦隊を全滅させて、戦意をくじくのが戦略だ。数ヶ月から1年の長期戦にでる戦略であるらしいので、それまで、日本は自衛隊で耐えないと中国にやられてしまう。

日本の空軍は、滑走路を壊されると使えない。中国のわんさかミサイルを考えた場合、民間の空港に備蓄がないと、日本の航空自衛隊は、即死の戦力であるようだ。この点、十分準備ができているとは思えない。日本の限られた航空自衛隊の基地など、中国のミサイル飽和攻撃で壊されてしまう。場合によっては、北朝鮮のミサイル飽和攻撃だって、対抗できるか、微妙だ。

海上自衛隊の艦艇も、ミサイル飽和攻撃されると終わり。補給に港へと帰る必要がある。こちらの艦艇も、米国艦艇と同じように避難する必要もあるかもしれない。いくら優秀なイージス艦を持っていて、飛んできたミサイルを全部撃ち落とせたとしても、イージス艦が弾切れを起こせば、イージス艦もミサイルの餌食になってしまう。

陸上のミサイルこそが、補給の問題はあるが、米国軍が帰ってくるまで持ちこたえる戦力であると著者の用田氏は言う。あと、あてになるのは潜水艦。あと、電磁攻撃のできる車両が有効だろうと言う。

日本の島嶼部に、移動式の地対艦ミサイルを整備し、中国海軍の艦艇を攻撃して壊滅する。同時に地対空ミサイルも設置し、中国空軍を第一列島線の中に押し込む。そうすれば、中国陸軍が日本に上陸する手段はないので、日本が占領されることはないのだそうだ。

第二次世界大戦では、日本本土の防衛を空っぽにしてしまい、大きな民間人の被害を出したのが、日本である。広島然り、長崎しかり、東京大空襲然り。そもそも、石油がなければ戦えないと言う前提はさておいて、本土の空軍による防衛や、敵の艦艇を近づけさせず、上陸を防ぐ手段は是非とも持って欲しい。時代は、空母+飛行機で爆弾を運ぶ時代ではなく、命中率の高いミサイルの時代。近距離ではレーザー砲によって、ミサイルの飽和攻撃を撃滅する時代であろう。

日本の防衛としては、地対艦ミサイル、地対空ミサイル網を是非とも整備していただき、日本列島を中心とした密度の高い範囲の防衛力を強化していただきたいものである。

考えれば考えるほど、潜水艦による防衛力強化(敵の海軍を沈める)と、地対艦ミサイル、地対空ミサイル網の整備を進めていただきたい。それから、それらがきちんと機能する様な綿密でロバストなレーダー網の整備をお願いしたい。空軍の役割はもはや情報収集で、レーダー網の保管であろう。

空母は軽空母いずもレベルに抑え、あくまで、諜報にも防災にも使えるマルチプラットフォームとして位置付けるにとどめて、海上自衛隊艦艇を含めた、防衛のミサイル網を整備して欲しい次第である。

そして、この戦略は、台湾防衛にも使える。隣国台湾も助けて、ぜひ、ミサイルによる防衛網を整備して欲しい。ベトナムやインドネシアにも提供して、南シナ海を平和にできれば良い(武器の提供は逆に地域を不安定にするかもしれないので、やり方は考える必要はあるが)。

新時代に必要なのは、空母じゃなくて、巨大なミサイル発射艦なのかもしれぬ。まあ、それは、海上艦艇ではなくて、巨大なミサイル発射用の原子力潜水艦なのかもしれない(ああ、それが、ミシガン級か、やっぱり、米国軍は強いなと思うわけだ)。


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