書評:『クリスティアーノ・ロナウド: ヒーローの夢がかなうとき』(マイケル パート)

クリスティアーノ・ロナウドの人生が面白いのか、マイケル・パートさんの文章が良いのか分かりませんが、日本語に訳されてもなお、リズミカルで楽しい文章になっています。躍動感ある形で、Cロナウドの人生が書かれており、楽しみにながら読めます。大人も子供も。

近所の図書館で見つけ、ちょっと読んだら面白かったので購入しました。6歳の長男の為に買って、読んであげた本です。全部ふりがな振ってある訳じゃないから、少し漢字が読める小学生からしか読めない。読み聞かせにはちょうど良いです。

Cロナウドの人生を一文で言うと"Dream comes true."なんですね。夢を叶えた人なんです。元は貧しいマデラ島の貧乏の家に生まれて、親父さんは子供思いの優しい人だけど、貧乏でアル中になって、最後は死んでしまう。兄は兄弟の仲は良いけど、不良になっていってしまう訳で、決して特別で、恵まれた生まれや育ちではない訳です。体が大きいと言う生まれ持った才能は確かにあったとは思いますが、大抵は気合いと圧倒的な練習量をもって、自分の夢である「レアル・マドリードでサッカーをする」ことを叶えます。Cロナウドがレアルに入団するまでの半生を振り返っているのがこの本です。

泣き虫ロニーは、苦しい状況にあっても、泣きますが、前に進みます。そういった姿は大人が読んでもハッとさせれます。困難が待ち受けても、泣いてでもなんでも、勇気をもって「強気に」前に進む姿が、子供勇気を与えてくれるのではないかと思いました。

面白かったのは、ユース時代のロニーが、言葉がなまっていてバカにされていたのだけれど、たまたま、夜に不良に絡まれたのを見事撃退したところ、次の日から伝説になっていて、バカにされることもなくなったと言うエピソードでした。マディラ島はガラが悪いから、ロニーにとっては、喧嘩を切り抜けるのは朝飯前だったようですが、都会育ちのユースチームの同僚は、そんなことはなかったので。Cロナウドは育ちがよかった訳です。

子供にとっては、1章1章が適度な長さに区切られており、リズム感のある本なので、飽きません。一つ読むとまた一つ先が読みたくなる。でも、毎日寝る前にちょっと読むことができるような分量であります。

このような本を自宅に置いておくと、おそらく子供は本を読むのが好きになるのではないかと思います。最初は読み聞かせ、しばらく経ったら自分で読むようになるんじゃないかと思います。


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