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ゲームストップ株の投機は、株式投資家にとって全く問題ではない。神の見えざる手。

ロビンフッターの投機家が群れて、相場師たるヘッジファンドと勝負して勝利を得たので、みんな大騒ぎをしている。

が、これ、騒ぐほどのことなのだろうか?

日本語で言えば、彼らはどっちも相場師であり、仕手筋である。
そういういかがわしい人たちは、相場や市場の常連じゃないの?

手法はこちらにあるけれども、単純。

空売りしているヘッジファンド(売り買い両建てしていない時点で、このヘッジファンドはリスクがヘッジできているのか疑問だけど)がある中で、対抗して、ロビンフッターなどの個人投機家のイナゴ投機家のみなさんが群れて、買い上げた。買い上げ方が、オプションだったからレバレッジが効いて、空売りのヘッジファンドが大慌てて。踏み上げられて、買い戻して株価が上がって、投機的な価格まで株価が上がっている、というものである。

まあ、FXでも、ビットコインでも、IPO銘柄でも、このような価値を無視した投機等のは行われるわけで、ヘッジファンドはヘッジファンドで踏み上げ怖いなら空売りすんなって話だし(怖いならプットのオプションの順張りすればいいじゃん)、価値の伴わないゲームストップ株を高値で買ったり、ゲームストップ株のオプションを高値掴みして売り損ねたイナゴ投機家のみなさんの中で逃げ遅れた部類の人たちが、いずれ大損こくのは当然なわけである。

仕手株で相場師と勝負するイナゴ投機家なんて素敵じゃないですかー(私は絶対にやらないけど)。

これって、相場でよく見る光景じゃないの?

何が問題なのか、よくわからん。


価値と価格を見て買うのが投資家。投資家にとって、こういう投機家のみなさんは、歓迎すべき存在なんですよね。だって、すごく安く株を譲ってくれたり、気違い染みた高値で株式を引き取ったりしてくれるわけだから。

躁鬱病気味のミスターマーケットが、その躁鬱病の具合を激しくしているのが、今の状況であって、こういうマーケットの荒れた状態は、本来の投資家にとっては、歓迎すべき状況なんですよね。だって、価値と外れた価格で取引が行われているのだから。チャンス以外の何者でもないでしょ。

だから、我々株式投資家は、イナゴ投機家のみなさんがよくわからないサイトで群れて共謀しようが、淡々と、安値で株式を拾い、高値で株価を売るだけでありまして、なんら迷惑を被りません。

投資家が、ゲームストップ株が不当に高いと思うのであれば、長期のプットのオプションに買いを入れれば良いだけである。どの投資家も困らない。

ところが、その投機家のみなさんに規制をかけちゃうのはどうなんでしょうね。そりゃ、金かしている証券会社が、「お前らみたいななんも分かっていない迂闊な投機家たちに金かすの危ないから、証拠金引き上げるわ」というのはわからんでもないが、それは断じて、SECが言ったから引き上げます、とかであってはいけない。信用ならぬ奴らに金は貸せない、という信用取引のルールであるべきである。

そもそも、知識の薄い人たち向けの証券会社がロビンフッドなのだから、その辺の顧客の信頼は、裏切らないほうが良いと思うんだけどなー。

だから米国民主党は嫌なんだよというのが、この経済音痴ぶり。

おばちゃんこと、エリザベス・ウォーレンがヒステリーを起こしている。

ウォーレン氏は最近の株価乱高下はSECが目指す「公平で秩序だった効率的な」市場機能を妨げると指摘した。個人投資家がSNS(交流サイト)で結託し、特定の投資家を攻撃するのは相場操縦にあたるとも指摘。こうした投資家の利益は「経済全体の利益につながらない」と批判する。

株価が乱高下してくれなくて、どうやって、投資家は安く株式を買うというのだ。株価が乱れて上がるから、暴落もやってくるわけで、我々健全なる賢明なる株式投資家はそれを待っているのだから、余計なことしないでくれよ。

かたや、イナゴ投機家の皆さんは、心いくまでギャンブルが楽しみたいのだから、ちゃんとルール通りレバレッジしてやって、勝てるところまでは買って、あとは全部掠め取られる、というカジノのルールに則って、興奮して、満足して帰途のついてもらえればいいと思うんだけど。

市場の値付け機能など、完全に価値と価格が常に一致しないのは、5年以上の市場参加者には既知の事実であろう。効率的な市場とは、効率的に取引が成立する取引コストの低い市場機能であって、誰かの意図した通りに動くものではない。

そもそも、価格が、神の見えざる手で調整されるのが資本主義の市場なのであって、随分と左側に寄った、民主党の重鎮おばちゃんの意図にあった市場価格をつける場所が、株式市場ではないはずだ(少なくとも米国では。中国はともかく)。

自称プロの投機家のヘッジファンドのみなさんが、金融知識のない素人イナゴの群れに負けるのが悔しいのであれば、ヘッジファンドが連合組んで、ゲームストップ株の空売りまたはプットオプション攻撃をかければ良いわけで、それこそ、壮大なる相場師の世界でワクワク、ドキドキ、楽しいじゃないですか(私は株式投資家なので、ワクワクドキドキを求めませんが)。それが、仕手筋とか相場師の道だろうと。

というわけで、即刻、余計な介入はやめてほしい。

むしろ、投資家が懸念すべきは、こういう迂闊な素人投機家が溢れる株式市場のバブルであると疑うことである。投資家は、そのような環境下、自らのポートフォリオの堅牢性と現金のポジションが適正化をもう一度チェックすることが必要なのだろうと私は思う。

なので、イナゴ投機家が、株式市場に冷や水をかけたのであれば、それはそれで、価値と価格を一致させる株式市場を冷静に戻したのだから、やっぱり、市場機能は働いているのである。

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