日本の安全保障を考え、いい加減な記事を切る#1 日本の外務省はトンチンカン?

私自身平和ボケだったのだが、最近安全保障に興味を持ち、日米中ぐらいの軍事力や地政学などを調べるうちに、日本には信頼できる安全保障の情報ソースがないことがわかってきた(もしもあるのであれば、教えて欲しい)。

そればかりではなく、国際関係や安全保障の議論をきちんとした知識と論理をベースにできる人がおらず、朝日などの左翼メディアはともかく、日経などの有名メディアにおいても、いい加減な記事が多いことが目につく。

まず、私ができることは、このいい加減な記事たちをメッタ斬りにして、いい加減な記事を書いた筆者たちを二度と表舞台に立てないようにすることだと思い、まずは地道な活動として、いい加減な安全保障記事を見つけたら、その批評をしようと思うのである。

まず第一弾は、これである。

まずは、孫崎氏。外務省のOBなんだそうだ。大丈夫か、この国は・・・

そして第4は、米国にとって中国がアジアで最も重要なパートナーとなっている点です。近い将来、中国のGDP(国内総生産)が世界最大になることが予想されています。その巨大な市場を米国が敵に回すとは思えません。

この人は、共和党の今を考えた時、米国が世界の覇権を譲ると思っているのか!!!。トランプ大統領は、実際に、貿易戦争を開始し中国を敵に回しているじゃないか。トランプ大統領の政策は大げさだとしても、他の共和党議員でも中国脅威論は強いわけで、米国を超えるGDPを理由に米国が中国を敵視しないのではなく、むしろその大きさゆえに敵視するのである。中国がNo.1になりそうだったら、No.2以下に蹴落とすのが米国であろう。日本もプラザ合意でやられたじゃないか。

だいたい、この人の軍事への分析力は怪しい。

同じ記事には、孫崎氏の以下の主張が載っている。
・グレーゾーンをなくす法整備に意味はない。エスカレートするから
・敵地攻撃能力を持っても、中国の核は全部破壊できないから無意味
・イージス・アショアは機能しない
・できるのは、中国に侵略された後にゲリラ戦をしろ
・だから尖閣の棚上げをしろ

ツッコミどころ満載の「中国に金もらってんのか、この野郎」なのだが、

関連して、イージス・アショアは有効でしょうか。地上配備型の新たな迎撃ミサイルシステムです。政府は2017年12月に導入を決定しました。
孫崎:こちらも役に立つとは思えません。着弾地が事前に明らかになっているのであれば、北朝鮮が発射したミサイルの軌道を計算して迎撃ポイントを推定することができるでしょう。しかし、どこに行くのか分からないミサイルの軌道を瞬時に計算できるとは思えません。

イージス・アショアは、宇宙に飛ぶ弾道ミサイルを上がるところから上がりきったところで迎撃するミサイルである。北朝鮮が日本に撃つなら、たかーくあげるロフテッド軌道になるのだから、撃った瞬間にわかるだろうよ。巡航ミサイルなら途中で軌道を変えるからわからないのだろうが、弾道ミサイルは基本慣性で飛ばすんだから、ニュートン力学で簡単に軌道の計算ができると思うぞ。このコンピューターバリバリの時代にニュートン力学を「瞬時に計算できるとは思えません」というのは、どういう脳みその回路の焼きつき方なのか。下手すりゃ計算機で十分わかるぞ。しかも、上がりばなだぞ。敵国のミサイルは、迷わず、全部打ち落とせばいいだろうが。

他の防衛政策を見てもひどい。「中国に侵略されて蹂躙されろ」とは、全く何事か。ゲリラ戦になったら、それこそ、市民に多くの死傷者がでる。それをさせない抑止力を我々は考えているわけだ。

「ミサイルを撃ったらお前らもただじゃ済まさんぞ」というのが抑止力であるのだから、相手の核ミサイルを全部破壊しなくても、「上海・深セン・北京・天津ぐらいは潜水艦から撃ったミサイルで軽く壊滅させるぜ」という敵地攻撃能力でも、ないよりは随分とましである。それを、ノーガードで打たれて、街を蹂躙されても「耐えてゲリラ戦をしろ」とはなんなのか。こんなやつのいうこと聞いていたら、明日の日本は、シリアのように悲惨な市街地になってしまう。

さらなる経済大国を目指す中国は日本の市場および日本企業が持つ技術を欲しています。戦争になれば、これらを手に入れることができなくなってしまう。戦争しなくても、日本企業を買うだけの経済力を彼らはすでに持っているのです。

中国企業に、会社ごと日本の技術を売ってやり、その技術で中国は軍事力を強くして、日本に侵攻してくるのである。その技術、会社ごとでも売るなよ。そのための独占禁止法だし、外為法だろう。アホか。安全保障と国土の安全を考えろよ。

必要な軍事技術を吸収した中国は、日本がやり返さないとわかれば、天然ガスなどの資源が海底に埋まっているとわかった尖閣諸島を侵攻してくる。その実効支配を許したら、次は沖縄で、次は九州であるから、尖閣で止めないとまずいわけだ。

こんなこともわからないトンチンカンが外務省で仕事をしていたとなると、本当に日本の外交力の無さというのは恐ろしい。田中真紀子じゃなくても、外務省は伏魔殿であると言いたくなる。外務省は、安全保障を全くやっていなかったと言っても過言ではないだろう(まあ、日本の政治家の代わりに、日本の安全保障は米国が肩代わりをしてきてくれていたわけだが、これからはそうは行かない時代である)。

この孫崎氏がおめでたいバカのか、ただ中国に買収されている売国奴なのか、私にはわからない。しかし、このような人間が外務省にいたりするのは困る。

もっと困るのは、日経ビジネスの副編集長が、こんな記事を書いて載せてしまうことである。

他にも日経ビジネスには薄っぺらい安全保障の記事が多いので、見つけ次第、記事の批評を載せていこうと思う。

こんな記事が出ないように、ちゃんとした安全保障のメディアが日本にできることを願ってやまない。

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