書評:『なぜ倒産 23社の破綻に学ぶ失敗の法則』(日経トップリーダー , 帝国データバンク , 東京商工リサーチ)

駄作。

失敗には法則があるというのと、大企業ではないところにおける失敗の事例というので、買ってみたのだが、全くの駄作だった。

駄作という理由は、分析が薄っぺらいこと、経営者の経営が散漫経営出会って、参考にならないことの二点に尽きる。

分析の方は、本人にインタビューしていないから、薄っぺい戦略分析で終わっている。MBAのケーススタディよりひどい。意味がない。

その経営の内容もひどい。

「財務三表をみないで経営していた」というのが多すぎ。そもそも赤字続きの会社とか、無理な設備投資をして潰れた工場とか、当たり前の失敗をしすぎで参考にならない。

「資金繰りはちゃんとやりましょう」
「黒字は出しましょう」
「利益率には気を使いましょう」
「重要な営業先を抑えている従業員はしっかり囲い込みましょう」
「陳腐化した事業はさっさと諦めて、多角化は早い段階で手をつけましょう。ただし、無理のない範囲でやりましょう」
ぐらいの話でしかない。

中小企業であれば、運の範疇のことも多い(特に、多角化や新規事業)も多いので、それはそれで覚悟しようよ、ということでしかない。

そもそもダメな事業であれば、さっさと事業をたたむなり、M&Aで売却するなりすればいいわけであると思う。全く、参考にならない書籍だった。

久々に金返せ、級の本であった。

日経トップリーダーは、その程度のレベルなのだろう。

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