書評:『逆説のスタートアップ思考』(馬田 隆明)

久々にビジネス書。馬田さんの講演を聴いていて、面白かったので読んだ。

内容としては、”Zero to One”などにも詳しいのかもしれないが、「直感に反する事をやらないとスタートアップはうまくいかない」ということが書かれている。「合理的でも行けない」と言っている。合理的の定義はあるが、「みんなと同じような事をやっていては儲からない」という意味だと思った。ちなみに、この本は、ビジネス書として大変お勧めである。

内容の説明はこの本に詳しいので、馬田さんに譲るとして(馬田さんの説明は上手いので、改めて私がする必要も無かろう)、感想を述べると、大前研一氏が生み出したと言う3C分析を思い出した。それは、「市場・競合・自社(Customer, Competitor, Capability)をみて、市場があって(もしくは伸びて)、競合が弱く、自社の力があるところをやれ」というシンプルなものなのだが、人に分析させると、これが驚くほどちゃんと運用が出来ない。人間、バイアスがかかりすぎていて、競合が上手く言った事ばかりをやりたがる。そうすると、主に敵が多くなりすぎて、成功する確率が落ちるし、だいたいにおいてマージンが落ちる。

秀才が思いつく事業も上手く行かない。良い子のアイデアは、誰でも思いつくような論理的思考の結末でしかないので、多くの人が思いつく。多くの人が良いと思うので参入する。結果は、レッドオーシャンで、マージンの削り合いになってちっとも儲からない。

一方、その人しか思いつかないようなクレイジーなアイデアは、人に馬鹿にされるので、誰も参入してこない。この間にプロダクトを仕上げる事ができれば、大きな事業にすることが出来ると言う話。

その他、リーンスタートアップがなぜ必要なのか、等書かれている。高度な中身と言うよりは、入門書に近いが、それだけに基礎をしっかりおさえていると思うし、グラフの中身も単純に分かりやすい良書であると思った。

さて、私はきっちりと実践していこうと思う。


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