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安全保障の書評と評論

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2020年6月の記事一覧

書評:『世界ウィルス戦争の真実』 (日高義樹)

共和党に近い米国シンクタンクであるハドソン研究所の主席研究員日高さんのコロナウイルス事件後の初の本。

相変わらず過激に聞こえる米国共和党寄りのハドソン研究所の日高さんの主張であるが、これはこれで聞いておくのが良いと私は思っている。

本の内容新型コロナウイルスであるが、これは、生物兵器として開発されたものではない。だけれども、それを生物兵器のように使ったのは習近平。2019年11月よりウイルスの

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書評:『アメリカの大楽観時代が始まる 中国とイランはすでに敗れた』 (日高義樹)

書評:『アメリカの大楽観時代が始まる 中国とイランはすでに敗れた』 (日高義樹)

毎度、ハドソン研究所の研究員の日高さんの本。北朝鮮の情勢が怪しくなったので、改めて買って、読んでみた。

第1章は、トランプの政策で株価が上がってて米国は楽観的になっているよね。この楽観はすごいという話になっている。まあ、感想はあとで。

第2章はアメリカは中国に勝った。米国は中国と通商戦争しているけれども景気が折れることもなく成長している。中国はしぼんでいて、米国の勝ちだねという内容。ついで、米

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書評:『独ソ戦 絶滅戦争の惨禍』 (大木 毅)

書評:『独ソ戦 絶滅戦争の惨禍』 (大木 毅)

グデーリアン将軍、ロンメル将軍と来て、ソ連側の戦線が気になり、この本も買って読んでみた。例によって、私は戦史に詳しく無いので、大変な新しい知識を得ることとなった。

甚だしかった私の勘違い私は知識が少なすぎ、大きな勘違いをしていた。ソ連とドイツの戦争は、西側の戦線がどうでもよくなるぐらい大きな戦争だったのであり、第二次世界大戦の中心だ。太平洋戦争などとは、比べ物にならない被害が出ている。

ソ連だ

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書評:『「砂漠の狐」ロンメル ヒトラーの将軍の栄光と悲惨』(大木 毅)

書評:『「砂漠の狐」ロンメル ヒトラーの将軍の栄光と悲惨』(大木 毅)

グデーリアンさんに引き続き、ロンメルさん。こちらは、名前は知っていた。こちらも、スラスラ読めて、良い感じであった。

私は戦史に詳しく無いので、初めて知ることが多くて面白かった。

ロンメルさんがなぜ砂漠にいたのかもよくわからないでいたのだが、ロンメルさんの最近の伝記を読んでよくわかった。あまり文学部の人が戦争ものを翻訳しないみたいなので、ロンメルさんの神話というのが多かったのだけれども、この本は

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『戦車将軍グデーリアン 「電撃戦」を演出した男』 大木 毅

あまり第二次世界大戦というものに興味がないのだが、戦略好きとしてはこういう文献に目を通してしまう。そして、面白かった。

私は戦史に疎いので、グデーリアンという人を初めて知った。電撃戦という言葉は聞いたことがあるが、なるほど、インチキであることがわかった。電撃戦などというものはなかった。

グデーリアンはいいところに生まれた坊ちゃんで、お父さんが軍人で、まあまあえらい。これからは通信の時代じゃない

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