Sand
ふと振り返ると夕暮れ時の影を踏んでいる足元、前を向いて走り続けていた身体は気付くと老いている。運命の歯車に従順していただけなのに、着実に減ってゆく残り時間と向き合っている。息子二人の幸せを祈り大学卒業まで無我夢中、一生懸命に育てていた結果、年老いた夫婦の老後対策は疎かにしていた歪が現実問題として待ち構えている。先が見えてくる年金生活、7歳上の夫は定年後からちゃんと仕事と向き合う気持ちは持たず、家で1日を消耗し続けている。私も、定年と共に老後対策が出来ていない現実問題を年金だけには頼れない為動いた。年金年齢層は就職口も狭く、年齢不問と枠内に履歴書を送っても断られたり、現像に矛盾を抱えったってなんの意味もない中、何とか今はレジの仕事で、週3日アルバイトをしている。若いときから子育てと並行して自分たちの老後資金も保険などで準備をすべきだったと切実に痛感する頃にはもう手遅れ...後戻りはできない。
東向きのベランダに なでしこ花が 一輪だけ咲いている 悲しさも 嬉しさも あまり差が無い 老年期 心空っぽに いのちの色を知る
曇り空の下で 紫色の花びらが そよそよなびく 一日の始まり 昨日とは少し違う 今日を準備中 がんばろう がんばろう がんばろう
先週、私の誕生日に生徒さんからのプレゼント、青い花が集合しているきれいな花束だった。年を重ねながら生まれた日を迎えられることは、まだ生きている事を証明してくれている気がする。又来年の4月にも同じ気持ちを抱けられることを期待しつつ、花びらを覗いている私の背中にエールを送りたい!
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