陸前高田に降り立って
東京から一ノ関へ。一ノ関から大船渡線に乗って気仙沼へ。気仙沼から大船渡BRTに乗って、奇跡の一本松駅へ。
約4時間半かけてたどり着いたこの場所は、誰もが知っている、奇跡の一本松がある場所だ。
陸前高田には震災遺構が5つある。
タピック45(道の駅高田松原)、奇跡の一本松、気仙中学校、旧陸前高田ユースホステル、下宿定住促進住宅の5つだ。
遺すこと、壊すこと、語ること……
様々な思いが、感情が入り混じって、正直なところまだ言葉にできない。
昨年9月に訪れた大槌町を思いながら、パークガイドの方のお話を聞き、そして、初めて震災遺構というものを目にした。
気仙中学校。当時の校長先生の機転によって、マニュアルとは違う裏手にある山を登り、全員が助かった学校だ。
この場所は当時のまま残されている。
校内に入ってすぐに当時の状況が目に飛び込む。
天井が崩れ、がれきが散乱している。
校舎内に流れ込んだ津波が強烈な力を持っていたことを物語っていた。
当時のままの黒板、2時46分で止まった時計。
“もの言わぬ語り部”と言われる所以を強く感じた。
残すことによって、伝わること、伝えられること。後世の人たちに語り継げること。
一方で、その当時を思い起こさせるものがまちにあること、今を生きる人を想うこと。
語っていかないと震災前のまちの様子を忘れてしまう、あの日何があったのか忘れてしまう。
語ることで思い出したくないことを思い出してしまうこともあるけれど、様々なことを話すことで、愛するまちを懐かしむことができる。
震災を経験した学生の言葉だ。
伝えること、語ること、受け取ること、感じること、考えること。
答えの出ない問いは、私の心を掴んで離すことはないだろう。
大槌町のフィールドワーク、今回のフィールドワーク、そして今後の東北旅。
いろんなところを訪れながら、じっくりと考えていこうと思う。
2023年2月26日の記録
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