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“行ってらっしゃい”

誰かと別れる時に何て言うだろうか。
きっとほとんどが、「さよなら」か「また会おうね」だと思う。

今日かけられた言葉は「行ってらっしゃい」だった。

どうして「行ってらっしゃい」なんだろう。
でも何でだろ、とってもあったかい。嬉しい。

陸前高田でお世話になったその方はこう語った。

「さよならは言わないようにしているの。またいつでも帰ってこられるように、おかえりって言えるように、”行ってらっしゃい”って送り出すことにしているの」

あぁ、そういうことなんだなぁ。
だからあったかくてほっこりして嬉しい気持ちになったんだ。

確かに、いつも言う「行ってらっしゃい」は「おかえり」を前提に言っている気がする。

反対に、「行ってきます」という方は、「ただいま」と言うことを前提にしている。

そう。帰ってくる場所なのだ。

“行ってらっしゃい”
普段何気なく使っていたその言葉のあたたかみに触れた。

明日からはもっと大切に、気持ちを込めて言おうと思う。
そして、無事に帰ってきてねという祈りも込められているのかもしれない。

また行こう、陸前高田へ。
いや、何度も何度も行こう。帰ろう。

「ただいま」
そう言って、再び会いたい。

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