呪い

呪詛、って。どうやって　うまれるか　しってる？

それはね。原型が分からない。
もともと何で出来ていたのか素材すら分からない。
元には決して戻すことが出来ない。

ありと　あらゆる　方法でね。
ぐちゃぐちゃの　めちゃくちゃの　どろっどろに
叩き潰されて、掻き回されて、溶かされて。

そんで　そのあと、
自分の　全宇宙で　間違いなく　いちばん
かなり　ひどく　しんどく
だいっきらいな
いろと　かたちと　においと　おとの
かたに　はめられて
冷やされて　固められて、

それをまた　ハンマーと　すりばちと　すりこぎと。
そんなの　なんにつかうの。てか　それなに。
みたいな　大量の　拷問器具に　かけてね。

へとへとの　くたくたの　ぼろぼろ。

見るも無惨になったそれを
悲惨で　おどろおどろしくて　おぞましい。
そんな　喉を焼く味の　それを。

いっきのみ　するのよ。

だから　もう　こえが　でない。

そうまでして　てにいれた　呪詛。
だけど　なにもかも　じぶんの
おもいどおりになんて　できないわよ。

たいせつな　あのこを　ころした　わたし。
あのひとに　ふりむいて　もらえない　わたし。

あのこを　ころした
その　おかげで
めいぼが　くりあがって
あのひとと　あるけた。

そんなことを　うれしい　なんて
ほんのいっしゅん　おもった　そのとき。

その　しゅんかん　わたしは
にんげんを　やめた。