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新しい時代のデザイン

【クリエイティブリーダーシップ特論レポート】
武蔵野美術大学
造形構想研究科造形構想専攻
クリエイティブリーダシップコース

8月17日(月)18:10-19:40
クリエイティブリーダシップ特論 最終回 赤池学さん

21世紀型の循環

 20世期の時代はソフトウェアとハードウェアのみが作り込まれ、この両者の循環によって様々な商品やサービスが誕生してきました。

 しかし赤池さんによると、これからの時代には新たな概念が入り込みます。

SENSE WARE(五感と愛着に基づく品質)
SOCIAL WARE(公益としての品質)

 モノに溢れた現代においては、そこに情緒的要素や社会的要素が必要となってくるのです。個人にとって「意味のあるモノ・価値のあるモノ」が生き残るようになってきます。

 例えばAIBOはソニーが力を入れたプロダクトですが、ソフトウェアとハードウェアの改良を加えるごとに販売数が落ちてきます。これはSENSE WAREが見落とされて、可愛いという愛着の感情が欠けていたからです。
 反対にDialogue in the darkというのは、目に障害がある方が作るタオルです。全盲の方は触覚などに優れているため高品質であるのに加え、そのストーリー(社会性)も評価され大人気となっています。

 これらはまさに「意味のデザイン」だなと、聞いていて感じました。結局のところ作り手側も売り手側も買い手側もみな人間です。感情に訴えられて心を動かせるかどうかが非常に重要なんだろうと感じました。

「名詞ではなく、動詞をデザイン」

 この言葉はデザイナーのみならず、今後社会で活躍できるかどうかのキーメッセージだと受け取りました。とくにクリエイティブリーダーシップという名の下のコースにいる私達はSense WareやSocial Wareの感度を高くし、人を動かせるような体験や価値を提供できるようしていきたいと思います。


■赤池学
筑波大学生物学類卒 武蔵野美術大学 デザイン情報学研究科 非常勤講師/ CSV開発機構理事長/(株)ユニバーサルデザイン総合研究所所長。グッドデザイン賞金賞、JAPAN SHOP SYSTEM AWARD最優秀賞、KU/KAN賞2011など、産業デザインの分野で数多くの顕彰を受けている。また科学ジャーナリストの肩書も持ち、著書も多数。

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