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苦手や寄り道を糧にしよう

【クリエイティブリーダーシップ特論レポート】
武蔵野美術大学
大学院造形構想研究科
クリエイティブリーダシップコース 

2021年5月3日(月)18:20-19:50
クリエイティブリーダシップ特論 第4回 鈴木 潤子さん

 「好きで得意なことを仕事にしてみたら嫌なことや苦手なことがセットだった」という講演中の言葉。なんだか仕事の本質を指した言葉のようでした。

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 このCLコースには様々な業種、様々な職種の社会人学生がいます。もちろん今の仕事・業務や会社自体が本意でない人もいるかもしれませんが、条件・業務内容・社風などをみて、きっとどこかに魅力を感じて自分の意思で応募なり独立なりしているはずです。

 ただそれなのに、仕事っていうのはどうも常に順風満帆にはいかないものです…私の経験上、どんな担当になっても嫌なことや苦手なことが常にセットですね。 「仕事って辛いな」と感じることもしばしば。。

 なので私はこの「嫌なことや苦手なこと=給料となっている、お金を生んでいる」なんて捉えるようにしています。楽しいことだけしているのであれば趣味になってしまいますからね(もちろん理想ではありますし、仕事が趣味みたいな人も世の中にはいますが…)


 そして何より鈴木さんのお話で興味を持ったのはそのキャリアです。まず通信社から博物館への転職なんてあるんだとびっくり!そして森美術館を一度経由し、再び日本科学未来館へカムバック転職ということにびっくり!!

時事通信社⇨日本科学未来館⇨森美術館⇨日本科学未来館⇨独立

 まだまだ終身雇用だったり、経歴を活かした転職が一般的と考えてきたのですが、改めてこのような方々の話を聞くと本当十人十色のキャリアの姿があるのだなと実感しますね。

 よく「自分だけのキャリアを」なんて巷で言われていますが、こうしたキャリアの掛け合わせ(今回は通信社 × アート)ってとても面白いと思いました。通信社にいて社会を幅広く見渡していた経歴があるからこその考えや発想を持っているのが鈴木さんの強みです。従来の保守的なアートのカタチの囚われない柔軟な動きこそ、私たちが本来捉えるべきアートなんじゃないかとまで感じました。

 「寄り道と道草に無駄なし」という言葉もとても心に響きましたね。決して通信社時代を寄り道などとは思っていないと思いますが、失敗だったり、「この経験必要だったかな?」とモヤモヤしながらも、とりあえず前に進んでいくことで、必ずどこか活きてくるものなんだと思います。いやそう信じるようにします。。

 働きながら大学院に来ているのも捉え方によっては「寄り道」でしょう。正直今はまだこのムサビで学んだことが今後どのように活かせるか自分でもよくわかっていません。それでもこの「無駄なしは本当だ」ってところを10年後、20年後に胸を張って証明できるようになっていたいなと思います。


■鈴木 潤子
東京都出身。時事通信社、森美術館、日本科学未来館で通算約20年間の勤務を経て独立。 2011年より無印良品有楽町店内のギャラリースペース・ATELIER MUJIにてキュレーターとして8年間で約50件の展覧会とその関連イベントを企画運営した。2019年4月に開店した無印良品銀座店6階ATELIER MUJI GINZAにて展覧会やイベントのキュレーションを行い現在に至る。同時並行でフリーランスとしてこれまでの経験を活かした個人事務所@Jを立ち上げ、アートやデザインを中心に、幅広い分野でPRやキュレーション、文化施設の立ち上げに携わる。

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