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NORD第一回演劇公演「Error」観劇記

6月3日夜公演
この日は昼夜2公演、カメラ収録日

NORDというグループのそもそものコンセプトは、単に歌って踊るご当地アイドルではなく「北海道を拠点に様々なエンターテイメントに挑戦するボーイズグループ」というものであったと記憶している。

そんな彼らが結成7周年を迎える今年、グループとしては初の演劇公演に挑んだ。
個人で外部の舞台に出演するなど経験を積んできたメンバーが集結し、客演を入れず4人だけのお芝居。何を見せてくれるのか期待は大きかった。

会場はHitaruの「クリエイティブスタジオ」で、キャパは250人ほどだろうか。
客席の奥でスモークが焚かれていた。
入場してまず驚いたのはステージが床!であったことと、ステージを挟むように客席が配置されていたこと。
演者と客席が近すぎるし、目線の高さも一緒。これにはなぜか緊張感を覚えた。
4人は四方に向けて演技するのだろう。

近くの席に着いたお客さんが、演劇業界に詳しそうな会話をしていた。
SNSを覗くと、制作の方のファンの投稿が見られる。
客層は、もちろんNORDのファンがほとんどだけど、一定数の演劇ファンもいることがわかった。

「Error」というタイトル、シリアスな表情のポスタービジュアル。
裏切りとか失踪とか、けっこう重い内容?と予想するも、ホタルを探すだのUFOがどうの、洗濯機のエラーが治らんとかほっこりした題材で物語が始まる。

ステージにライトがついたとき、スモークの意味に気がついた。
向かいの客席がぼやけ、演者の輪郭はくっきりと浮かび上がる。なるほどそういう効果が。

回想の高校時代のシーン。
生徒会役員として仲良くなった4人。会長の大きな失敗をカバーすべく団結する。
副会長の家に集まって食べるカップラーメンと好きな子の話。
カップラーメンはホンモノ。本番中にガチで食べる。客席に美味しそうなにおいが漂って、彼らと一緒に食べている気持ちになる。

学生の時そのままの関係で大人になった気がしていた4人に、ズレが生じていく。これもErrorだ。
気持ちは同じでも立場が少しずつ違っていく、大人あるあるに翻弄される4人。
会話の端々にグループでやっていくことの難しさが見えた。劇中の4人組はNORDの4人そのままではないが、補集合のように重なり合う部分があったと思う。

4人が再集合するキッカケが健くんなのが、すごく「らしい」なと思った。末っ子が一番大っきくてしっかりしててアツいグループはだいたい上手くいく(個人の主観です)。

夜の山、焚き火、またカップラーメン(もちろんホンモノ)。
「ラクサ」なる謎味をチョイスするフクちゃん。こういう役の説得力が半端ない安保卓城。
グダグダした会話がなんとも愛おしいいつメン感。要所で笑いが起きるセリフの巧さが際立つ。
NORDのことをよくわかって考えてくれたのが伝わってきて、温かかった。

ラストは夢を見てるような遊び心がかわいくて、すごくよかったな。


さて、問題のカーテンコール。
一人ずつの挨拶と、ハイタッチできるくらいの近さで客席の前を回ってお手振りしてからはけていくのを計3回。
挨拶が長い。もはやトークショーである(手厚い。ありがたい。)

パリ公演がしたい健くん。「海外公演やりたい」は昨年のコンサートでも言っていたと記憶している。夢がデケェ末っ子愛す。

割り箸エラーに苦しめられた光くん。(上手く割れなくて箸で食べられないから汁をすすった)NORD7歳、ランドセルのように何かを背負いたい。何か、はまだわからない。という。見つかるといいね。

声が枯れすぎてとんでもない裏返り方してた島くん。相変わらず何言ってるかわからんけど、これを聞かずに帰れないのである。この公演は河野師匠が観劇に来ていたので、同時通訳お願いしたかった(いつもブログの添削ありがとうございます!)

エゴサするから#安保卓城で褒めてほしい!って言ってた卓城くん。「みんなこれからも俺たちに着いてきてね!絶対!見捨てないで!俺メンヘラだからね!?」って客一人一人と目を合わせながら念押ししてて面白かわいかった。圧が強い。

今後も演劇を続けるつもりで「第一回」としてると思うので、毎年ではなくてもやってほしいし、今回遠征組の勢いをかなり強く感じたので東京公演も実現させたいと思った。
やっぱり個人仕事で持ち帰ったものが大きくて、このタイミングで第一回公演を行ったのは正解だなと。
グループが若くて手探りな頃にしか出せないものもあるだろうけど、若さ(本人たちの年齢)とグループとしての成熟度のバランスを見て、このくらいの塩梅が私には観やすかった。

ちなみに本編ではこんなラッキーも。


「ルーザーヴィル」に誘ってくれた相方(良席引き女神)がまたチケットを取ってくれて、頼ってばかりだけど今回は北海道だから私が美味しいお店に連れて行っておもてなしできて楽しかった。
ずっと「彼ら、成長したよね」という話ばかりしていた。あの厳しい社長様が小言を言わずに褒めてくれたのだという。その事実だけで嬉しかった。

会長そしてTEAM NACSお兄さんたちが拓いてくれた北海道演劇の道に彼らも続くのかな。
そんな期待を持ちたくなる約2時間、本当に楽しかった。拍手!!!

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