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「ルーザーヴィル」観劇記

島太星の地元、北海道から大阪松竹座へ

これまで色んな人を推してきたのたが、遠征したことはなかった。
高額な交通費をかけてまで駆けつけるより、推しの方から来てくれた時だけ行けばよいと思っていたので。
でも今回は、関西在住のオタ友から突然こんなLINEが来たことで気持ちが変わった。

「取り急ぎ4/9のチケ取りました。行ける行けないご検討ください」

よっしゃ行くしかねぇぇぇぇ!!!!!

やる気スイッチが入った。
なぜ関西在住のオタ友ができたのかというと、友が毎回飛行機乗って来てくれてたからだ。
しかも去年の現場は予定が合わず別日に行っててすれ違ってしまったという悲しい結果に。
これもう行く以外の選択肢ないぞ。

行きますと返事をした数日後、席を教えてもらったら二階席のド真ん中だった。あなたは神か。

島太星とミュージカル

島くんは、過去に出演した舞台の演出で少し歌うことはあったらしいが「ミュージカル」と銘打った作品に出演することは最近までなかった。
初ミュージカルが、昨年クリスマスに札幌で上演された劇団千年王國「ロミオとジュリエット」。
しかも主演であった。
その時の演技が本当に素晴らしくて。
歌手として歌ってる時も上手なんだけど、役に入った状態の表現力が上乗せされると畏れすら感じてしまうような底知れぬパワーを感じた。

ロミジュリ観劇の興奮冷めやらぬ1月に、ミュージカル「ルーザーヴィル」に島くんが出演することが発表された。
わ、ジャニオタの皆様に島くんが歌がうまくて演技もできちゃうことがバレるんだな、いいぞいいぞ…と心の中で拍手した。

思ったとおり、東京公演のレポはざっと見る限り概ね好評で、「そうでしょうそうでしょう、ウチの子すごいんだから」と脳内で大泉洋さん口調になった。
猪狩くんがブログで島くんに触れてくれたのも嬉しかった。


ロックミュージカルという表現方法

物語は、スクールカースト最下層のオタク組が校内の安全地帯(= コンピュータールーム)で細々と趣味を楽しんでいたはずが、ハイカースト勢が絡んできたり、変わった転校生がやってきたりと校内を掻き回し、果ては大企業をも巻き込んだプロジェクトへと広がっていく…というもの。

ギュンギュンに歪ませたエレキギター中心の音づくり。
観客から見えないオーケストラピットではなく、舞台上に組まれたバンドセット。
時折バンドメンバーもストーリーに絡む。
歌唱シーンはライブさながらの手拍子。
この作品のために作成された楽曲ではない曲たちが、ストーリーにガッチリとハマる不思議な気持ちよさ。(これは映画「マンマ・ミーア!」がわかる人にはピンとくるかも)

だけど、曲中に時折ストーリーを忘れて音楽に没頭してしまう瞬間があった。これは本来の曲が持つ力か。
日本のギターロックにハマった中高生時代、すこーし聞きかじった洋楽たち…
Green day、oasis、Weezer、Coldplayなどに心惹かれた時の気持ちが蘇って心がギュッとした。

思春期の謎の自信、ままならなさ、迷い、葛藤、恋の高揚と失恋など混沌とする感情にロックほど適当な音楽ジャンルはない、とあえて言いたい。
だから、ミュージカル「ルーザーヴィル」が青春ストーリーになるのは必然である。


舞台セットや演出で魅せる「青春POP ROCK」の世界

全体的にカラフルな色使いと昔のゲーム画面のような世界観。大道具・小道具もおもちゃのように見えたり、ダンボールやアルミホイル等チープな素材を使った学芸会風味がかわいい。

大掛かりなセット転換がなく、スクリーンへの映像投影やアンサンブルさんの衣装替えや身体表現で場面転換を表す工夫。
ピンクのリボン状のゴム(?)が画面になったり金庫のドアになったり大活躍。

映画のように豪華なセットを多用する作品は見応えがあるけれど、逆に舞台でしかしない演出を詰め込む楽しさもあると気づいた。


キャストの魅力

オタク4人組が固まってドゥフフwwwな口調で会話していれば気持ち悪い感じになりそうなのに、役者さんたちが小動物系のかわいさなので、結果「おもろかわいい」になっていた。

井上瑞稀くん。
瞳の水分量がやばい。スポットライトに照らされて星の瞬きのようにキラキラするので吸い込まれそうになった。数年以内に目薬かコンタクトレンズのCMが決まるに違いない。
やや猫背気味な姿勢とキレキレすぎないダンスでオタク感を演出していたのだが、音楽のノリ方のちょっとしたニュアンスからジャニーズらしいスマートさが垣間見えて、歴の長さを感じた。
歌唱は澄んだ声が美しく、歌唱力の高い高月彩良さんとのバラードは思わず聞き惚れてしまった。
まっすぐで、ちょっとヘタレだけど可愛くて、思わず助けてあげたくなっちゃうマイケルだった。

本髙克樹くん。
ほんの一瞬のシーンだけど、黒いコートにハットの衣装がめちゃくちゃカッコよかった!
後半は苦悩するシーンが多くて難しい役なんだけど、セリフが聞き取りやすくて感情表現がよくわかった。
正直歌のイメージはあまりなかったのだけど、ソロ歌唱良かったよ。

女子チーム、とくに高月彩良さんと青野紗穂さんの歌がめちゃくちゃ上手かった。
後半の「Sick」という強めのナンバー、しびれたなぁ…。
青野さんは高いヒールにミニスカートの立ち姿が美しく、最強女子としての存在感がとってもよかった。


やっぱり舞台の島くんが最強

島くん演じるマーヴィンは、元気で明るくて、いじめっ子にやんや言われても全然ダメージ受けていなさそうな子。

1曲目は全員登場の明るいナンバーで、もうそれだけでウルウルしてしまったよね。「推し、生きてる…!!」と。

ステージ狭しと走り回り、目がなくなるくらい顔いっぱいに笑って、ダンスは手足ちぎれるんじゃないかくらい大きくって、マーヴィンは全力でそこに生きてた。
メインキャストではないので、歌もソロで目立つパートは少なめだったけど、歌唱力の高さを印象づけるには十分だったかな。

島くんの歌の好きなところは、とにかく安定感!踊ってても演技要素多い場面でもほとんど外さなくてさすがだった。
やっぱり歌と演技両方あるミュージカルが最強だと思うから、これからも色んな作品に出演してほしい(けど北海道公演無かったら毎回観に行けないから少し寂しい)

カーテンコールのお辞儀が一人だけ謎に前屈だったけど、面白かったからいっか!笑



おわりに

「ルーザーヴィル」は大阪公演がもうすぐ終わり、4月後半は広島と名古屋の御園座で千秋楽。カンパニーの皆様が最後まで健康で完走できることをお祈りしています。

そして、その次は札幌でNORDの初演劇公演があるので、島くんのストレートプレイも楽しみにしています!

(2,713文字)

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