4月22日

朝6時半起床。祖母の送迎を済ませ、弁当と朝食の準備に取り掛かる。朝食は昨日の夜に仕込んでおいた、豚しゃぶと玉ねきのさっぱり漬け。弁当には焼き鮭とひじきの惣菜。洗濯物とゴミ出しは姉に任せ、大学へ向かう。途中の電車内で、朝撮った祖母の写真を見返した。
雨上がり、空気が柔らかい。心から気持ちよくて、自然と祖母を撮っていた。こんなにも気持ちがいい朝はいつぶりだろか。押しグルマを使いながら歩行する祖母。ふと立ち止まって空を見上げ、微笑んだ。


大学の講義、第二回「表象不可能性をめぐる議論」ナチスホロコーストと絡めての考察。本当に面白い。一番の衝撃は、同時代を生きる人たちがその事実を知らなかったこと。チャップリンもナチスドイツの虐殺行為を知らず、「独裁者」を撮っていた。てっきり、非道な行為を知った上で作ったとばかり思っていたので、自分の勝手な思い込みに改めて反省。チャップリンは後に、映画より現実の方が酷すぎて知っていたら映画を作れなかった、という内容の発言をしている。
この授業で最も重要な事は、生まれてきてから無意識的に刷り込まれたイメージを改めて考えられる契機となる事だと思う。
映画である以上、フィクションとなる。過去の出来事をそのまま丸ごと伝えることは不可能だろう。それを前提とし、どう伝えるか。

近くの台湾料理屋で昼食。麻婆茄子を食べる。学生サイズなのでかなり嬉しい量。ただ、ここ数年一切運動していないため体重が増加し続けており増加が心配。最近は意識的に歩くようにしている。その一環というわけではないが、東山の本屋まで散歩がてら歩くことにした。東山のon readingという本屋が僕は好きでたまに行く。歩いて2、30分かかる。起伏が結構あり「山」とつくだけはある。土地の雰囲気が影響しているからか、大きめの一軒家がいくつか見かけた。

本屋に着き、入口のあたりから見ていきながら、何冊か写真集を手に取る。途中で僕が好きな写真家がここで個展をしていたことを思い出し、その人の写真集があるか店主に尋ねた。売り物としては無いが、見本として一冊あったようで、それを見せてくれた。
一之瀬ちひろ「きみのせかいをつつむひかり(あるいは国家)について」
これまではホームページで表紙しか見たことがなかったので、実際に手に取り中身を見て興奮した。娘さんと、作り手の二つの世界が、この一つの世界の上で成り立っている。同時に存在する、その人固有の世界を感じた。これが詩的というものなのだろうか。

ここまで堪能しておきながら、お金がないので一冊も買わずに退店。

近くのガストで時間を潰す。渡辺から電話が来て少し話した。目の前に座っていた親子のうち、子供の方が陽の光に照らされていた。その光景をじっと見ていた。

18:30。吹上のライブハウス「たたらば」に行く。
小さなビルの地下にあり、食事もとれる。内装もオシャレで、足を伸ばせる場所もある。お客さんがリラックスして音楽を楽しめるように考えているのかな。間近で聴く生の音楽は最高。初めてのライブハウスで、少し緊張したが終わってみるとかなり楽しめた。

帰り道、友人から相談電話がくる。その友人は恋愛で悩んでいる。恋愛相談は苦手だ。なぜなら既にその人の中で答えが決まっているからだ。そのためこちら側が出来ることは、落ち着きを取り戻させる事くらいなのかなと思う。死にたくなるほど辛いとの事なので、それは困るので、落ち着ける事をただ願う。
吹上から名駅までの帰り道、電話しながらだとあっという間だ。

帰宅し、風呂にはいる。風呂から上がると、別の友人から電話が来ていた。折り返して話を聞くと、希望していた所に内定が出たという連絡だった。僕は今、就職というワードを聞くと、鬱っぽくなるので、眠気もあいまり、話を半分聞き流した。



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