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8年ぶりに大野から連絡があった。
ゴールデンウィークの5月6日。駅前で待ち合わせ。
思えば彼は中学三年間で一番遊んだ友人。親友だった。けれど高校に入り疎遠になった。彼は工業高校へ、私は普通科へ。お互い陸部で、大会で再会することはあった。その度に違いばかりを感じていた。高校2年の春、大会で彼の姿を見ることはなかった。その夏、私は肩を壊し幽霊部員となった。
高校から大学に移り、成人式。彼の姿を見かけた。遠くでタバコを吸っている。彼を馬鹿にしている自分がいた。

「久しぶり〜!」
駅前のロータリーに彼はいた。昔のまま、大きな声と大きく揺れる頬の動き。
「どこいく?」
「昔の登下校の道あるこうよ、コンビニで酒買って」
近くのコンビニで酒を買いこみ中学時代の通い道を歩き、今日までの日々を語り合う。近くの公園のベンチに腰掛け深夜3時まで飲み明かした。
変わらない彼に、救われた。泣いて笑って、久しぶりに生きててよかったと、心から思った。
肩肘張らずに行きとった。全部がゆるくなり身体が剥がれた。彼は既に自由を獲得していた。

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