産業廃棄物収集運搬業許可の注意点 新潟県版

当事務所では建設業許可のほかによく相談を受ける許可があります。それが産業廃棄物収集運搬業許可です。建設業許可ほど人的な条件が厳しいわけではありませんが、産廃収集運搬許可にはまた違った厳しさ、面倒さがあります。新潟県で申請したい場合の注意点を説明させていただきます。

1.申請者名義の車が最低1台必要

新潟県では申請にあたり、車検証の所有者欄または使用者欄にて申請者の名前が確認できる運搬車両が最低1台は必要です。例えば、申請者が法人で社長名義の車はあるというような場合は、社長から法人に名義を変えて準備しておくと良いですね。

2.定款の事業目的に注意

申請者が法人である場合の注意点です。新潟県では建設業許可においては事業目的はそれほど厳しい目で見られませんが、産業廃棄物収集運搬業許可においては、事業目的に産廃の運搬を取り扱えるようなものが入っていないといけません。

産業廃棄物収集運搬業でも良いですが、産業廃棄物処理業にしていただくと、運搬だけでなく、処分も含めた表現となりますので、将来的に処分業を営む可能性が出てきたときも変更する必要がないですよ。

3.産廃の講習を受けておく

申請にあたっては、日本産業廃棄物処理振興センターの講習を受けなくてはいけません。

新たに収集運搬業許可を取りたい方は、 ア.産廃の収集・運搬課程 を申し込めばOKです。

講習の選択画面

講習の修了証は5年間有効なので、申請直前まで待たなくても時間に余裕があるときに取っておくのも良いのではないでしょうか。ちなみにお金を払ったから全員修了証がもらえるというわけではなく、不合格もあり得ますのでご注意ください。

4.経理的な基礎

産廃収集運搬業許可で苦労しやすいのがここかなと感じています。建設業許可では一般許可なら一度取得してしまえば、許可の維持においてお金の面はそれほど考えなくても良いのですが、産廃収集運搬業許可は、最初に取得するときも、更新許可の時もチェックされるので中々大変です。経理的な基礎の判断方法は個人と法人で変わってきます。

個人の場合

個人の場合は、個人のプラスの資産>個人のマイナスの資産 となっていればOKです。プラスの資産は主に預貯金、不動産など。マイナスの資産は借入金などです。

住宅ローンを組んでいる場合は、住宅ローンもマイナスの資産の中に含まれてきます。一般に住宅ローンの残高よりも家・土地の評価額が下回ることが多いため、住宅ローンを組んでいる方はマイナスの資産が上回りがちです。このような場合許可が取れないかというとそんなことはなく、経営改善計画書というものを作って添付すればOKであることが多いです。

法人の場合

1と2のどちらかに該当していれば大丈夫です。ただし、1に該当していても最新の決算書で債務超過に陥っている場合を除きます。
1.直前3年の経常損益の平均値がマイナスになっていない(平均がマイナスでも直前期に黒字転換していればOK)
2.自己資本比率が1割超

上記の1,2両方に該当しない場合、最新の決算書において債務超過に陥っている場合は経営改善計画書を提出します。ただし、債務超過の場合は中小企業診断士による診断書等の提出を求められる可能性があります。

5.駐車場に使用する土地の地目

新潟県では駐車場に使用する土地の名目が農地(田、畑)であると駐車場として認めてもらえないので注意が必要です。農地転用を行うか、別の駐車場用地を用意して申請する必要があります。

6.運搬先の許可証のコピーが必要

新潟県では、申請の際に運搬先の処分場等の許可証のコピーが必要です。運びたい産廃の取り扱いに対応した運搬先の許可証のコピーを用意しないといけないのです。

石綿含有産廃や廃水銀使用製品産廃(蛍光灯など)を取り扱いたい場合は、取り扱える運搬先が限られているので注意が必要です。

運搬先ですが、最終処分場、中間処理場だけでなく、積替え保管の許可でもOKとなっております。

新潟県で産廃収集運搬業許可を申請するにあたり注意したほうが良い点を説明させていただきました。実際の申請にあたっては色々と書類を準備しなければならず、わかりにくい点も多々出てくるかと思います。新潟県で産廃収集運搬業許可をスムーズに取りたい方は、齋藤行政書士事務所に一度ご相談いただければと思います。


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