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公共工事新規参入の現実 これが失敗パターンです

公共工事の入札に参加して、地元の自治体の工事を請け負いたいと考える建設業者さんは多いと思います。しかし、その道のりは決して平坦ではないです。入札参加までの流れを調べ、その手続きを進めても、現実には多くの壁に阻まれてしまい、失敗してしまうことが少ないでしょう。公共工事の新規参入でよく見られる失敗パターンを紹介しますので、これから入札に参入していきたい方はぜひ読んでいただき、失敗パターンを回避していただければと思います。

入札参加までの流れに沿って進めて行ったら…

まず、公共工事の入札に参加するための基本的な流れをご紹介します。

  1. 建設業許可の取得
    建設業者として公共工事に参加するためには、基本的には建設業許可を取得する必要があります。これは各都道府県知事または国土交通大臣に申請します。まだ許可を取っていない会社の多くは都道府県知事の許可からスターすると思います。

  2. 経営事項審査(経審)の受審
    次に、経営事項審査(経審)を受けます。これは建設業者の経営状況を評価するための審査で、これをやっていないと次の入札参加資格の申請ができないことがほとんどです。

  3. 入札参加資格の申請
    地元の自治体など発注機関に入札参加資格の申請を行います。この審査の審査後に入札名簿に登録され、入札に参加できるようになります。

一見すると、この流れに沿って手続きを進めれば、公共工事の入札に参加できるように思えます。しかし、実際には多くの業者がこのステップを完了しても入札に参加できず、挫折してしまいます。次はよくある失敗パターンを2つ紹介します。

入札の新規参入失敗パターン

失敗パターン1:参加資格があっても入札に参加できない

入札参加資格を得て名簿に登録されても、必ずしも工事を受注できるわけではありません。多くの業者が直面する現実は、「名簿には載ったが、いつまでたっても役所から声がかからない」というものです。指名競争入札という発注機関から声がかかった会社だけが参加できる入札のやり方がありますが、指名の基準は多くの場合、これまでの実績が関係してくるので新規参入の会社はこの時点で不利です。

一般競争入札という参加したい会社が入札に参加できるやり方もありますが、一般競争入札の実施にあたっては、参加にあたり条件を設定していることがほとんどです。色々な条件がありますが、特に新規参入の会社にとって厳しいのは工事の実績です。

指名にせよ、一般にせよ新規参入の会社は基本的に不利な傾向にあります。入札に参加して負けるならまだわかりますが、入札に参加させてもらうことすらできないということが起こりえます。

参加資格があるにも関わらず、全く入札の機会が与えられないのです。

失敗パターン2:案件が少なすぎる

この失敗パターンは地方あるあるではないかと思いますが、そもそも入札案件が少なすぎることが良くあります。入札に参加しやすいけど絶対的な案件が少なく、年に1,2回しか案件がないということがあります。

参加できるだけマシではありますが、入札に参加するにあたっては、普通に建設業許可を取るより、さらに手間が増えますし、行政書士に頼んでも費用が掛かります。あまりに案件が少ない自治体だと公共工事だけ見ると割に合わないということになりかねません。

まとめ 安易な参入はお勧めしません

公共工事の入札に新規参入することは、魅力的な選択肢に見えるかもしれません。新しい仕事の確保、地域でのブランディング…。しかし、実際には多くの手続きと条件をクリアしなければならず、その過程で様々な壁に直面することが多いのが現実です。入札参加資格を得たからといって必ずしも仕事が取れるわけではなく、実績の少ない新規参入者にとっては、特に厳しい競争を強いられることになるでしょう。

また、地方の自治体では入札案件そのものが少ないため、労力や費用をかけても実際に受注できるチャンスは限られています。入札に参加するための手続きや書類作成に多くの時間とコストがかかることを考えると、参入が割に合わない場合も多いです。

公共工事への参入を検討する際には、十分なリサーチと準備が必要です。入札条件や地域の事情をしっかりと把握し、自社のリソースと照らし合わせて、参入の可否を慎重に判断することが重要です。安易に参入を決めてしまうと、かえって無駄なコストと時間を費やすことになりかねません。しっかりとした戦略と計画を持って挑むことが、成功への鍵となります。

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