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プロが教える建設業許可の取り方のコツ3 経営経験について

建設業許可の壁 経営経験

建設業許可を取るためにはいろいろと乗り越えなければいけない壁(条件)があります。その壁の中でもツートップと言えるのが、経営経験です(もう一つは別記事にて解説します)。

ものすごく簡単に説明すると、許可を取るためには、これから許可を申請する個人事業主さんや会社の常勤取締役の誰かが建設業の経営経験を5年以上持っている必要があります

経営経験が何かというと、個人事業主として建設業を営んでいたり、建設業を行っている法人の役員として経営に参画していた経験のことです。

経営経験は証明しなければならない

経営経験が5年以上あったとしても、自己申告で5年以上ありますで、許可申請を受け付けしてくれるところは、まずないと思って下さい。基本的には5年以上、建設業の経営をしていたことを書面、証拠資料で証明することとなります。

証明資料の例
個人事業主での経験 確定申告書 + 契約書、注文書・請書、請求書など
法人での経験 登記事項証明書 + 契約書、注文書・請書、請求書など

契約書などがどの程度必要になるかは申請先によって変わってきますので、必ず事前に確認しておくことが必要です。

1年に1枚程度あればよい。およそ3か月ごとに1枚など。注文書と請書はセットでなければダメ。請求書の場合は、請求書+入金が確認できる通帳が必要というような扱いのところもあります。求められる資料の枚数が多いほど当然大変になっていきます。場合によっては、5年以上の経営経験はあるけど、それを証明できるだけの資料が中々そろわないということもあるかもしれません。

うまく自社だけで、揃えられない場合は、行政書士への相談もご検討ください。

経営経験は証明するところまで含めると頭を悩ませる所ではありますが、現在進行形で、5年以上経営している個人事業主さんや法人の社長さんにとっては、手間がかかってもどうにかなることが多いでしょう。でも、起業したばかりの方には、本当に高い壁となって立ちはだかってきます。

前の会社で役員をしていたような方なら良いのですが、30代、40代の方だと取締役経験もなく、すぐに建設業許可が取れないことが多いのです。でも、現実には、起業して2,3年も経つと、だんだんと許可が欲しい場面が増えてくるんですよね。許可が欲しい、でも、まだ経営経験が足りなくて我慢しなければいけない。そんなケースをいくつも見てきました。

5年なんて待ってられないという方へ

5年経つ前にどうしても許可が必要という方は以下のようなやり方を検討してみてください。

1.経験がある方を会社に迎える

経営経験は社長や個人事業主が必ず持っていなければいけないというわけではありません。社長の経営経験が足りなければ、経験がある方に取締役になってもらい、その方で許可の条件を満たしてもOKです。

個人事業主さんの場合は、経験がある方を支配人として登記することで条件を満たすことが可能です。

例えば、以前、個人事業主をしていたお父さんの経営経験を使わせてもらうとか、割とよくあるパターンです。

他の方の経験を使わせてもらう場合は、以下のような点に注意してください。
・ちゃんと働いてもらわないとダメです(基本的に申請する会社の社会保険に入ってもらうことになります)。名義だけ借りて書類を作るのはNGです。

・経験を証明できる資料を用意できるかを確認してから、取締役などになってもらいましょう。過去に自営業をしていた方などは、昔の確定申告書類や契約書をすでに処分してしまっていることもよくあります。せっかく取締役になってもらい、社会保険にも入ったのに資料がそろわず、許可申請できなかったとか、ゾッとしますよね。

・個人事業主の場合は、支配人として登記する方法があると書きましたが、支配人は営業上の権限を任せられたものなので、支配人がした契約は、事業主が契約するのと同じです。「あれは支配人がした契約だから、私は知らないよ」みたいな言い訳はできません。いくら経験があると言っても、よほど信頼できる方以外は、支配人になってもらうのはおすすめできません。私がお手伝いさせていただいた事例では、お父さんや配偶者の方など、本当に信頼できる方だけが支配人になっています。

2.経営の補佐経験を使う

自分で建設業を経営した経験だけでなく、経営を補佐した経験を許可申請に使える場合があります。この補佐経験を使う場合は6年以上の経験が必要です。補佐経験が使えるのは以下のような場合です。

・法人の取締役や建設業の営業所(建設業許可の届出をしている営業所と考えてください)の支店長などに次ぐ地位で、経営業務の補佐をした経験

・個人事業主の配偶者や子で、経営業務を補佐した経験

補佐経験の取り扱いは、許可申請をする都道府県によって大きく取扱が違ってきます。認めてもらうのが難しい所が多いようですが、何もせずに諦めるよりは、可能性があるなら一度申請窓口に相談してみてもよいのではないかと思います。

何もしなければ許可が取れる可能性は0ですが、行動してみたら、そこから可能性は生まれるかもしれません。補佐経験を使いたい、使わざるを得ないような場合は、行政書士に一度相談してみることをおすすめします。

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