型枠工事業を営んでいるが、取引先から許可を取ってくれと言われた。このような場合、どの建設業許可を取ればよいのでしょうか?

型枠工事業者の方の許可取得をお手伝いしたこともある建設業許可専門の行政書士が解説します。

型枠工事業で必要なのは大工 と とび・土工

型枠工事業で必要となる建設業許可は、大工 と とび・土工です。

建設業の業種区分において、大工工事の例示として型枠工事が出てきます。https://www.mlit.go.jp/common/001209751.pdf

このため型枠工事は大工の許可があれば大丈夫と考えがちになりますが、大工工事は、木材の加工又は取付を行う工事です。型枠工事においては、木製型枠のほかに、金属製やプラスチック製の型枠も存在しています。これら木製以外の型枠を主に使う工事については、木材の加工又は取付を行う工事ではありませんから、大工工事には該当しないということになります。

それでは、どの工事に該当するかと言えば、とび・土工工事に該当すると思われます。金属製の型枠の場合、単に現場の組み立てだけに留まらず、材料の加工し、型枠を作るところまで請け負う場合は、鋼構造物工事業に該当する可能性もありますが、これから建設業許可を取ってくださいと言われる方については、鋼構造物ではなく、とび・土工に該当するケースが多いのではないでしょうか。

型枠工事業で許可を取るときに便利な資格

建設業許可を取得しようとする場合、10年以上の実務経験や資格が必要となってきます。10年以上の実務経験の場合、証明が大変な場合がありますが、所定の資格があれば、資格証書のコピーを提出するだけでよくなるため手続きが楽です。

型枠工事業においておすすめな資格は以下の二つです。どちらも大工ととび・土工両方カバーしています。
1.2級建築施工管理技士(躯体)
2.1級型枠施工技能士

2級建築施工管理技士(躯体)については、鋼構造物までカバーしていますので、この資格があれば型枠工事業についてはバッチリと言えます。ただ、施工管理技士と技能士については試験問題の種類が違いますので、より自分にとって取りやすい方から挑戦してみるのもありだと思います。

二つの違いを簡単に言うと、施工管理技士はペーパー試験のみですが、技能士は実技試験があります。実際に作業する方が得意という方は、カバーしている業種が少なくても技能士試験の方が向いているのではないかと思います。

実務経験で許可を取得する際に気を付けておきたいこと

建設業許可の取得にあたり、資格がない場合は実務経験で取るしかありませんが、実務経験を使う場合は、契約書などの証明書類が求められます。この書類で実際にやっているのかを確認するのです。

ここで型枠工事独特の難しさが出てきます。型枠工事は、型枠に使う材料次第で業種が変わってきます。ということは、契約書などに「型枠工事」と書かれていても、それだけでは大工なのか、とび・土工なのかははっきりわからないということになります。ですから、実務経験で許可を取る場合は、どのような材料で型枠を作ったのかもわかるようにしておくと良いのではないでしょうか。

契約書では型枠工事とだけあっても、仕様書など材料がわかるものもあわせて保管しておけば、大工なのか、とび・土工なのかは区別ができますね。

以上、型枠工事と建設業許可について解説させていただきました。建設業許可取得でお困りの際は、ぜひ齋藤行政書士事務所にお電話ください。




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