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洗車スパンを伸ばして時々ガッツリ洗車、洗車スパンを短めにしてコツコツ洗車、どちらが良いのか?そこから導き出した洗車スパンについての答え

僕は過去にこんな実験をしたことがあります。

  • 洗車スパンを伸ばして(約1か月)、時々ガッツリ洗車を頑張る

  • 洗車スパンを短め(約2週間)にして、コツコツ洗車していく

どちらの方が精神的により大変と感じるか?

お客様のご協力の元、検証させてもらいました。
治療院を経営するMさん、あらためて感謝申し上げます。

この時に題材にしたクルマは、静岡県静岡市⇔長野県小諸市(雪国)を頻繁に行き来していた、融雪剤で汚れまくるホンダフィット(シルバーメタリック)です。

洗車した後の様子

この記事をご覧になるにあたってのお断り

この実験をした時は洗車事業を立ち上げたばかりの頃で、マイティ3ではない別のケミカル剤を使っていました。

訳あって現在そのケミカル剤の取り扱いをしておりません。

あと当時はまだバケツ一杯の水洗い洗車で使用するタオルが、粗拭きと仕上げ拭き共に綿タオルでした。

現在は粗拭きは専用ファイバークロス、仕上げ拭きは専用綿タオルにて行っており、当時とは比べ物にならないほど洗車キズを入れない洗車が出来るようにもなっています。

細かいことは他にもありますが、以上の点にご留意ください。
 

雪国を走るクルマがいかに汚れるか

雪国に住んでいる方は当たり前の光景だとは思いますが、僕が住む静岡県静岡市ではほぼ雪は降りません。

雪国事情をよく知らない方もいると思うので、少し解説します。

雪国では積極的に雪を解かすための方策として、融雪剤(塩化カルシウム)という白い顆粒が道路に撒かれます。

通常水は0度で氷になりますが、水に何かが混ざると凝固点降下が起きることは、小学校の理科の授業で塩や砂糖を溶かした水溶液での実験などでご存知の通りです。そして塩化カルシウムは水に溶けた時に溶解熱が発生するといった原理を利用して融雪を促しています。

語弊を恐れずに言えば「塩」ってことです。
動植物に影響が無いように塩化ナトリウムではなく塩化カルシウムではありますが。

雪が溶けるのは良いんですが、雪解け水と道路上の泥などがグチャグチャに混じり、自車だけでなく前方車さらには対向車がその泥水を跳ね上げてきます。

その結果、次に列挙した写真のように、もうこれでもかというくらいにメチャクチャ汚れます。

運転席側フェンダー周辺の汚れ方
フロントバンパーの汚れ方
ホイールの汚れ方
リアガラスの汚れ方
水洗いの綿タオルがひと撫ででこれだけ汚れる

余談ですが、僕も雪国(岐阜県郡上市)に住んでいた時期がありますので、非常に汚れることは目の当たりにしてきました。

2014年12月17日の朝、思わずため息が出てしまう僕のクルマの様子

洗車事業をはじめてから、あらためて汚れ方のすごさを認識した次第です。
二度と雪国には住むものか。
 

洗車スパンを1ヶ月に伸ばした時に真っ先に感じたこと

最初にバケツ一杯の水洗い洗車(以下、水洗い)を行ない、次の工程でワックスを塗るという手順を取っております。

水洗いでは砂ぼこりを取り除くことを主として、出来る限りその他の汚れも落とし切りたいという狙いです。

なぜならほとんどの汚れは固着する前であれば水溶性だからです。

「2週間の洗車スパン」を「1ヶ月の洗車スパン」にして感じたことは、水洗い一回では汚れが全然落とし切れないことでした。

水洗いしてもボディ表面にモヤモヤと汚れが残っている様子

明らかにボディ表面にモヤモヤっとした汚れが残っている様子でした。
結局、3回水洗いしてようやっとキレイになったというところです。

水洗い3回目にしてようやっと汚れを落とし切れた様子

ちなみに中途半端に汚れを残した状態でワックスを塗ると、塗った直後はキレイに仕上がっているように見えても、少し時間が経つと白く浮き出てくる現象がありました。

これは汚れとワックスが混じったものが乾くことで白くなって現れていると思われます。
シルバーの塗装色でも白い残留物が露見したのが明らかに分かったので、粗の目立ちやすい黒い塗装色だとしたら何のために洗車したのか分からなくなるほどだと感じました。

またその状態で無理やりにワックスを塗り込んでどうにかしようとすると、どうにかはなります。ですが水洗いで汚れをキッチリ落とし切った時と比べると次のことが言えます。

  • 汚れに吸われてワックスの消費量が跳ね上がる

  • 汚れに吸われてワックスが伸びない

  • 同じワックスの量でも一度に施工できる面積が小さくなる

  • スポンジや拭き取りのタオルが汚れやすくなる

  • 白い残留物が出ないかチェック作業が余計にかかる

  • トータルの施工時間が長くなる

このように施工性に大きな影響を与えます。
美観維持の観点では、ぶっちゃけ何も良いことがありません。

やはり水洗いの回数が増えようとも、水洗いでどうにかできる汚れは水洗いで落とし切った方が良いと感じました。

ちなみに2週間のスパンで洗車していた時はたった1回の水洗いで、1ヶ月のスパンで洗車していた時の水洗い3回目と同等に汚れが落とし切れていました。

なのでもっと言えば、洗車スパンは短いほど良いとも思いました。
 

実験から出した結論

結果、次のようなことに気付きました。
洗車スパンを短めにしてコツコツやった方が、

  • 精神的に楽ということ

  • 一回の洗車が明らかに短い時間で済むこと

  • 余裕があれば普段やらない細かいところまで手を伸ばせること

  • 楽しいと思える範囲で洗車を済ませられること

  • 汚れを固着させる前に手を打つことで染み(劣化)やキズのリスクを減らせること

そういったことに気付きました。

美観維持においても、精神的な負担においても、全て好循環であるというのが僕の出した結論です。
 

洗車スパンの目安

汚れの種類、季節、走行距離、走行環境、駐車環境etc
様々な要因で汚れ方も汚れの固着も染みへの進行も大きく変わります。

なので洗車スパンがこうであれば良いとは一概に言えないというのが答えです。

ただそれだとせっかく今回のように検証したこともノウハウとして継承しにくいものとなってしまいます。

そこで僕が考えたのは「洗車スパンの目安」です。

水洗い一回で次の工程に支障が起きないレベルの汚れを落とし切れるという基準で、今回のクルマ以外にもずっと検証し続けてきました。

それが2週間に1回の洗車です。

ですがこれはあくまで「目安」です。

この洗車スパンであれば、絶対に汚れが固着しませんとか染みになりませんとか、そうした大丈夫だという保証ではありません。

様々な条件で検証してきて感じたのは、もっと早くやらないと汚れが固着してしまうこともありました。

そこは水洗い1回で汚れが落とし切れているのかをよく見て、その都度判断し調整していって欲しいところです。
 

勘違いして欲しくないこと

僕は洗車スパンを空けることを「悪」とは考えていないことです。

  • 忙しくて仕方がない時もあります。

  • 何か事情があって取り組めないときもあります。

  • なぜか気が乗らないときもあります。

なぜ洗車するのか?と問われたときに、究極的には「幸せを感じるため」と僕は考えています。

ようは「楽しきゃなんでも良い」と思います。

汚れまくってようが、染みだらけだろうが、キズだらけだろうが、そんなことはどうでも良いんです。

よっぽどでない限り、車検は通りますし。
極論、美観維持は自己満足に過ぎませんから。

だけど僕を含め、美観維持してピカピカにキレイに仕上がったクルマを気持ちいいと感じる人たちがいます。
ピカピカじゃないと嫌だ、気持ち悪い、我慢できない、許せない、どうにか抗いたい、そう考える人たちがいます。

さらにはいかに洗車キズをつけずに維持するかと考える人もいます。

それはそれで素晴らしいことだとも思います。

そのためには何がそう足らしめているのか、何を回避しなければならないのか、無理なく運用するにはどうしたら良いのか、そういったことを考えてきたのが僕の洗車に対する取り組みです。

汚れることや劣化するという物理現象は人間の都合を全く考えてはくれません。だからこそ敵(自然)を知る必要があるということです。
まともにぶつかり合っては必ず負けます。
こう在りたいと願う通りにするには、逆らってはいけません。

それを知った上で手を抜くのは自由です。
しかし、それを知らずに取り返しの付かないことが起きて後悔して欲しくないんです。その勉強代は高くつくからです。

洗車を楽しいと感じていらっしゃるのであれば、ぜひ楽しいと思える範囲で楽しんでいって下さい。
 


ご覧いただきありがとうございました。サポートしてくれた方のメッセージ読ませてもらっています。洗車のプロである僕が「何を見ていて」「それをどう判断し」「行動に移すのか」、YOUTUBE動画では解説し切れない頭の中のことをアウトプットすることで皆さんの参考になればウレシイです。