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ホビからアミへ。ドリルビートのCypherで。「HUH?!(feat. j-hope)」|D-DAY(2023年)

忘れもしない、2021年3月12日(金曜日)。
その日。
突然「BTS」の沼に落ちた新規ARMYです。

そして、クリエーターとして信用できるところ…創作者/表現者としてのミン・ユンギ|MinYoongiを推すタイプのユンギペンです。
どこか不完全で、つねに焦りを抱えていて、誰よりも、次はもっとうまくやってやろうと目を凝らして世の中を見ている。
“天才”のように言われるが、すべてが不安、準備、先回り。
周りの期待を慎重に汲み、つねに少しだけ期待を超えて相手を安心させる。
それが私のミン・ユンギです。

ユンギとホビ、ふたりのCypher

「HUH?!(feat. j-hope)」を収録したアルバム「D-Day」がリリースされたのが、4月21日。
先立って、ホビ(J-HOPE)が兵役入隊したのは4月19日。

ホビを見送ってから、ミン・ユンギのアルバムの中から聞こえてくるホビの声とその歌詞に、涙があふれる…。

計画通り
道の上で、続けるよ
おれのステップは大きい
だから戻ってくるのは簡単さ

イマドキのシステムは屈辱的で
機械はオーバーヒート
逆境には耐えられても、屈辱には耐えられない
これがおれからのお返しだ

「道の上で」は「On The Street」。
ホビが、入隊前に残したソロシングルは「on the street (with J. Cole)」。
兵役義務に従って(予定通り)入隊はするけど、「On The Street」=ストリートダンスは続ける、と。ステップの幅は大きいから、すぐに戻って来るよ、と。
そして、これまでのBTS(防弾少年団)での経験があるから逆境には負けない、でもプライドは守る…。

Agust Dのアルバムの1曲「HUH?!」の中から、J-HOPEのアミへのメッセージがクリアに聞こえてくる。

ミン・ユンギは、この楽曲のフィーチャリング枠をホビのために用意したのだろうか?

アルバム発表後の楽曲解説では「この楽曲のビート(ドリルビート)が難しくて、ホビならうまくできると思った(信頼している)、ホビしかうまくできる人がいなかった」と話したミン・ユンギ。
しかもホビからの歌詞に一発でOKをだしたんだとか(まさにアドリブ、Cypher)。

そしてサビの「all me」の部分。
耳では「アーミ」って聞こえるんですよね…。

You think you know ‘bout me (all me)
Every shit is your wannabe life
Your wannabe life

HUH?!(feat. j-hope)

「The Last(Agust D|2016年)」で問うた「本当の姿」へのアンサー

この「HUH?!(feat. j-hope)」で繰り返される「What the shit, do you know about me?」。
Agsut Dお得意の口汚い言葉で「くそ!お前はおれのことを知っているって言うのか?」と。
つまり「否、分かるわけないだろ!」と。

ここについては、2016年のMixtape「Agust D」(Agsut Dの第一作目)の楽曲「The Last」で、

精神科病院に行った最初の日
親が上京して一緒にカウンセリングを受けたんだ
でも、二人ともおれのことを「よくわからない」って言った
自分でも自分のことなんてはわからないのに
だったら、誰だったらわかるって言うんだ

The Last(Agust D|2016年)

と歌っていたミン・ユンギ。

デビューしてしばらく、理想と現実のギャップや認められない(「アイドル」でもなく「ラッパー」でもない)状態、夜中音楽制作に没頭し常に寝不足だった状況下で、苦しんでいた時期には「誰にも理解されない苦悩」=理解者を求めていた、理解者がいればそれで癒されると思っていたが、時を経て「Agsut D」の三作目(2023年)では跳ね返し、当時の悩みに答えを出している。
「誰も分かるわけないだろ!」

この曲でのミン・ユンギからのメッセージは、自問自答でもある。

誰かが想像できる人生は前例がある人生。そんなものを生きてはいない。
今の姿が本当に望んでいた姿なのか。望んでいた人生なんてつならない。
「分かる」なんていう範囲を超えて、「誰かの理想」なんていう押しつけを超えて、

現実を生きろ、自分の人生を。

HUH?!(feat. j-hope)


「HUH?!(feat. j-hope)」は、「Agust D」三部作に通底する過去の辛い境遇に対する怒りや不安への答えを昇華させた1曲でありながら、ホビをフィーチャリングに迎えた2023年(今)のCypher(Cypher 5)のよう。

ミン・ユンギ。
綿密に繊細に、そして大胆に。
自身とバンタンの物語をアルバムに織り込んだ名プロデューサー。

「HUH?!(feat. j-hope)」|D-DAY(2023年)


「D-Day」の中でもお気に入りの1曲。
ビート(ドリルビート)が心地いい。

...と勝手なことを書きました。
「HUH?!(feat. j-hope)」のここが好き、ここをこう読んだ、など聞かせていただけると嬉しいです。
ぜひコメントを、お願いします💙


〈これ聴いて♪〉


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