ジュエリーをオーダーする【チェックリスト付】
すごく好きな何かがあると、受け手でいるだけでは飽き足らず自分も発信したり作る側になってみたくなりませんか?
ジュエリーに関しても同じで、たくさん見たり買ったりしているうちに「デザインは好きだけど、この石で作ってほしい」とか「手に入れたルース(※石のみの状態)をリングにしたい」とか果ては「彫金やってみたい」「CADでジュエリーのモデリングしたい」……と思い始める人は多いと思います。
とは言え一から作り始めるのはかなり大変ですから、まずプロの手を借りたセミオーダー/フルオーダーから手を出すのがほとんどでしょう。
私はここ数年ですごい勢いでジュエリーにハマってすでにどちらもお願いしました。
この記事は2つに分けてありますが、前篇はほとんどがセミオーダー/フルオーダーとは何ぞや? という内容なので、ご存じの方やオーダーをしたことがある方は読み飛ばしていただいてOKです。
また、あくまでもジュエリーが好きなカスタマー一個人の書いた文章です。
作り手さんや他のジュエリー好きさんのご意見ご感想ツッコミ等は大歓迎であります。
前篇「ジュエリーのセミオーダー/フルオーダーとは」
セミオーダーは作り手がある程度枠を設けて、買い手はその中で石やデザインを選びます。
定番品の石の種類を変えられます・というのがよくあるパターンです。
私が参加したリングセミオーダー会は、
①予めデザイナーさんが選んだ宝石の中から選ぶ
②そのブランドの定番デザイン数種類の中からデザインを選ぶ
③サイズを決める
④石の留め方などは全てお任せ、あとはウキウキ待つだけ
という方法でした。
簡単、プロが選定済みの石から選ぶのでクオリティが約束されている(もちろんオーダー先の信頼性に依りますが)、サイズも自由自在(既製品のサイズ直しだと石の破損リスクなどで限界があるため。私は小指用にしました)です。
簡単と書きましたけど大量の石からこれというものを選ぶだけでかなりの時間と精神力を使いました。
あとはデザイナーさんがイイ感じにしてくれるのですごく楽しかったです!
ただ、すでにあるデザイン「ではない」ものを作ってほしい、より細かく自分の好みを反映したいとなれば、自由度の高いフルオーダーをお願いするしかありません。
そもそもまずフルオーダーを受けていないデザイナーさん・お店さん・業者さんもいます。
受けていたとしても、お一人でやっているデザイナーさんや大きな規模でやっているわけではないお店は「セミオーダーをお願いしたことがある人のみ」「お得意様のみ」「対面でのみ」「やっているけど石の持ち込みは×」など独自の基準を設けていることがあります。
問い合わせ対応にも先方の貴重な時間が割かれますので、ウェブサイト等を確認するのがベターです。
たまにカスタムオーダーという言い方も聞きますが、私が知っている範囲だと前者にも後者にも使われていました。
セミオーダー=カスタムオーダーと呼んでいるところは定番品をカスタムできるよ、フルオーダー=カスタムオーダーはセミオーダーよりもっと色々カスタムできるよ、という意味なのかなぁと思いました。
後篇「私のフルオーダー反省点と、それに基づいたオーダー用チェックシート」
反省点という見出しをつけましたが、最終的に出来上がったものは全て満足しています!! めちゃめちゃ素敵!! というのをまず声を大にして言わせてください。
ただしそれは運が良かっただけで、もし別のところに頼んでいたら悲しい結果になっていたかもしれません……。
自戒として体験談を以下に記します。
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①持ち込み石の事前チェック、出来上がり後のチェックを疎かにした
私はジュエリーほどではないですが石も大好きなので、販売会やオンラインで石を単体で購入することもあります。
この時はそうやって買ったルースを持ち込み、お店で用意していただいたルースと組み合わせてジュエリーにしてもらいました。
完成して受け取りの際一つの石に曇りが見えましたが、なんとなく言い出せず……帰宅後にセーム革クロスで拭いてもきれいにならないのでルーペで見てみると、用意してもらったルースの曇りは汚れではなく割れで、持ち込みルースにもわずかな傷を発見しました。
どちらも硬度の高い石なのでここまで割れることはないだろうということで、前者は新しく用意していただき交換・後者は研磨し直しということになりましたが、「引渡し後に割れたのでは?」と突っぱねられる可能性だってあったわけです。(ここのお店はどの工程で割れ・傷ができたと思われるかきちんと説明してくださり、追加費用も無し、新しいルースは留める前に確認の時間を設けてくれました)
私はルースを購入した直後ルーペを使って撮影するのが常ですが、写真の日付から時間が経っていたら何の証拠にもなりません。
・必ず加工に出す前に自分と先方双方立ち合いのもとルーペで確認し、初期傷があれば記録に残す。
・受け取り時もルーペでくまなく確認して気になる点はすぐその場で伝える。
・もし加工中に石が欠けたり割れた場合どうするのかを事前に決めておく。
お忘れなく!!!
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②デザイン変更の過程を描いたり書いたりして残さなかった
最初はA案で行きましょうというところから始まり、やっぱりこういう感じはどうでしょうかと参考画像とともにB案を持ち込み……と何度も変更を重ね、最終的には「A案のかたちで、表面のテクスチャのみB案っぽく」とお願いしました。
ところが石を留める前に送ってもらった画像を見てビックリ、かたちまでB案の参考画像に寄せてあるーーー!!!
でもかなり好みドンピシャの見た目だったのでとりあえず一度試着してみたところ、思った100倍良く、しかも予算度外視の地金たっぷりリッチ仕様だったので、ありがたくそのまま進めていただくことにしました。
もうこれは完全にラッキーだったとしか言いようがありません。
残っているのは手描きのA案ラフ、そして対面打ち合わせ中に補足の言葉なしでメールしたB案の参考画像のみだったので、仮に気に入らなかったとしても私に非がありすぎて何も言えないですね。
・三面図やワックス原型などで先にイメージを確定させてから制作に入ってもらう。
・デザイン変更の過程は全て双方が見える形で残しておく。
お忘れなく!!!
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いかがでしょうか。
私は書いていて今さら冷や汗が出ました。
皆様ご存じの通りジュエリーは失敗してもまぁいっかと思える値段ではないので、なるべくリスクを避けるべくチェックシートを作成してみました。
良かったらDLして使ってみてくださいね。
なんかあったら怖いので二次配布はご遠慮ください。
あわよくば記入したものや(妄想でも良いんですよ〜!)完成品を見せてくださるとすんごく嬉しいです。
これを作るにあたってインスタでジュエリー好きさん達からお話を伺ったのですが、
「リングなら腕の太さ、あとはそのお店の地金の色味を確認する! お店によって同じイエローゴールドとかホワイトゴールド表記でも色が微妙に違うので」
という見落としがちなところを教えてくださったり
「●●に相談!」
とストレートにいちおしの業者さんを教えてくださったり
「作ってほしいものを分かりやすく作家さんに伝える! 図を用いたり、具体的に決まっていること、固まっていないなら作品のテーマ(転がる水滴。地球で生まれた綺麗な青。←これ素敵なのでそのまま引用です)、自分の好きなブランドや建築物などを伝えても」
という具体的なオーダー過程を説明してくださったり
「納得できない時は決して首を縦に振らない! そのまま進めず正直に希望を話す……でも時には作家さんの意思を尊重して。あとは過去の作品のスクリーンショットに書き込んだり、とにかく何度もやり取り」
と強い意志の持ち方を教えていただいたり。(笑)
私よりずっとオーダー経験豊富なカスタマーさんの言葉なので、こちらもぜひ参考になさってください!
具体的なお店の名前はどこも出さないように書いているので2つ目のアドバイスが活かせてないんですけども……。
最後に
ほとんどの人にとって、ジュエリーは買う場所や手に入れる過程もとても大事で、嫌な思い出が残ってしまったらどんなに高いお金を払っていたとしても結局着けなくなると思います。
上記のアクシデントの時はお店の誠意あるご対応や運に救われました。
少し前にとあるジュエリー好きさんとのやり取りの中で伺った「人が作るものだから失敗はある。とっておきのルースは、万が一割れてしまったとしても『この人なら仕方ない』と思えるくらい信頼している人に預ける」というのは至言だなと思いました。
ジュエリーは服や靴と違い、無くても生活ができるものだ。
だからこそやっぱりとびきり大好きなものを選びたい。
皆さんが理想の詰まった唯一無二の納得ジュエリーを手に入れられますように!
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