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体罰

体罰の定義

教員が児童・生徒に対して戒めるべき行為を再び繰り返さないという、教育目的に基づく制裁を行うこと懲戒と言う。懲戒には注意、警告、叱責、説諭、訓戒、法的効果をもたらす停学、退学の処分がある。体罰とは、懲戒のうち教員が生徒の身体に直接的、間接的に肉体的苦痛を与えるこういのことをいう。

<具体例>

・有形力(目に見える物理的な力)の行使により物理的な力の程度や肉体的苦痛の有無に関わらず傷害を負わせた場合

・一歩間違えたら重大な傷害になる頭部、頸部、急所に対して有形力を行使した場合

・棒や出席簿、固定物などを使って有形力を行使したり、格闘技の技を用いた場合

・椅子など、物を投げて当てた場合

・頭や頬を叩いく、突き飛ばす、足や脇腹を蹴る、髪を引っ張る、長時間廊下に立たせるなどした場合

最近起きた体罰事件

・神戸市立科学技術高校の野球部顧問だった男性教諭(53)が部員を蹴るなどの体罰を加えたとして、神戸市教育委員会は2019年6月14日に戒告の懲戒処分にしたと発表した。男性教諭は2017年10月ごろに同校で行われた練習試合で部員の太ももを蹴る、2018年8月ごろには尻を蹴るなどの暴行や長時間立たせるなどの指導を行っていた。今年2月に保護者からの投書があり、部員へのアンケートを行った結果、体罰が発覚した。

・兵庫県尼崎市尼崎高校男子バレーボール部でコーチの臨時男性講師(28)が体罰を加え、顔を平手打ちされた部員の左耳の鼓膜損傷など怪我をしていたことが2019年5月15日に市教育委員会への取材で発覚した。市教育委員会によると体罰は4月29日にあり、暴行によって意識を失った部員を30分近く放置していたという。さらに教育委員会は学校が体罰を隠蔽しがあったと発表した。また、その後の学校関係者への取材で硬式野球部のコーチを務める男性教員が1年生部員を数十回叩くなどの体罰を加えているのを生徒が目撃してたことが17日に発覚した。これらを受けて市教育委員会は全校生徒955人に対してアンケートを行った。その結果34人生徒が「体罰を受けた」と答えた、と6月10日に発表した。また、保護者へのアンケートでバレーボール部、硬式野球部以外の4つの部活で体罰があったという指摘も上がった。さらに、新たに2人の教員が過去の体罰を認める記述をしたことも分かった。

芝と体罰

芝では1957年に男性教諭が生徒を殴り死亡させたという事件があった。1957年7月5日、芝中学校3年学級担任の保健体育教諭 Y が担任クラスで学級指導中、早く授業が終わった隣のクラスの生徒数人がYの担任クラスを覗き込んだことに激高。Yは生徒らを追い掛け、3年生の男子生徒1人を捕まえて平手打ちを数回繰り返す、壁に頭数回ぶつける、足払いして倒すなどした。暴行を受けた生徒は直後に倒れ意識不明になり病院へ搬送されたが事件翌日に死亡した。警視庁などは同年7月7日にYを傷害致死容疑で逮捕した。Yは同年7月26日に起訴された。東京地裁は1958年5月28日に懲役3年の実刑判決を下した。これに対し Yは控訴したが東京高裁は1959年9月29日に一審判決を支持して控訴を棄却し、同様に懲役3年の実刑判決とした。「体罰」によって生徒が死亡した事件、また加害教諭が有罪判決を受けた事件は戦後初となった。