あの夜②

好きな人とのHがこんなにも気持ちのいいものだと思わなくて、
こんなにも満たされるなんて知らなかった。

それほど経験はないのだけれど、これまで好きだと言われて付き合った人とか好きかどうか分からない人と身体を重ねたことはあった。

どれも感じている振りしたり早く終わらないかなあとか思っていた。
Hってそれほどいいものじゃないし、理想と現実のギャップみたいなのを感じていた。

けど、好きな人とのは違った。

手を繋いで一緒に寝るだけで、幸せに包まれて、いつも振りだったところも感じられて、全身が性感帯になるみたいなそんな気持ちだった。

友達からの好きな人だったから、急に雰囲気が変わるところとか、みんなには見せないところを見せたりとか。

友達からそういう関係を持つのが怖くて、

Hに対してああこの人に嘘をつかなきゃいけないのかと思うと、嫌で

そんな思いだったからキスより先にはなかなか進めなくて

魅力的じゃないと思われたらどうしよう、遊びだったらどうしようってぐるぐるぐる

友達の関係じゃなくなるっていったのは、その場の雰囲気で流されているような曖昧な関係だったらやりたくはないということ。

ああほんとに夢みたいな夜だったなと思う。

ぎちっと中まで入れられて、どくどくするのが感じられるくらい密着してて

押し広げられるのが分かった。

好きだなあって思った。



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