「春暁」という曲

おはこんばんにちは、佐藤凌駕です。
ついに私がフロントマンを務めております佐藤凌駕と大日本帝国ズの楽曲がサブスク解禁され、春暁という新曲も配信されることになりました。
この曲は僕が作った曲の中でもお気に入りでして、SNSの反応を見るに皆さんのウケも良く、凄く嬉しかった。

そんなわけでこの曲の制作時の話とかをしようかなと勢いでこの駄文を書き散らしております。お目汚しになってしまうかもしれませんがよろしければあと数百文字お付き合い下さい。

この曲は高校三年生なりたての春、2023年の四月に作った曲でして、恋だとか愛というのは実際に経験するとどうしてもドロドロとした負の感情がついてまわるもので、僕はそれを身をもって経験しているのですが、どうしても自分の作る曲の中では恋や愛というものは、純粋で、綺麗で、狂気的な完璧なものでなければならないという意識がありました。
僕がお付き合いしている恋人に対する感情を割とそのままに書き上げて、綺麗な言葉に推敲して歌詞を描きました。一旦歌詞をご覧下さい。

余計な言葉ばかり街には溢れ
少し疲れてしまうね だから少しだけ遠くへ
月の裏側 深海の底
君と二人だけで眠れるところへ

東から吹く風が夜に溶け出す
真夜中の花園で 私あなたに抱かれ
寝静まる街が目を覚ます前に
夜と朝の間に溶けていくの

ああ あなたの腕が薔薇の棘だったとしても
私は抱きしめられて 深い傷口に
溢れるほどに愛を注がれたい
心も体も 声も全て
あなたに包まれて生きていたいの
あなたに包まれて死んでしまいたいの
シャララララララ シャラララララララララ…

うーん、なんて素晴らしい歌詞、自画自賛で申し訳ないですがこれを書きあげた時僕は時代さえ違えばレコード大賞も余裕で狙える曲だったと思いました。(今の時代ては忖度音楽賞ですので無理でしょう。)
歌詞というのはそれぞれの解釈をされるものですので作曲者がひとつの答えを提示してしまうのは野暮なので、あんまり詳細には書きません。でも本当に人を深く愛すると、愛というものは綺麗な言葉だけでは表現出来ず、常に痛み、妬み、嫉み、死などの暗い表現が付きまとうものです。(これを理解できない人は、ただ愛や恋という概念そのものに憧れているだけだと思います。)でも、いや、だからこそ、あなたのその真っ直ぐで暖かな両腕が、実際の正体は薔薇の棘であったとしても、あなたに抱きしめられ、もう二度と消えないあなたという名の傷がついてしまった私の体に、溢れるほどに愛を注いで欲しいということでございまして…(ポエムスマソw)

恋というものは二人で成立します、というか二人でしか成立しません。しかし恋というものには必ず個としての人生や、嫉みや、そういう物が必然的についてまわります。だから寝静まる町で、二人きりになれたら、朝が来て皆が目を覚ます前にどこかに二人で溶けて消えたい。そのように思えるその時間が春暁なのです。春の明け方、二人だけの時間、世界で一番美しい時間。(ポエムスマソw2)

歌詞についてはこんな具合です、もっと喋りたいけど文字に起こそうとすると長くなりすぎちゃうので。ほいで音楽的な面で言うならこの曲は僕のルーツである歌謡曲に多大な影響を受けております。福島の田舎出身なものでCD屋なんか周りになくて子供の頃に自然に耳に入る音楽と言えば近所の集会所のおばあさんとかがカセットで聞く演歌とかが主でした。そして自主的に興味もってYouTubeで尾崎紀世彦とか沢田研二を聞いてカラオケ行ってはズボンに手を突っ込んで真似しながら歌ったりしてました。(初めて行ったコンサートは布施明です。パンクスなのに。)
この曲の影響元で行くとコード的には松任谷由実の卒業写真、あとは歌謡曲じゃないけど大好きなThe ピーズの実験4号を参考にしました。そしてアレンジとしてはLAMPのランプ幻想というアルバムにハマっていて、女性の声を入れたいと思っておりました。(それで声質的にイメージに近いヨスガのこいしを誘った、俺の見立ては間違ってなかった!)
そしてサウンドにもかなり拘りまして、まずドラムのシラハマ先生が言うには歌謡曲のドラムを意識してフィルの手数を減らしたり、ハイハットのニュアンスを大事にしてるみたいです。そしてミックスでルームリバーブの感じを凄い拘って指示出ししていましたね、彼は。素晴らしいドラマー。そしてずっとシャンシャンなってる鈴も彼の思いついたアレンジ。
僕はというとニシヤさんというベーシストの大先輩にバイオリンベースをお借りして、ポコポコとした古臭い音、そして構成音を弾いてリズムで魅せる基本に忠実なベースラインを意識しました。その上でちゃんと裏メロ的なニュアンスも出るような、まぁポール・マッカートニーみたいな感じですね、わかり易く言うと。
そしてギターは高校の後輩で、サポートでライブにも出てくれたりしていたゆうとを呼んで撮ってもらいました。バッキングの音も空間系マシマシの雰囲気あるアルペジオが素晴らしいし、なんと言ってもギターソロが本当に素晴らしい。凄く心にくるメロディでこの曲をより良いものにしてくれました。彼は天才ですよ。本当に。
そしてエレピ。これは僕の信頼している高校時代の作曲の先生に担当して頂きました。これも凄い雰囲気ある音でこの曲の持つ浮遊感をより際立たせる素晴らしいプレイをして頂きました。

そして歌。ここが本当に難しかった。レコーディング一日目に楽器隊は撮り終わって、次の日歌撮りだったのですが僕が風邪をひいてしまい全く歌えないという緊急事態。僕はもうへこんでしまってその場のみんなにやっぱ俺ってダメなんだ…とか言って宥めてもらっていました。めんどくさすぎる。結局その日はこいしのコーラスを全部撮ってしまって終わり。後日歌撮りということになりました。
そしてやっと声が出るようになったもののライブでやっているような歌い方だと声が割れてしまったりということでかなり落ち着いた歌い方で歌いました。それこそ歌謡歌手的な。そして歌詞の世界観的に一番は男目線なんです。歌詞も女性をリードする感じなので余裕のある感じというか、包容力のある感じを意識して歌いました。そして二番以降、ここが難しかった。女性目線の歌詞ということで女性らしく歌うんですが僕は男なのでそこの心情の切り替えが凄い難しくて、何回も歌い直しました。技術的なことを言うと喉の下の方をあまり使わずに上擦った感じで柔らかく歌うのを意識しました。そして男に対して全幅の信頼を寄せる恋する乙女のフワッとした感じを出すために歌詞に出てくる女性になったつもりで歌いました。ギソロ明けは同じ女性なのですが月日が流れて、恋愛により狂気的な成分が出はじめ、ある種悟りを覚えた女性ということでさっきのフワッとしたニュアンスは無くして、全ての覚悟を決めた強い女性というニュアンスで歌いました。ここもがなりとかで狂気的な演出をするっていう手もあったんですが僕はこの女性は凄く優しい人だと思っていたので、その優しさを残したまま芯のある歌い口で歌いました。凄く難しかったけどいい経験になったし何より歌い終わってからが凄く達成感があって嬉しかった。
そしてミックスを1stも撮ってくれた重森さんという方に担当して頂き、予想通りの素晴らしい音で帰ってきました。(今回はシラハマ先生の提案でベースアンプだけ別室に置くとか撮り方を色々工夫したのも大きかった。)
本当に素晴らしい音源に仕上がったと思っているので、サブスクという便利なツールで皆さんが聞いてくれて本当に嬉しいです。纏め方が分からないのでここで終わり!閉廷!!!!!みんなもっと聞いていいんだからね!!!!!!!!!!

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