内輪ネタで走るRTAのすゝめ

どうも、フルトしろ。です。

ある日、自分が走ったRTAを振り返ってみました。
記録を申請していないもの、そもそもspeedrun.com (世界最大規模のRTA記録集積サイト、以下SRC)にページがないものを含めると、SRCに申請した記録以上に走れるゲームはあるはずです

と思ってカウントしました。以下の通りです。

  • I Am Fish

  • ぷよぷよテトリス

  • Tetris Effect

  • Tetris (Facebook版、WEB版)

  • そろそろ寿司を食べないと死ぬぜ!

  • 塊魂アンコール

  • リングフィットアドベンチャー

  • ぷよぷよ通

  • NINJA RUN

  • 勇者になったバーミーズ

一部は動画が残っていないため証明できないものもありますが、とにかく以上が僕がこれまでに走ってきたRTAたちです。
これに追加で走ってみたいタイトルを含めると膨大な数になるでしょう。

さて、このうち走者が(実質)僕だけのゲームが二つ存在します。
上に書き留めたタイトルたちの中の最後の二つ、NINJA RUNと勇者になったバーミーズです。
なぜそこまで少ないのかというと、内輪ネタで走ったゲームだから。

…どういうことかわからない?
確かに、内輪ネタでRTAを走る人なんてほとんどいないでしょう。というかもしかしたら僕だけかも。


というわけで、そもそも内輪ネタで走るRTAとはどういうことなのか、走るに至った経緯などを、この記事では書いていきたいと思います。

内輪ネタで走るRTAとは?

超簡単、知り合いが作ったゲームを走ることです。
NINJA RUNの場合ネッ友の人が作ったから、勇者になったバーミーズの場合自分が好きなグループのRPGが二次創作で作られたから走りました。

経緯

NINJA RUNの場合

NINJA RUNの製作者は先ほど言った通り僕のネッ友にあたる人物、トロルマンさんです。

ある日Twitterをみていると、トロルマンさんが自分で作ったゲームでRTAをYoutubeで配信しているところを見ました。あくまで彼はRTA界隈の人間ではなく、ただ単に作者がRTAをしたら面白いんじゃね!?という発想だと思います。
それをみた僕は、面白そうだと思い本気でRTAを走り、世界記録(つまり製作者の記録)を更新します。

そのあとお互いに世界記録を更新しあい、またバグ技も見つけたりなどお互いに切磋琢磨しあった中…何を思ったのか筆者はこのゲームをSRCに申請します。承認されます。やったぁ。

こちらが実際のそのページです。みていただけるとわかる通り走者は僕と制作者の2名だけです。

現在僕はI Am Fishを本業としてRTA走者をやっていますが、実はそれがリリースされる前はこのゲームを非常にやり込んでいました。
おかげで素人では出せないようなタイムをマークしています。

こちらのゲームはSCRATCH製なので誰でも無料でプレイすることができます。よければあなたも気が向いたら走ってみてはいかがでしょうか。
世界3位になれるチャンスです。

プレイはこちらから

勇者になったバーミーズの場合

こちらのゲームは少し説明に時間がかかります。

まず前提として、作曲・MIX等担当の芝さん、そして歌・動画編集担当のTommyさん2人からなる「バーミーズ」という音楽ユニットがあります。

こちらがそのバーミーズさんのチャンネルです。登録者数は執筆時点でまだ二桁ですが、絶対もっと伸びていい実力を持った2人です。実際に彼らはニコニコ動画で定期的に開催される音楽イベントで大きな爪痕を残しています。
もっとバーミーズさんについて語りたいところですが、これ以上語ると話が逸れてしまうのでここら辺で止めておきます。お二人の曲、是非聞いてみてください。

さて、バーミーズさんの作曲担当、芝さんには音楽界隈で仲のいい方の1人に、ウィリアム・シェイクスピアさん(以下ウィリさん)という方が存在します。

音楽界隈の人なのか、ネタ動画界隈の方なのかはもうわかりません。ユニークな動画や曲を投稿している方です。
また、去年秋にニコニコで開催された「ネタ曲投稿祭」では、「3人のウィリアム」という作品で参加し、執筆時点で7.5万回再生という大きな爪痕を残した方でもあります。

以上の二組3名が、勇者になったバーミーズにおいての主要人物です。

ある日、ウィリさんはRPGツクールにて「勇者になったシェイクスピア」というゲームを製作します。

これにバーミーズさん(主に芝さん)が反応し、実況プレイがニコニコ動画にて公開されます。
僕もこのゲームは気になっていたのですが、芝さんによるその実況動画を見てわかったのは「想像以上にクオリティが高く長い」ということでした。
実は僕はRPGというのはゲームにおいて苦手ジャンル。人生でいくつかRPGは触りましたが、エンディングを見たのは約5時間ほどで終わるUndertaleしかありません。

(そんな長いのなら俺は絶対投げてしまうな…)当時の僕はプレイを諦めました。

数日後、僕のTwitterにこんなツイートが流れます

なんと、ウィリさんが最後まで実況動画を投稿していただいたお礼ということで、バーミーズが主人公となったスピンオフ作品を制作したのです。
バーミーズさんのファンな僕、これは絶対にプレイしておきたい。
しかも概要欄には「想定プレイ時間2時間」と書かれています。これなら俺でもいけるぞ!!

というわけで早速一周。以外にも、初見プレイですら1時間を切りました。

これなら、もしかしてRTAできるんじゃないか…?と考え、トライ&エラーでチャートを構築し走ったのがきっかけでした。

ちなみに走った時の反響(?)は大きかったです。
まず芝さん本人に反応をいただきました。

次に、制作者ウィリさんから即興演奏のお祝いをいただきました。

そしてこれが一番すごい。なんと「フルトしろ。」というキャラクターがこのゲームに追加され、話しかけると仲間となって一緒に冒険できるようになっていました。

なお、レベルアップはしない(ものだったはず)ため、パラメーターは終盤に合わせられていました。おかげでチートキャラです。

こちらの勇者になったバーミーズもブラウザにて遊ぶことができますので、プレイしてみてください。
なお、初見プレイで僕を仲間にするのはオススメしません。

内輪ネタで走るメリットデメリット

さて、ここまでで僕が内輪ネタで走ったゲーム二つの紹介をしてきました。
ここでは、僕が考える内輪ネタRTAのメリットデメリットについて考えたいと思います。

メリット

  • ほとんどのゲームはすぐ終わる

内輪ネタで走るということはそのゲームは個人で制作された、いわゆるインディーゲームのような立ち位置のゲームになると思います。
個人で制作する以上、ボリュームの多いゲームを作るのは非常に難しく、必然的に少なめのゲームになってしまうでしょう。小ネタとかストーリーの伏線とかそういうところはともかく、少なくともプレイ時間という観点においては。

つまり、大抵のゲームはもともと短時間でクリアすることが可能なゲームです。それがさらにRTAとなればもっと短い時間で走れるのは必然。
練習やチャート構築に必要な時間も比較的短めに収まるでしょう。
(勇者になったシェイクスピアの場合は以上にボリュームが多く断念してしまいましたが…)

つまり、走る際の敷居は低い、ということです。

  • 喜ばれる

当たり前に感じますが、喜んでいただけるのは走者としても嬉しいことです。

そもそもRTAというのは孤独的な遊び方です。そのため反応してくれる人がいれば十分なモチベーションアップにつながります。
反応してくれる人も様々でしょう。基本的には同じゲームの走者だったり、そのゲームの熱狂的なファンだったり、制作に関係する人だったり…この中で、個人的に反応してもらった時一番嬉しいと感じるのは最後の制作者・関係者です。

内輪ネタで走ったら製作者は個人なので大体反応していただけます。製作者に反応してもらった、これがすごく嬉しかったです。
これを第一の理由として走るならただのゲスですが、モチベーションを保つという点ではこれも僕が走った理由に入るかなと思いました。

  • 面白いから

長々といろいろ書きましたけど、正直こうです。知り合いの作ったゲームを本気で練習してチャート構築してRTAを走るって、面白くない?

製作者と走者(僕)の中でRTAを走って面白がる、まさに「内輪ネタ」です。


さて、いろいろメリットを書いてみましたが、次に書くのはデメリットです。
といっても、デメリットは僕が考える限り一つしかありません。

もちろん、バグが起きる可能性が高いとかゲーム自体の質が低いなどはあるかもしれませんが、そのゲームを楽しんで走っているのであればそのような問題は発生しないと思います。
内輪ネタどうこうに限らず、RTAを走るのであれば前提としてそのゲームが好きであるべきと僕は考えているので、これらの問題は無視します。

デメリット

イベントに参加しづらい

これだと思います。本当に。
自分視点だといいゲームに見えても、内輪ネタで走っている以上その輪に入っていないイベントの視聴者さんには「自分の知らない普通の人が作ったよくあるゲーム」でしかないのです。

ちゃんとしたアクションゲームだしいろんな人に知られて欲しいとは思っているのですが、内輪ネタという特性上イベントに出て広めるというのは難しいでしょう。
内輪ネタと言わなくてもよくなるくらい人口が増えればいいのですが、それにもキッカケは必須です。

そのキッカケ作りのためにも、もし「NINJA RUNでウチのイベント出ていいよ!」と言ってくださる主催者様は連絡をお願いします。
行けたら行きます。

結論

内輪ネタなのだから日の目を浴びるような場所で披露することは難しいでしょうが、楽しく走ることはできると思います。

身近な場所にゲームクリエイター、とまでは行かずともプログラミングが趣味くらいの知り合いがいるなら、その人のゲームで走ってみてはいかがですか?

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