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網干にも“ゴローさん”が来るんじゃないか?
駅前に降り立つ。
パッと「ビアホールあぼし」の看板が目に入る。
(まだ、開店してないよな…)
オレは見た目どおり、実は飲める。いや、むしろ飲みたい...っ。
そして、少し離れた所にマクドナルド。
(いやいやいや...ココで食べなくても…)
(それにしても、腹減った…)
(マックがあるのは分かった。最悪の時の手段は確保したとして…)
逃げる様に反対方向へと歩みを進める。
駅近なのに、すでに住宅街。
(なんだろう?着物のお店が多い。
イカン、イカン。オレは腹が減ってるんだ)
(おっ、定食屋。「素材にこだわる・・・」
なるほどぉ、いつものオレなら飛び込んでそうだ。
でも、何か違う。オレの勘が囁いてる。きっと、この先に何かある)
(ん?アレは…焼肉屋?桜って、馬肉でも焼けるのか?)
(ん?!!)
(アレだ。アソコだ!オレが求めていたのは・・・)
(ステーキハウス。駐車場はいっぱいだ)
(並ぶのか…)
(おっ、ラッキー!ちょうど引けたところだ!)
「いらっしゃいませぇ。何名さまですか?」
「ひ、一人です」
「お一人さまぁ、カウンターへどうぞぉ」
「ランチは、ご飯とサラダ、おかわり出来ますからねぇ。
ご飯は大盛りもできますよぉ」
「あ、はい」
(なんだろう?この語尾が上がる様な、下がる様な…)
(えーっと、どれどれ?ほほーん、タブレットかぁ。強敵だな)
(ハンバーグ、普通に美味そう。
ステーキにするか…いやいや、ここはやっぱり…)
(ご飯は大盛りっと)ポチっ
「お待たせしましたぁ。ランチのサラダでーすぅ」
(早っ)
(えーなにぃ!このドレッシング、めちゃめちゃウマいぞ!)
「こちら、ランチのスープでーす」
「あ、すみません。サラダおかわり、できれば…大盛りで」
「はぁーぃ」
(ふむふむ、このスープも優しい感じだ)
「お待たせしましたぁ。ハンバーグでーす」
(ぐつぐつぐつぐつ・・・)
(おぉ、噴火してるみたいに、ハンバーグがざわめいてる)
(デミソースか?たしか、この辺のかつ飯もデミソースがかかってたよな)
「ライスでーす」
(?!うわっ!何コレ!?ちょっと大盛り過ぎない!?)
(まぁ、いい。まずはハンバーグから)
(普通に旨い。デミソースとよく合う)
(あぁ、隣から香ばしい醤油の焦げる匂いが。アレはおろしハンバーグか?
それも良さそうだ)
(うむ。デミソースだけでも、ご飯、いける)
(このベーコン...
サイズ半分でいいから、厚切りにしたら面白いんじゃないか?)
(いやぁ、いい。実にいい)
(ご飯、まだあるな…)
「あのぉ、すみません。おろしハンバーグ、単品…って、できます?」
「はぃっ?」
(このお客さん、ホント、よく、食べるね)
(あぁ、この後、仕事じゃなきゃ、赤ワインでも…)
(仕事が終わったら、ビアホールに寄ってくか)
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