研究機能が分散する社会を想う

僕の研究会では、

・独立系研究者、野生の研究者
 特定の研究機関に属さない独立系研究者という生き方
 誰もが研究する時代の到来 「野生の研究者」の生態に迫る

・有志の集まる研究会
 新しい学問を切り拓くのは誰か?食用昆虫科学研究会の挑戦の日々

・NPO
 博士課程への進学ではなくNPO設立を選んだ理由

など、既存の研究機関以外の人や組織が研究機能を持つ動きを追っている。(今後、報道機関やエンタメ業界などの事例を取り上げる予定)

また、それらをサポートするような動きも合わせて追っている。

 研究者とお金の話 リバネスの「研究応援プロジェクト」
 DIYブームは研究をどう変えるか?

この動きって何なんだろうと考えた結果、自分の中では「学術機関が抱え込んできた研究機能が社会に分散していくのだな」という結論に至った。

ネガティブな理由としては「税金を学術研究につぎ込むのが苦しくなった」、ポジティブな理由としては「研究って楽しいとアカデミアの外の人が気づいた」「学術的な知見が人を動かす説得力を持つことにNPOやエンタメ業界の人が気づいた」あたりが考えられる。とにかく、研究機能の分散化は起こり始めて、エントロピーの法則のように、この流れは今後も止まらないだろう、と個人的には思っている。

これらの動きを受けて、これまで知の生産と管理を担ってきた学術機関(大学・研究所・博物館など)や学術団体(学会など)がどのように振る舞うか、というのが僕の今の興味である。

なので、僕の研究会は、研究会で取り上げている人たちを皆に知って欲しいのではなく、研究会で取り上げたテーマをパズルのピースのように組み合わせながら描いた「研究機能が分散していく社会」を前にして、学術機関がどうあるべきかについて、僕と学術機関の人たちとが議論をするための材料を集める場である。

自分の研究会の意味を振り返ってみた。こういうのは定期的にやりたい。

p.s.
世界に1台しか無い設備を使い、世界各国の研究者を一同に揃えた、いわゆるビッグサイエンス(=本記事で書いた内容と真逆の「研究機能の集約」)の流れも並行して進んでいくが、そっちの話は他の人にお任せしたい。

サポートありがとうございます! いただいたお金は研究者にお賽銭したり研究者掘り出し活動に使ったりします https://note.mu/2ndlab/n/n45257907f328