運動神経が悪くてもSUPはできる、はすべて詐欺です
私は、運動が大の苦手である。
ジョギングは、自分のペースで地面を走るだけなので出来る。
しかし、それ以外のスポーツは全くできない。
(例1)
バスケットボールに触れた瞬間、小指を骨折する(全治1か月)
(例2)
スキーに行ったが全く滑れず彼女と破局(修復不能)
(例3)
道を歩いていたらコケて靭帯を断裂する(全治3か月)
そんな私がSUPをすることになった。
友人いわく
「SUPは楽しい」
「運動神経ゼロの私でもできる」
とのことだった。
「運動苦手でもできるなら、私にも出来るかな」
と錯誤し、私はSUPに挑戦してしまった。
ちなみに、詐欺師の友人は「私は運動神経が悪い」と人を欺き、
「論吉でもSUPができる」という錯誤に陥れ、
「論吉もSUPする!」という瑕疵のある意思表示を行わせ、
「体力」という中年にとっての財物を交付させた。
(刑法246条違反)
これにより、1つの人間関係が終了した。
まず、SUPの前に講習を受けた。
パドル?の漕ぎ方や、ボードの上での立ち方などを習った。
友人は「ずいぶん丁寧に講習をやるんですね、アハハ」と涼しい顔でその講習を受けていた。
一方、私は必死であった。
「SUPって、こんなに気を付けることがたくさんあるのか」
習ったことを頭に入れるのに必死だった。
そんな必死な私をみて、詐欺師の友人は薄ら笑いを浮かべていた。
その後、参加者たちにボードが配布され、いざ水の上へ
まずは座った状態で水面を進む。
先生や他の参加者、友人はどんどん前に進んでいく。
しかし、私は先生から習った漕ぎ方をしても、全く前に進むことができなかった。
前に進もうとしても、ボードが回転してしまうのだ。
おそらく漕ぎ方が間違っているのだが、どう間違っているのかは、ド素人にはわからない。
悲惨な私の様子をみて、優しい先生は具体的なアドバイスをしてくれた。
しかし、その教えに習っているつもりでも、要らんところに力が入り、
ゼエゼエと息切れし始め、どんどん体力を消耗していく
一方、友人は涼しい顔で、新緑映える山々の景色を堪能していた。
先生から、
「それではみなさん、今度は、ボードの上で立ち上がってみましょう!」
と提案される。
次々と立ち上がる参加者たち詐欺師の友人は、先生に習った立ち上がり方など無視し、余裕しゃくしゃくの表情でスイっと立ち上がる。
一方の私は、先生に習った言葉を頭のなかで1つずつ思い出し、ゆっくりゆっくり立ち上がった。
「怖い」
膝がガクガクと震え始めた。
先生から見ても、私の膝が笑っているのがわかるくらい、私の膝はガクガクと震えていた。
膝は震えているが、どうにか進まないと、一生水の上にいることになってしまう。
震える膝のまま、必死でパドルを漕ぎ、どうにか先生が指定する場所に進もうとする。
しかし、やはりボードは思ったように進まない。
そんな様子の私を見て、ニヤニヤした顔の友人は、こう言った。
「こうやればいいんですよ」(スイ~、と前に進む動作つきで)
・・・・。
そんなことはわかっている(怒)
それをやっているつもりなのに、出来ないのだ(怒)
人が悩んだり困っている時に、聞きたくもないアドバイスをしてくる奴っているよね(怒)
この前読んだ本で、こんなセリフがあった
こっちがほしいのはアドバイスじゃなくて
「SUPって、最初は難しいよね」
「怖いのに、がんばってくれてありがとう」
「一緒にSUPできて嬉しいよ」
などの優しい言葉である。
SUPの先生でもない、てめえからのアドバイスなんざこっちは求めてねえんだよ(怒)
私は奴の上から目線でのアドバイスを聞いた時、
「絶対にこいつを水中に沈め、息の根を止めてやる」
と思い、必死でパドルを漕いだ。
恐怖が復讐心へと変わったことで、膝の震えは止まり、私は無事に陸地に戻ることができた。(もしかしたら、友人は私の技術向上のために、敢えて恐怖を怒りに変えてくれたのかもしれなi・・・いやそれはないな。)
陸は素晴らしい。
地面を踏みしめても、私をしっかりと支えてくれる。
それに対し、水の上はグラグラと揺れ、周囲は私を裏切る人間だらけである。
あの水の上でのグラグラは、人間関係のグラつきを現しているのかもしれない。
水の上では(先生以外)、誰も助けてくれない。
水の上は敵だらけである。
こうして、一つの人間関係は終了した。
もし、皆さんが
「SUPは簡単だよ」
「気持ちいいよ」
「誰でもやってるよ」
「違法じゃないよ」
「一度くらいなら(水に)つかっても大丈夫だよ」
「ダイエットにいいよ」
「嫌なことを忘れられるよ」
「ストレスを解消させてくれるよ」
「うまくやれば大丈夫だよ」
「安全だよ」
と言われても、
それは詐欺です。
運動神経が、遠慮でも謙虚でもなく、ガチで苦手な人は、
甘い言葉に騙されないように、くれぐれも気を付けて下さい。
おしまい(人間関係が)