夢で逢えたら。

白いのは冬の吐息、キッチンのサラサラとしたNaCl、アナベルをそっと添えて、軋む自転車を使い捨てた。こわいくらい眩しいほど青い空の真下。春の死骸、京王線のホームで、相模湾に沈めたゴミの華やぐ季節の人々を窓枠を通して眺めている。

会いたいね、ほらね、誰にも言えないし、いいたいことねえ、今離さないで、忘れないで、剥がれても、虚露な薄闇を喰む。笑って、笑って。悪い夢をを見てみたい、夢なら覚めることができるから。

吐瀉しても弱音は吐きたくない、厭わずに、ひとりで寝るのはぬいぐるみを抱える。泣きたいな、泣きたいな。手放してほしいな。白いコーデュロイのリノリウムで泣きながら誰の力にもなれないことを

孵化した七月が孵化した時に姫女苑の海岸沿いを歩いたりしようよ。ヴァルハラに行った落ちる君の顔をそっと撫でるよ、いつまでも目が覚めないでいてほしいよ、ゲヘナの隅で目が覚めなくても。着てるシャツの匂いが好きって言われたいね。

わたしはもうお前のものじゃないしお前らはもうわたしのものじゃない、でも忘れないで、忘れないでいて。柔軟剤の匂いは覚えているけどあなたの匂いは忘れちゃった。同じ人でいてくれたら。手放せてないよ。寂しくても確かめながら、全部を抱きしめてわたしは生きていくよ。

誰とも関わりたくなくはあるけど、何かやりながら一人で発狂しながらどうにか孤独を噛み締めて味がなくなるなまで生きていくしかない、過去に囚われて亡霊になってることはままあるけどさ、過去を追悼するために、不確定な未来を自らの手で創造するために、わたしは生きて、生きて、生きるということにエーテルを賭してみたいかな。いっしょに見た夜光虫の青色を、夜の波をこえてゆくよ、

小鳥の食費になります