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書痙(しょけい)の話

皆さんは「書痙」という症状をご存じでしょうか?

字を書こうとすると手が震える、うまく手が動かないなどの症状が出ます。手自体の異常はなく、ストレスなどの心理的要因が関与しており、筋緊張異常(ジストニア)の一種と考えられています。うまくおこなえない動作以外の、ほかの動作をするときには異常が出ないのが特徴です。書字以外に、キーボードをうまく打てない、音楽家がうまく楽器を弾けないなどの症状を示す場合もあります。
【引用元】時事メディカル https://medical.jiji.com/medical/014-0067-01

と書かれているとおり、ようは「字を書こうとすると、うまく書けない」症状です。「手が震える」というような症状の人もいるもたいですが、私の場合は「力が入らなくなる」という感じです。ペンがうまく持てない。

「書痙」と検索すると、いろんな説明が出てくるのですが、だいたい原因は「緊張」とか「ストレス」とか出てきます。ただ私の場合、字を書こうとする際に毎回なるわけではなく、何の脈絡もなく、ランダムに、突然、ふとした拍子に書けなくなり、無理矢理書こうとすると、ヨロヨロのフニャフニャの字しか書けなくなります。

今回、このnoteを書こうと思ったきっかけも、ついさっき書痙が起きたからです。日曜日の夜、自宅にいて、銀行に出さなきゃいけない書類を書いているときに、突然、手に力が入らなくなってしまいました。緊張も何もありません。超リラックスしていても、突然、書痙はおこります。

ちなみに書痙が起きたときは、ちょっと休めば書けるようになります。今回も、15分ほど休んで再び書いてみると、スラスラかけるようになりました。

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この症状は小学生のころから出ており、事業中に板書をしていても、突然手に力が入らなくなるということが、しょっちゅう起きていました。

普段の授業中ならまだしも、テストや受験の際にもなることがあり「おいおい、マジかよ…。今は勘弁してくれよ…」と、何かの能力者のようなことを脳内でつぶやいたものです。

でも特に起きやすかったのは小学生の時の「硬筆」の授業だった気がします。鉛筆を持つことに集中しすぎると、特に力が入らなくなるのです。

社会人になっても書痙はたびたび起きていたのですが、私は最近になるまで「書痙」という言葉を知らず、何かの拍子で「字が書けなくなる」現象は、みんなあると本気で思っていました。数年前に、たまたまインターネットで「書痙」のことを知って「これ俺のことじゃん!えっ?ってか、みんなならないの!?」と驚いた記憶があります。

しかしまあ、インターネットあるの時代に生まれて本当によかったと思います…。情報は大事…。時代が違えば、恐らく知ることすら無かったんだろうなと思うと、なんだか不思議ですね。

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で、何が言いたいかというと、この「書痙」が、地味につらいということです。私がかつてそうだったように「書痙持ち」なのに「書痙」という言葉を知らない方も結構いると思います。だって、人生でそこまで支障ないんですもの。50回に49回ぐらいはちゃんと書けるんですもの。ただ、たま~~~に書けないんです。ホントたま~~~~~に。でもちょっと休めば書けるようになるんです。

症状が酷い人は、大きな病院で手術できるみたいなんですけど、書痙の手術ってメチャクチャ怖いんです。結構グロいので、URLなどは貼りませんが、出てくる画像が、頭になんか鉄の器具装着してる「時計仕掛けのオレンジ」みたいな感じなんです。で、頭を切開して、頭蓋骨に穴を開けて、神経切ったり、縫ったり、ナンタラカンタラとやるみたいです。(ヒィ…)

本気で悩んでる人は、そういう治療も必要かと思いますが、私レベルの書痙では、全然必要ないと思います。でも、書痙が起きちゃって不便なシーンが結構ある、というのもまた事実でして……。

しかも、こういうマイナー病って相談できる人がいないのが地味につらいですよね……。私は以前「耳管開放症」という、これまたマイナーな症状の手術をしてるんですが、今から10年前ぐらいは、ネットにもあまり情報が出ていなく、周りに同じ症状の人などいなく、手術当日までかなり怖かった記憶があります。お医者さんからも「あなたは最年少から2番目」って言われました。つか2番目ってなんだよ、そこは最年少にしてくれよ。(耳管開放症の手術の話は、また別の機会に……。1つ言えることは、人生で一番痛かったです…)

耳管開放症に関しては、その後有名なアーティストさんとかが罹患したって話があったのをきっかけに、かなり認知度が増えた気がします。私の時は、たしか日本で2つの病院しか手術やってなくて、手術までこぎつけるのも大変でした。で、今さっき「耳管開放症 手術」で調べてみたら、めっちゃいっぱい色んな病院でやってるみたいです!スゲ~!

なので「書痙」の認知度が増えてほしい。世間の認知度が上がれば、ライトな書痙の人への対処法も今後出てくるはずだ…。頼む…!

最後に、書痙の英語の病名が「writer's cramp」=「作家の痙攣」っていうのだけ、ちょっとカッコいい感じがして、気に入ってます。

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