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UXデザイナーが 認知特性の違いによる分かりやすさの差について考えてみた

少し前に、友達との間で「分かりやすい資料とはどんなものか?」という話になりました。

ひとりは絵を多く使用して、文字はほとんどないような資料こそよくまとまっていて分かりやすい資料だと言いました。

もうひとりは文字をたくさん使って、丁寧に説明する資料こそ分かりやすい資料だと言いました。

お互いの話は平行線になり最後まで結論が出ず、私はひとりで「分かりやすさにもいろいろあるのかもしれないなあ」と考えていました。

こんにちは。
セカンドファクトリー(以下、2FC)でUXデザイナーをしている さくしま です。

さて、タイトルからもお察しの方はいると思いますが、なぜ私の友人たちに上記のような行き違いが発生したのか。
それはお互いの認知特性の差にあったのです。
当時は特性によってお互いが認識できるものにそれほどの差があるとは思っていなかったので、興味深く二人の話を聞いていたことを覚えています。

認知特性とは?

認知特性とは、見る・聞く・触るなどの五感から入ってきたさまざまな情報を処理する能力のことです。
認知特性は大きく以下3つの項目に分類されるとされています。

  1. 視覚優位
    目で見た情報を処理することが得意

  2. 言語優位
    読んだ情報を処理することが得意

  3. 聴覚優位
    耳で聞いた情報を処理することが得意

上記3つの特性からさらに2つずつに分類されて、最終的に6タイプにわけられます。前書きにあった友人2人は、それぞれ視覚優位タイプ・言語優位タイプの人だったのだろうと予想がつきます。

詳しい内容や、診断テストについては以下のサイトをご参照ください。
本田式認知特性研究所【コラム】認知特性とは?
本田40式認知特性テスト
(自分が存在を知った時のものより数字が5つ増えていたし、スマホ対応していてより解答しやすくなっていました)

認知特性ごとの分かりやすい情報の違い

では、それぞれの人たちにとってわかりやすい情報とはどんな形になるのか、あらためて考えてみることにしましょう。

視覚優位の人にとっての分かりやすい情報

視覚優位の人は映像や絵になっているものを情報として処理することが得意なので、イラストやグラフなどを用いて視覚的に表現した資料にすると、より理解が得られやすいのではないかと思います。
グラフィックレコーディング/グラフィックファシリテーションと呼ばれる技法も
視覚優位の人であれば的確に処理することができます。

言語優位の人にとっての分かりやすい情報

言語優位の人はテキストになっているものを情報として処理することが得意なので、文章にして説明をする資料にするとより理解が得られやすいと考えられます。

音声優位の人にとっての分かりやすい情報

音声優位の人は音声になっているものを情報として処理することが得意なので、資料ではなくプレゼンテーションの場で口頭で説明することでより理解が得やすいのではないかと考えられます。

ただ、その情報を見る側の人がどの特性を持っているのか、私たちがもれなく把握することは困難を極めることでしょう。
ここで大切なことはどんな人が見ても情報が取りやすいように工夫することではないかと考えます。
どれかの特性に特化するのではなく、例えば以下のように情報の出し方を混ぜて表現することが重要になるでしょう。

振り返ってみて気づく自分の得意なこと・苦手なこと

ちなみに先ほどのサイトで試しに自分の認知特性について診断してみたところ、私は以下ような結果が出ました。
視覚優位が高いと見せかけて、同率二位でまんべんなく言語優位が入っています。

本田40式認知特性テストより

そこでひとつ思い出したことがありました。
昔デザイナーの先輩にグラフィックレコーディングのやり方を教えてもらったことがあったのですが、先輩は頭の中に浮かんだイメージをアウトプットしていると言うのです。そして、考えていることはイラストで浮かんでくるので、それをそのままアウトプットしているから文章にするよりも早いとも。
聞いた時はなるほどなと思っていたのですが、いざ自分がやろうとすると 聞く→イラストとしてメモをとるという作業は、少し時間のかかるものでした。

私は言語優位の特性も強めに出ているので、先輩のように思考をイメージでおこなっている人に比べると、聞いた音をイメージに変換する作業が必要になり、そこでタイムラグが発生していたのではないかと予想しています。
自分はグラフィックレコーディングの亜種でもあるグラフィックノーティング(※学んだこと、考えていることをビジュアルに起こして記録する手法)の方はこのNoteの挿絵のようにかなりの頻度で使います。
ただ、レコーディング、ファシリテーションなど即時性の求められるものになっていくと、その出力までのタイムラグが足を引っ張ってしまうため、難しいと感じていたのだろうと思います。(自分の場合、音声からの情報取得が苦手すぎるのも相まって聞いたまま文章で書いた方が早いとなってしまうのだろうと思います…)

私の認知特性を踏まえると以下のような行動をしていくと円滑に仕事が進められそうです。

  • ゆっくりとであればイメージを起こすことができるので、相手にイメージを伝えたい場合は事前に準備をしておく

  • 会話から情報を取ることが苦手なので、打ち合わせなどでは文章の形で話し合った内容を残すようにする

まとめ

認知特性は目に見えない頭の中の処理の話なので、ついつい周りのみんなも自分と同じように物事を認識していると考えそうになります。
自分にとって分かりやすいことが相手にとってもそうなのか、一度俯瞰した目で見るべきなのだろうなと感じました。
どれだけ会話していても伝わらなかったイメージが、プロトタイプを目の前に置いただけでするっと解けるように解決することは多々あります。ひとつのやり方にこだわらずに、いろいろなアプローチ方法を学んで、試していきたいなと感じました。


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