「す俺恥」の神話 あるいは私の好きな間違いについて

職業柄、女性声優のラジオを聞く機会が多いのですが、そこでパーソナリティの彼女たちが色々まあ、いい間違えることがあるんですね。漢字の読み間違いとか、地理の勘違いとか。ロンドンがアメリカにあると思っていたり、まあそういうのです。

金にいとまがない

そういう「間違い」の中にも私が好きなものがあって、それは「混同」です。何かと何かが、混ざっちゃってる。
実際の例として、ある女性声優(名前も思い出せない)が、自分の趣味について語っている時に
「私はね、◯◯には、金に、いとまがない……んだ」
と言いました。これは「金に糸目はつけない」と「枚挙にいとまがない」の混同ですね。それで「金にいとまがない」。

色目を使われないような

最近、TLを眺めていたらホロライブ所属のVtuberの星街すいせいさんが、めざましテレビにVTR出演した際に間違ったことを言っていると話題になっていました。

“バーチャルだから”
“Vtuberだから”みたいな
“色目”を使われないような
お茶の間に浸透していく存在に
先陣きってなっていきたいなと思います

めざましテレビのキャプのテロップより引用

この「色目を使われないような」が、「色眼鏡で見られないような」の間違いだと。まあそうだと思います。で、これは色目を使うと色眼鏡で見られるが混同しているんですね。こういう間違いが好きなんです。

関連したツイートを見ていたら「す俺恥」という謎の単語をよく見かけて、調べたら「すいちゃん、俺恥ずかしいよ」の略ということでした。もともとは、同じくホロライブの「さくらみこ」さんの配信でさくらさんがよくわかっていない時に「みこち俺恥ずかしいよ」が短くなり「み俺恥」になったのが基本だと。最近ホロライブDEV:ISに加入した轟はじめさんと音乃瀬奏さんの配信でも「番長(轟はじめの愛称)、ば俺恥だよ」と言われていましたので、ホロメンのなかでは広まっている言葉のようです。
にじさんじリスナーの私としてはやはり卯月コウのリスナーの「コウ、俺悔しいよ……」というコメントを思い出しましたが、特に元ネタがあるというわけでもないのかな。あるいは卯月軍団(卯月コウのファン)、みこP(さくらみこのファン)を兼ねている人がいて混ざっていったのか。興味深いですね。

裸の大将

誰に叱られることもなく自由に振る舞ってきた“裸の大将”だった猿之助さんは

【全内幕】市川猿之助容疑者、セクハラ報道前の「口止め工作」から一転の行動
背景に「両親の厳しい態度」があったのか
 より引用

これは、「裸の王様」と「お山の大将」が混ざって「裸の大将」になってしまったパターンです。裸の大将だと、芦屋雁之助さんや、リメイク版の塚地武雅さんの姿が浮かんできてしまいますね。

終わりに

以上です。私は人が、ことわざや比喩表現を混同してしまうような間違いがどうも好きで、そのうちのいくつかはこうしていつまでも頭に残っている。だからこれからもいろいろな人の間違いを探していきたいですね。
ただ、そんな私も間違うことがあると思う。そのときは笑ってほしい。
また、冒頭で「職業柄、女性声優のラジオを聞く機会が多い」と述べたが、まったくの嘘である。

 私が女性声優のラジオを聴いているのは職業とは関係がない。大体女性声優のラジオを聞く機会が多い職業とは何なのか。文化放送の職員などだろうか。どうして俺はあんな嘘をついてしまったんだ。畜生……。
 でもそんなことはどうでもいい。俺は今せんずりをこいている最中なんだ。ふっ! ふっ!
 その時、手のひらのなかの粗末な陰茎が確かに息づいた気がした。夜は続く。

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