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熱が下がらない夜

次男の熱が下がらなくて、40度を超えてさすがに解熱剤を飲ませたかったけど、本人がかたくなに拒否するのと、比較的元気な所を考慮して、次男の体の中のちっちゃい次男君たちに頑張ってもらうことにした。
とはいえ、10分15分刻みでうわごとのように夢の続きをしゃべりだして起きたり、鳥肌になってみたり熱くなってみたりと忙しい様をさすがに放ってはおけないので、今日も今日とて豆電球の下。
毎日PCの明るさだけを頼りに何時間も過ごすのはさすがに目によろしくないかと思い、今日は小さなUSBライトとシャーペンとノートを持ち込んでラクガキしながら様子見と決め込んだ。

解熱剤も嫌、アイスノンもあまり好きでない様子の次男の熱すぎる体に、保冷剤で冷やした手を何度も何度も押し当てて、その度に頭の中で「じゅぅ……」と言う効果音が聞こえる。
先ほどから、少し汗をかきだして熱がほんの少し下がったのか、少し眠っている時間が長くなってきた様だ。それに伴って私の緊張状態も少し緩む。

それでも急に目を覚まして、床をべしんと叩き「だめだよぅ」と言い「なにがどうした?」と聞くと、まんまるおめめのかわいい顔で「おかーさんも〇×△(よく聞き取れない)しちゃダメだよ?」と答える。たぶん夢の続きなんだろうな。
「なぁに?なんて言った?」と聞き返すと、にっこり笑って「おかーぁさぁーん」と呼ぶ。
彼との距離は1mと開いていないのだけど、呼ばれたのでPCを横に置いて顔を寄せた。
満足そうな顔をして、また、目を閉じる。

相変わらずペンタブの設定をいじることはできていないけど、次男の熱が早く下がるように。
もう少し長く眠れますように。
オレンジの光の下で祈る。

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