真里は迷っていた。なんの変化もない日常、ただ会社と家を往復するだけの日々。服もメイクも髪型も毎日ほとんど同じ。そんな毎日に嫌気がさしていたものの、どうすれば良いのかわからなかった。とりあえず美容室でもいってみるかと予約したものの、特にやりたい髪型もなかった。 予約の時間に美容室に着いたものの、どういう髪型にするのか全く決まっていなかった。いつもと同じ長さにするのか、はたまた違う髪型にチャレンジするのか。席に案内され、いつもの女性美容師さんがやってきた。
読んだことがある方がいらっしゃるかもしれませんが、以前どこかで公開したことがあり、私が創作したものです。盗作ではありません。 美紀は東京の大学に通い始めてもうすぐ二年になる。 両親の猛烈な反対を押し切って東京の大学を受験し、見事合格した。 しかし、両親ともに上京するぎりぎりまで反対しつづけた。 両親は上京するなら、仕送りなどの援助は一切しないとまでいった。 しかし美紀はどうしても上京したかった。仕送りなどなくてもかまわなかった。 反対を押し切り、東京の大学に入学した美紀は一
私はいつものように、洗面台の前に新聞紙を引き、ポリエステル製の水色の ケープをビニール袋から引っ張り出した。広げると以前切った髪の毛が数本 パラパラと落ちてきた。ハサミ、櫛と並べケープを頭からすっぽりとかぶった。以前切ってから3ヶ月、ショートだった長さも、肩につくかつかないかぐらいまで伸びていた。 美紀はこの瞬間が大好きだった。自分で自分の髪を切ること。 濡れた髪を梳かす感触、髪を断ち切る手ごたえ、滑り落ちる髪の音、全てが 楽しくてしょうがなかった。そのなかでも、こたえられ