あたたかい寒さ

布団がうすい、と嘆くぼく、

これでは寒いって

羊毛のフカフカしたやつが欲しいって、

こんなんじゃ、布団は無いみたいなもんで、

ジッと見る。


暖かそうな君の布団、

なんでぼくだけ、

うすいんだろう。

たまに、隣の人の布団がはみ出してきて

それに触れると、暖かいから

その時だけはうれしくって。


周りをうらやんでいると、

こんなかすかな声が聞こえる

「寒いよ、寒いよ」

顔を覗くと、でもあったかそうな

どういうことだろう?


みんなあったかそうで、「寒い」のかな

本当に君が、暖かいのか寒いのか

なんてわかりっこない。

わからないから、君のことをよくも考えず

自分のことばっかり。


これじゃあ思考放棄と同じだね。

じゃあ、君を補うために僕はこれから想像を巡らせよう。

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