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櫻坂46 3rdシングル『流れ弾』楽曲感想

櫻坂46の流れ弾が解禁されたということで遅ればせながら聴かせていただきました。
本作は表題である流れ弾を中心になかなかの粒揃いだったという印象です。2ndシングルのBANなどと比較してもアベレージは高いと思います。欅坂時代のゴタゴタで昨年不本意ながら(?)の新体制となった櫻坂46ですが、楽曲のクオリティはやはり高いなという印象です。
それでは書いていきます。


【流れ弾】
表題曲で田村保乃センターです。櫻坂初の写真集発売から初センターの流れでノリにのっている印象がありますね。MVは赤いドレスで揃えられており、森田ひかるは全然似合っていなかったので、新しいセンターとしての起用は妥当ですね。
曲はかなりいいです。スベったり途中でダレたりせずにしっかり最後までカッコいい楽曲って感じです。また、パフォーマンスも完全に口パクを前提とした激しい振り付けとなっていて、非常にポイントが高いです。私は基本的にアイドルの口パクは好きではないですが、同時に歌うことが不可能なほどの難しい振り付けであるのならば話は別です。そうすることで口パクであることに意味が生まれるからです。
途中で1度終わって「wait a sec...」からの大サビも曲の雰囲気とハマってていいアクセントです。MV、パフォーマンス、曲ともにかなり高水準だと思いました。

【Dead end】
1st、2ndの表題センターの森田ひかるセンター曲です。
本シングルだと『流れ弾』、『無言の宇宙』のクオリティが高すぎるところはあるので、比較するとちょっと物足りなさはありますがこの曲もなかなかいいです。
MVで見ると森田ひかるちゃんは寄りだとキリッとしてカッコいいのに引きで見るとちんちくりんで可愛らしいという絶妙なバランスですね。森田ひかるちゃんを見ると粒度の粗い荒々しい油絵を見てる気分になります。
BANなどと同系統の匂いがしますが、BANよりこっちの方が好みです。

【ソニア】
歌詞が気持ち悪い……というよりは奇行に走っている感じです。ちなみに本当に気持ち悪い歌詞は『君と僕と洗濯物』みたいな性欲丸出しのオスが出てくる楽曲ですね。
曲調自体は爽やかですが軽い感じではなくて、ちと印象が薄い曲かな〜と思ったところで「ソニアソニアソニア〜」という絶妙にダサくてチープなサビが刺さってきていいです。個人的にはなかなか好きな曲です。

【ジャマイカビール】
小林由依、藤吉夏鈴、遠藤光莉(←!!!???!?!!!??!!!??!!!!???)という陰の者のメンツで歌ってる1曲です。曲としてはしっとりした大人の味わいみたいな感じの曲でガツガツ主張してこないので、普通にBGMとして聴ける感じです。
ユニット曲ですし、方針としては歌ってるメンバーによく合ってますし、こういう奥ゆかしい曲があってもいいんじゃないでしょうか。普段からこの曲を聴こうとは思わないですが、シャッフルで流れてきても飛ばすことを忘れて全部聴き終わってそうな自然さを感じますね。

【On my way】
これまた爽やかな曲で、井上梨名松田里奈どっちもスッキリした声質なので好感触です。一方歌詞は「応援ソング系の曲に入ってる当たり障りのない歌詞の詰め合わせ」みたいな感じでとても陳腐で全く耳穴(みみあな)に入ってこないので、爽やかで不快感がない曲調と合わさって少し薄っぺらい曲に思えてしまうのが悲しいところです。そこそこの曲ですが、この収録曲陣の中では少し物足りなさを感じますね。

【無言の宇宙】
秋元康は、まだ生きている。
そう感じさせてくれる1曲です。渡邉理佐センター、暖かみのあるMV、曲調、歌詞が完全に調和してとても良いです。この1年で出た坂道の曲では間違いなくトップクラスの楽曲じゃないかなと思います。
『言葉の外にある文脈』にフォーカスを置いている歌詞を櫻坂みたいなタイプのアイドルグループが歌うのは、個人的には非常にオシャレに感じます。無言の宇宙のやり方は同じグループで何度も使える切り口ではありませんが、それ故に希少性と価値があります。
こういう曲が出てくるのならば、また次のシングルも楽しみにしようって気にさせてくれます。オススメです。

【美しきNervous】
最初は少しチープな感じの曲かな?と思いましたが、意外と盛り下がらずに最後まで聴ける曲で聴き終わった時には聴き始めの印象を捲りました。ちょっと古臭い曲調かと思ったら意外とそうでない、絶妙な加減だと聴き終わってみればわかります。
ダサさとチープさの境界線の少し前に位置するカッコよさを感じました。この曲もかなり良いと思います。


流れ弾を表題としてかなりの粒ぞろいだったと思います。これは今年出た坂道グループのシングルの中で1番良いと言わざるを得ません(まだ日向坂の『ってか』は出ていませんが)。
無言の宇宙はちょっと、坂道グループの曲の中で今年1番かもしれませんね。
うーん、櫻坂46の次のシングルも楽しみです。

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