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[news]2020/03/19

なぜクラウドではダメなのか? いま「エッジAI」が注目されるワケ

近年、AI業界では「エッジAI」という言葉が注目を集めている。エッジAIは、「エッジコンピューティング」(Edge Computing)をAIに応用したもの
さまざまなモノにデータ処理と通信の機能を与え、ネットワークに接続させてデータ収集や管理を行うIoT技術が普及している。

しかし、このIoT技術に関する通信を単に「クラウド」に投げればいいというわけではない。「クラウド」のみではいけない理由は、
セキュリティの問題→機密情報をすべてクラウドに預けることは不可能。
(例EUのGDPR(一般データ保護規則))
通信の遅延の問題→異常を検知したらタイムラグなく知らせる必要があるものもある。(例自動車業界)

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従来のクラウドコンピューティングでは、エッジ側にあるデバイスは、単にユーザー環境とクラウドをつなぐ中継地点にすぎない。しかしエッジコンピューティングでは、ユーザー環境に近い位置にあるデバイスが、可能な限りデータ処理を行う。場合によっては、クラウドとデータをやりとりすることなく、その場で適切な判断を行って結果を返す。クラウド側での処理が必要な場合も、生データをそのまま送るのではなく、セキュリティや規制上問題のない形に加工したり、必要最低限のデータ量に絞ったりしてから送信できるわけだ。
とはいえ、エッジ処理も万能なわけではない。エッジに近いデバイスの全てに高速処理が可能な機械を搭載するのが現実的ではないからこそ、データ処理を一極で行うクラウドコンピューティングが活用されているのだ。

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 機械学習のモデル構築には、大量の学習データやそのデータを高速処理できる環境が必要になるが、その学習をエッジ側で行うのは難しい。そこでエッジAIでは、あらかじめクラウド環境などで機械学習を行い、生成された学習済みモデルをエッジ側のデバイスに与え、エッジ側で推論させている。そのため、エッジ側のデバイスには「(推論用)AIチップ」を搭載する。これにより、必要な判断がエッジ側で高速に行えるようになるのだ。

→結論として、AIを搭載したIoT技術に期待が寄せられているが、そのネットワーク技術を支えるためには近年注目されている「クラウド」だけでは不十分であり、「エッジコンピューティング」の技術を活用し、安全かつ高速な処理の実現が不可欠である。

過去の自分に向けて書いています。同じ悩みを抱えた人が私のnoteで救われたのなら、これ以上の喜びはありません。