「ふわりふわり」

ふわりふわり

目の前を歩く人のスカートが揺れる。

ふと思う。

このスカートが今この瞬間と全く同じ揺れをする時はあるのだろうかと。

風、歩き方、気温、気持ちの弾み具合、沈み具合。
周りの人の歩くスピードとか車のスピードとか。

同じ揺れになることはたぶん相当難しい。
ひざでお茶を立てるくらい難しいとおもう。
もしくは右足で右足の靴紐をくくるくらい。

もうひとつこれに似た話がある。

離れた地点(大阪と東京とか)にいる人のスカートが同時刻に全く同じ揺れ方をすることはあるかどうかだ。

これはたぶん上よりもっと難しい。
言葉のイントネーションが違う。土地柄も風土も違う。もはや無理に等しい。

先程のがひざでお茶を立て右足で右足の靴紐をくくるなら、これは、たぶん。

ひざで立てたお茶を爪だけを使って飲むくらい難しい

右足で右足の靴紐をくくって、そのくくった紐を使って縄跳びをするくらい。


でも、そんな確率のことが起こったら
それはきっと「運命」ってやつだと思う。

同じ揺れを何年後かに体験すればそれは「エモい」だろうし、別の地点で同じ揺れを作り出せばそれは「出会い」である。

とりあえずこの「運命」を探す旅に出よう。

その前にまずはやることリストから作成しよう。

何か物事を始めるとき、頭の中を整理することはとても大切だ。そして記憶に頼らず形にしてわかるようにしておく。

そしてひとつひとつ忠実にこなす。「運命」とは「努力」の裏面なのかもしれない。

きっとこの「運命」と出会いは長い旅になる。

やることリスト
スカートのふわりの型取りマシーン作り
ひざでお茶を立てる練習
爪だけでお茶を飲む練習
右足の靴紐右足で括る練習
くくった靴紐で縄跳びの練習

ふわりふわり

あ、またスカートが揺れている。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?