神葬回天クトゥルフィカ_第二章_1

2.アセット

 アセットとは、エフェクトやアイテム、魔術等ゲーム上意味のあるそれぞれのデータを指します。

 アセットは単体で使用するだけではなく、様々な形で組み合わせることができます。これにより、PCが操る自分だけのオリジナルな力を、自由に表現することができます。

 全てのアセットは、原則的に以下の基本ルールに従います。

・射程内の対象に使用することで、対象にその効果を適用する。このとき、効果内の"自身"は対象ではなく、アセットの取得者を指す(取得者とは、そのアセットを取得しているキャラクターのことである)。

・条件を満たす判定やアセットは、同時に任意の数だけ使用することができる。これをアセットの組み合わせと呼び、詳しくは後述する。

・GMの決定権を除き、アセットの効果とルールブックのルールが矛盾する場合、アセットの効果を優先する。

・アセットの効果同士が矛盾する場合、何かが「できる」効果ではなく「できない」効果を優先して効果を適用する。ただしアセットの効果そのものを変更する効果は、他のアセットの効果より優先される。

・ラウンド中、或いはシーン中継続するアセットの効果は、使用者が効果終了時より前にシーンまたはゲームから退場しても、アセット毎の効果終了時まで継続する。

・使用時に、明らかに全ての対象がアセットの効果を実行できない場合、そのアセットは使用できない。

・基本的に、1種類のアセットは1つまでしか所持できず、同名のアセットは同時に複数個、または複数回使用できない。ただし、アセットの効果によってはこの限りではない。

・アセットの効果によって何らかの【能力値】や〈技能〉、{副能力値}が0未満になる場合、その数値を「0」にする。

・「Xd」という記述は、ダイスX個を振り、その合計を結果の値とする。

・アセットの効果による移動の移動先は、移動する対象が自由に決定する。移動しないこともできる。

2.1.アセットの使用

 アセットの効果を適用することをアセットの使用と呼びます。アセットの使用には適切なタイミングで適切な〈技能〉を用いる必要があります。「使用:オート」のアセットは常に使用されている扱いになります。

 何らかの方法で自分が使用できないアセットを取得した場合、そのアセットは他人に譲渡することしかできません。

2.2.アセットの組み合わせ

 各キャラクターは、条件を満たすアセットを同時に使用し、効果を複合して適用することができます。これをアセットの組み合わせと呼びます。

 アセットを組み合わせる場合は、以下の条件のいずれかを満たす必要があります。

①組み合わせるアセットの使用タイミングと〈技能〉が一致している。
②組み合わせるアセットが「使用:アセット」で〈技能〉が一致している。
③組み合わせるアセットが「技能:ディスト」で使用タイミングが一致している。
④組み合わせるアセットに影響のある「使用:オート」のアセットを取得している。
⑤組み合わせるアセットに影響のある他のアセットの効果を受けている。
⑥組み合わせるアセットが「使用:アセット」で、条件を満たす対象が射程内に居る。

 「使用:オート」のアセットや、ラウンド中効果が継続するアセットなどは、その他のアセットと効果が複合することがあります。

 これらの効果の適用もアセットの組み合わせとして扱いますが、これらのアセットは使用を拒否できず、組み合わせることができる場合は必ず組み合わせなければなりません。

+使用タイミング表+
①セットアップ:セットアッププロセスで使用する。
②イニシアチブ:イニシアチブプロセスで使用する。
③クリンナップ:クリンナッププロセスで使用する。
④マイナー:マイナーアクションで使用する。
⑤メジャー:メジャーアクションで使用する。
⑥リアクション:リアクションで使用する。
⑦ダメージ:ダメージ計算時に使用する。
⑧アセット:条件を満たすアセットと組み合わせて使用する。
⑨オート:効果を常時使用する(条件を持つ場合、条件を満たした時点で使用する)。
⑩ジャッジ:判定を行うアセットか、判定そのものと組み合わせて使用する。特に記載がなければ判定前に使用しなければならない。
⑪効果:効果文を参照のこと。

+使用技能表+
①〈??〉:??と等しい技能を持つアセットと組み合わせて使用する。
②ディスト:エフェクトのみが指定する。同じディストに属し、条件を満たす他のエフェクトと組み合わせて使用する。
③ー:このアセットは組み合わせる技能を問わない。
④自動:このアセットは判定を行わず、自動で命中する。
⑤効果:効果文を参照のこと。

2.2.1.アセットによる【能力値】や〈技能〉の組み換え
 アセットによっては、組み合わせた【能力値】と〈技能〉の対応を本来のものから変更するものがあります。そのようなアセットを組み合わせる場合、変更された後の【能力値】と〈技能〉を指定するアセットを組み合わせます。

※アセットの対象と組み合わせ
 アセットの対象には以下の種類があります。それぞれ指定された相手を対象に取ります。

+アセットの対象表+
①自身:アセットの使用者
②単体:射程内のキャラクター1人
③?人:射程内のキャラクター?人(?は任意の数値)
④範囲(選択):射程内のエンゲージ内の任意のキャラクター
⑤シーン(選択):シーンに登場している任意のキャラクター
⑥効果:効果文を参照のこと

 アセットを組み合わせた時、対象は以下の不等号に従い、より狭い方に合わせます。

・自身<単体<?人<範囲(選択)<シーン(選択)

 対象の前に記されたマークに応じて、対象指定の優先度が変動します。「対象:×??」という記述は最も優先度が低く、「対象:○??」という記述は優先度が最も高くなります。マークが同じ場合は上述のルールを用いて、より狭い方に合わせます。

例:「対象:×単体」と「対象:範囲」と「対象:○3人」のアセットが組み合わさると「対象:○3人」になります。

 「対象:★??」という記述のアセットは、自身を対象に取ることができません。また、「対象:自身」と記述されたアセット(マークを問わない)と「対象:★??」と記述されたアセットを組み合わせることはできません。★マークの対象指定の優先度は「対象:??」と同じです。

※アセットの射程と組み合わせ
 アセットの射程には以下の種類があります。それぞれ指定された相手を対象に取ります(エンゲージについてはバトルパートにて後述します)。

+アセットの射程表+
①至近:自らの居るエンゲージ内のキャラクター
②??m:自らから??mまで離れたキャラクター
③視界:自らと同一のシーンに登場しているキャラクター
④武器:組み合わせた他のアセット1つの射程と等しい(必ず他のアセットと組み合わせなければ使用できない)
⑤効果:効果文を参照のこと

 アセットを組み合わせた時、射程は以下の不等号に従い、より短い方に合わせます。

・至近<??m<視界

 対象の前に記されたマークに応じて、対象指定の優先度が変動します。「射程:×??」という記述は最も優先度が低く、「射程:○??」という記述は優先度が最も高くなります。マークが同じ場合は上述のルールを用いて、より狭い方に合わせます。

 「射程:★??」という記述のアセットは、至近に居るキャラクターを対象に取ることができません。また、「射程:至近」と記述されたアセット(マークを問わない)と「射程:★??」と記述されたアセットを組み合わせることはできません。★マークの対象指定の優先度は「射程:??」と同じです。

※クリティカル値の下限値
 複数のクリティカル値を変更するアセットを組み合わせた場合、アセットそれぞれが異なる下限値を指定している場合があります。

 この場合、クリティカル値の下限値は組み合わせたアセットの中で最小の物になります。クリティカル値と下限値については判定の項で後述します。

2.2.2.その他補足
・組み合わせ順の任意処理
 組み合わせたアセット同士の効果処理の順番は行動者が任意に決定します。

例:{行動値}が減少する効果を持つアセットと戦闘移動を行うアセットを組み合わせたときなど、効果処理の順番によって効果が増減する場合、{行動値}の減少前に移動して構いません。

 組み合わせ順によっては、アセットの効果を無視することもできます。

例:[行動済み]のキャラクターに対して、[未行動]に戻すアセットと[行動済み]にするアセットを組み合わせて使用した場合、[行動済み]にするアセットの効果を先に適用して[未行動]に戻すことができます。

 ただし、後述する「効果が適用され続けるアセット」の効果は、行動者がそのタイミングで使用したアセットより先に、全て適用しなければなりません。

・効果が適用され続けるアセットの組み合わせ
 行動者が自身を対象に取るアセットの効果を受けている場合、行動者が組み合わせたアセットの効果に対してアセットの効果を適用すべきことがあります。

例:ラウンド・シーン中効果が継続する自身・他者を強化するアセットの対象になった後や、ダメージを上昇させる「使用:オート」のアセットを取得している場合の攻撃など

 この場合、行動者を対象に取るアセットの効果を、行動者が組み合わせたアセットに「タイミング」および「技能」を無視して組み合わせます。このように組み合わせたアセットは、アセットの「対象」および「射程」を変更しません。

・組み合わせによる効果の競合
 他のアセットの効果を変更するものなど、複数のアセットが同じ対象に効果を及ぼす場合があります(《素手》の効果を変更するアセットなど)。

 これらのアセットを複数種組み合わせた場合、行動者が選ぶどれか1つのアセットのみ効果を適用し、それ以外のアセットの効果を無視します。

・他人の行動へのアセットの組み合わせ
 自身または他者のメインプロセス中であっても、そのメインプロセスの行動者を対象に取ることができるアセットを取得していれば、自身のアセットを組み合わせることができます。

 このような形で、他者のメインプロセス中に、そのメインプロセスの行動者を対象に取って使用するアセットは、「使用:効果」で但し書きを持つか「使用:アセット」で但し書きを持つものだけです。

 また、このように他者のメインプロセス中に、そのメインプロセスの行動者を対象に取って使用したアセットは、原則的にはそのメインプロセスの行動者が組み合わせたアセットの効果を全て適用した後に効果を適用します。

 このようなアセットは行動者の行動に使用するアセットに組み合わせていても、対象や射程が異なる場合があります。記号*を使用し、「対象:*単体」や「射程:*至近」のような記述はそのアセットの「対象」および「射程」を示しており、組み合わせ先のアセットまたは判定の「対象」および「射程」を変更しません。

・意味のない組合わせの無視
 アセットを組み合わせた結果、効果が実行できない場合、或いは意味のない組み合わせになる場合は、そのアセットの処理を行いません。

例:マイナーアクションで「対象:範囲」に「そのメインプロセス中に行う判定の判定ダイスを増加させた」場合を考えます。

 自分以外の対象はメジャーアクションを行えないため、対象がリアクションを行わないのであれば、その効果はメインプロセス終了時に判定の有無に関わらず終了します。

・組み合わせによる空撃ちの禁止
 アセットを組み合わせた結果、射程内に対象となりうるキャラクターが存在しなくなる場合、または1度の行動で効果を処理しきれなくなる場合、そのような組み合わせでアセットを使用することはできません。

 つまり、組み合わせることで「対象」や「射程」に問題が発生するものや、「??攻撃を行う。」と書かれたアセットの「??攻撃」の部分が異なる場合は組み合わせることができません。

・組み合わせによる重ね撃ちの禁止
 1度のタイミングで、1つのアセットを複数回使用して効果を組み合わせることはできません。同名のアセットを同タイミングで複数回使用することも不可能です。

 ただし、アセットの効果によって別のアセットを組み合わせる場合は、アセットの効果が指定する限り、同名のアセットであっても同時に使用して効果を組み合わせることができます。

 また、取得している限り効果を発揮する「使用:オート」の同名アセットを複数個所持している場合、例外として全てのアセットの効果を適用します。

・アセットを取得するアセット
 アセットの中には、アセットを取得する効果を持つアセットが存在します。このような効果で取得されているアセットは、通常のアセットと同様に扱うことができます。

 ただし後述する購入判定を行うアセットを除き、アセットの効果によって取得したアセットはシーン終了時に全て破棄されます。

 タイミングが「使用:オート」であるアセットの効果によるアセットの取得はセッション終了時まで適用されます。しかし、何らかの効果によって「アセットを取得するアセット」の効果が適用されなくなった場合、そのアセットの効果によって取得したアセットも同時に破棄されます。

 また、何らかの方法でタイミングが「使用:オート」である「アセットを取得する」アセットをセッション中に取得した場合、取得と同時に「そのアセットで取得するアセット」を選択して取得します。

・アセットの効果を変更するアセット
 アセットの中には、アセットの効果を変更するアセットが存在します。

 アセットの効果による効果の変更は、アセットに記述されたタイミングまで継続します。タイミングの記述がない場合、効果を変更されたアセットが効果処理を行うタイミングまで、その効果の変更は継続します。

 タイミングが「使用:オート」であるアセットの効果による、アセットの効果の変更は、何らかの効果によって「アセットの効果を変更するアセット」の効果が適用されなくなった場合か、セッション終了時まで適用されることになります。

 何らかの理由でタイミングが「使用:オート」である「アセットの効果を変更する」アセットの効果が適用されなくなった場合、その効果によって変更されていたアセットの効果は元に戻ります。

ありがとうございます。