神葬回天クトゥルフィカ_第七章~十一章

7.判定

 キャラクターがメジャーアクションなどで何らかの判定を行う場合、「使用する〈技能〉に対応する【能力値】+崩壊率によるダイスボーナス+アセットの効果によるダイス変更効果の合計」の数だけ10面ダイスをロールします。

 そして、その中にクリティカル値以上の出目のダイスがあった場合、そのダイスを抜き出して振り直します。この操作を全ての出目がクリティカル値未満になるまで繰り返し、以下の式で達成値を導出します。

・「ダイスの振り直し回数」×10+最終結果の最も高い出目+〈技能〉+「アセットの効果による補正合計」

 通常、クリティカル値は10です。クリティカル値はアセットの効果により変動しますが、2未満にはなりません。

 例:【能力値】9、崩壊率によるダイスボーナス3、アセットの効果によるダイス増加3、クリティカル値7、〈技能〉4、補正0の判定を行う場合

 最初に9+3+3=15個のダイスを振ります。出た目は(1,3,4,10,9,8,4,7,5,6,2,1,1)でした。7以上のダイスが4つです。その4つを取り出して再度ダイスを振ります。出た目は(1,7,5,4)です。7以上のダイス1つを振り直した結果、(5)が出ました。以上の場合、達成値は2×10+5+4+0=29です。

 この計算を、ダイス数を①、クリティカル値を②、〈技能〉を③とした際、記号dxを用いて「①dx②+③」と記述します。上記の例であれば「15dx7+4」となります。

 判定ダイスが0個以下、または達成値が0以下の場合、その判定は失敗となります。

※判定のダイスボーナス
 バースターの行うあらゆる判定は、自身の崩壊率によって判定ダイスが増加します。これを崩壊率によるダイスボーナスと呼びます。詳しくは以下の崩壊率対応表を参照ください。

+崩壊率対応表+
・60%~79%:+1d
・80%~99%:+2d
・100%~119%:+3d
・120%~139%:+4d
・140%~159%:+5d
・160%~179%:+6d
・180%~199%:+7d
・200%~219%:+8d
・220%~239%:+9d
・240%~259%:+10d
・260%~279%:+11d
・280%~299%:+12d
・300%~319%:+13d
・320%~339%:+14d
・340%~359%:+15d
・360%~379%:+16d
・380%~399%:+17d
・400%~:+18d

※クリティカル値と下限値
 クリティカル値を変更するアセットには下限値が設定されていることがあります。下限値はそのアセットを組み合わせた判定で適用されるクリティカル値の最低値を示しています。

 組み合わせたアセットの効果によって変化したクリティカル値が下限値よりも少なかった場合、クリティカル値は下限値となります。もし下限値を持たないアセットのみを組み合わせていた場合、下限値は2として扱います。

8.セッションパート

 PLがPCを作り終わったら、GMはそれぞれのPCを確認します。問題がない場合、いよいよゲーム開始です。

 『神葬回天クトゥルフィカ』では、一度のゲームのことをセッションと呼びます。一度のセッションでは一つのシナリオを遊ぶことになります。PLは必要に応じてキャラクターシートに加えレコードシートを、GMはセッションシートを使用することができます。

8.1.プリプレイ

 セッション開始前に行う作業を指します。PCの作成、成長およびハンドアウトの配布、そしてPCの取得しているアイテムの見直しを行うことができます。

 PCの作成は前述の通りです。PCの成長とは、主にセッションによって得た経験点をPCの作成時と同じルールに基づいて消費し、既に作成済みのPCを強化することです。

 また、PCの取得しているアイテムは、プリプレイ時に破棄することで、アイテム取得時に消費した分の{常備化P}を得ることができます。この{常備化P}を使って、新たなアイテムを取得することができます。

 各PCにはセッション中何らかの順番を決定するための番号としてPC番号、PCの設定としてハンドアウトが与えられます。

 ハンドアウトとは、セッションにおけるそのPCの立ち位置を【目的】として示すものです。ハンドアウトにはセッションにおいて指定されているリンケージが書かれています。これをシナリオリンケージと呼びます。

 PCはキャラクター作成時に取得するCリンケージおよび個人のリンケージ二つに加えて、シナリオリンケージ一つ、PC番号順に取得する(PC番号最大のPCはPC1に取得する)PCリンケージ一つ、合計四つのリンケージを所持した状態でセッションをスタートします。

 PCリンケージの内容は第一印象で取得して構いません。ブレイクしていなければシナリオ中に書き換えることができるからです。

8.1.1.リバースハンドアウト
 GMは、PCの所持する【秘密】として扱う、もう一つのハンドアウトをPCに与えることができます。このハンドアウトをリバースハンドアウト(以後、Rハンドアウト)と呼びます。Rハンドアウトには、そのPCの真の【目的】および真のシナリオリンケージが記載されています。

 Rハンドアウトは、GMの許可を得ることで、与えられたPCの望むタイミングで開示し、他のPCと情報共有できます。Rハンドアウトが開示された場合、ハンドアウトの内容をRハンドアウトのものに置き換え、それに合わせてシナリオリンケージを変更します。

 更に、そのPCがシーンプレイヤーとなるトリガーシーンが一つ発生します。このトリガーシーンはハンドアウトシーンと呼び、その扱いについては後述します。

8.2.セッションの進行

 『神葬回天クトゥルフィカ』のセッションは、クエストパートとクライマックスパートによって成り立っています。

 各パートは、それぞれパートごとに規定されたシーンの集合によって構成されています。

8.3.シーン

 シーンとは、『神葬回天クトゥルフィカ』のセッションを構成するそれぞれの場面のことです。キャラクターはシーンに登場することでロールプレイや判定に参加し、シーンから退場することでロールプレイや判定への参加を止めます。

 シーンには下記に示す六種類が存在します。主に探索主体のクエストパートと、戦闘主体のクライマックスパート、ゲーム終了時のエンドパートに分かれています。オープニングは、クエストパートのドラマシーンとしてで行われます。

・クエストパート:ドラマシーン、トリガーシーン、バトルシーン

・クライマックスパート:クライマックスシーン

・エンドパート:バックトラック、エンディング

 PCはそれぞれ自分がメインキャラクターとなる個別シーンを持つ他、他のPCが登場するシーンに自分も登場することで、ロールプレイを行うことができます。また、GMは適当な所でシーンを終了させることができます。

※バースターの不死性
 全てのPCおよびバースターのNPCは、シーン終了時に受けている全てのBSを解除し、{HP}を1点まで回復します。

 PCおよびバースターのNPCは、アセットの効果か、後述する「とどめを刺す」以外の行動では死亡しません。

※コラプスブースト
 PCが自身の崩壊率を上昇させたい時に使用するルールです。自身が登場しているシーン中であれば、一シーンに付き一度まで、いつでも使用できます。

 「1」から「10」までの好きな数字を1つ宣言し、PCの崩壊率を「(宣言した数)d10」点上昇させます。

8.3.1.シーン中のリンケージの取得
 自身の登場しているシーン中、PCは自由にリンケージを取得することができます。また、ブレイクされていない限り、取得しているリンケージの内容を自由に書き換えることができます。

8.3.2.ギブアップ宣言
 全てのPLは、シーンにおいて演出が肌に合わない、ロールプレイが詰まった、何をしていいかわからないなどの理由で、これ以上シーンを進めるのが苦痛な場合に、ギブアップ宣言を行うことができます。

 PLがギブアップ宣言を行った場合、セッションをそこで中断します。その後、一旦休憩を挟んだ上で、GMとPL達の間でコンセンサスを取り直した上で再開します。

 意見が纏まらなかった結果としてPLがセッションから抜けたり、セッションが進行不能となることもあるかもしれませんが、その場合は誰かを責めるのではなく、しょうがなかったと笑ってまた遊ぶ様にしましょう。

8.3.3.ラピッドブレイク
 上記のギブアップ宣言が発生して手詰まりになった後や、コラプサーの群れに襲われた時など、PLに取って処理が難しい・煩雑な問題に対して、"なんやかんやあって上手く行きました"という結論を出す際に使用するルールです。

 シーンに登場しているPC全員(ドラマシーンの場合はメインキャラクターのみ)の崩壊率を「2d10」点上昇させ、シーン内で発生した問題を解決してシーンを終了します。

 演出はPLに一任されます。PLが思い付かなかった場合、PCはPLの思いもつかない素晴らしい案を思いついた、ということですので、細かく描写する必要はありません。

8.3.4.ゲームからの退場
 何らかのアセットの効果や、死亡した場合などでキャラクターがゲームから退場した場合、退場したシーン終了時にキャラクターが取得していたアセットは全て破棄され、効果を失います。

 ただし、退場前に譲渡されたアイテムに関しては例外として、アイテムを譲渡されたキャラクターがゲームから退場するか、アイテムが破棄されるか、セッションが終了するまで維持されます。

9.クエストパート

 クエストパートは、サイクルの組み合わせによって成り立っています。シナリオ毎にサイクルを繰り返せる上限となる数は決まっています。これをサイクルリミットと呼びます。

 サイクルとはPLの行動を均等化するためのルールで、各PLに一度ずつメインとなる行動の機会が与えられるものです。クエストパートの場合、一サイクルの間に、各PLにつき一度の個別シーンが与えられます。個別シーンでは、ドラマシーンとバトルシーン、そしてGMが決めた主要な行動を行うことができます。

 各サイクルにおいて、シーンを発生させる権利はPCの{行動値}順に回ってきます。全員がシーンを発生させない場合、まだメインキャラクターになっていないPCで、{行動値}が一番高いPCがメインキャラクターとなるシーンを発生させます。

※時間経過による崩壊率増加
 サイクルが経過する度にPCの崩壊率は増加していきます。これは、セッション中発生する様々な異常に対応し、日常を護るためにバースターとしての力を利用しているからです。

 クエストパートにおいては、PCはサイクル開始時に「2d10」を振り、崩壊率を出た目の数だけ上昇させます。

9.1.クエストと情報

 クエストとは、シナリオにおいて調べた結果、シナリオ的な何らかの意味を持つ場所、物体、人物などを指します。

 クエスト一つにつき、表向きの【解説】に加えて、一つの【秘密】や【居所】などの情報が秘匿されています。ここで、【秘密】とはNPCの設定、回想などのトリガーシーンの発生、シナリオで起こる事件の真相などを意味します。

 GMは、【秘密】に虚偽の内容、または無意味な内容を記述するべきではありません。

※取得した情報の共有
 あるPCが取得している情報は、任意のタイミングで情報の共有を宣言することで開示され、任意のPCがその情報を共有することができます。

 NPCが情報を取得した場合でも、情報の共有は発生します。GMは、そのようなNPCに任意のタイミングで情報を取得させ、任意のPCに共有しても構いません。

 また、NPCが情報の共有対象となるどうかは、情報を取得したPCが決定します。

9.1.1.【秘密】の扱い
 クエストに秘匿された【秘密】はGMの指定した方法か、指定した〈技能〉による【秘密】判定によって開示されます。【秘密】を得ることで、新たなクエストやNPCの【居所】が開示されたり、【プライズ】を取得することがあります。

 後述するオープニングの後に、GMによって最初に調べるべきクエストが開示されます。『神葬回天クトゥルフィカ』のクエストパートは、主にクエストのもつ【秘密】を探索判定によって取得するフェイズとなります。

 GMは、PLに対して探索すべき地域や調査すべき事件などをクエストとして提示します。PLは、どの要素を探索するかを選択した上で、各クエストを探索するシーンを発生させることになります。

9.1.2.【プライズ】の扱い
 【プライズ】とは、クエストに探索判定を行うことによって取得するアイテムです。シナリオ中において特殊な存在であり、性質や効果に関しては、シナリオに合わせてGMが決定します(【プライズ】である武器なども存在して構いません)。

 【プライズ】は【クエスト】と同様に【解説】と【秘密】を持ちます。【プライズ】を取得したPCは、【秘密】を自動的に入手します。

 PCに与えられた【目的】次第では【プライズ】の取得がシナリオにおいて必要となる場合があります。【プライズ】もアイテムであるため、PLやGMの間で互いの合意があれば譲渡することができます。

9.1.3.【居所】の扱い
 キャラクターは今どこにいるかを示す【居所】という情報を持ちます。あるキャラクターを対象にしてバトルシーンを行う場合は、そのキャラクターの【居所】が必要となります。

 PCの場合、【居所】を取得するには〈知覚〉による難易度9の探索判定が必要となります。

 NPCの場合でも、〈知覚〉による難易度9の探索判定を行うことで【居所】を取得できますが、シナリオで指定している場合など、NPCの【居所】はクエストによって取得しなければならない場合があります。

 なお、NPCは必要に応じて任意のPCの【居所】を取得できます。

9.2.オープニング

 各セッションにおいて、各PCの行う最初のドラマシーンを特別にオープニングと呼びます。このシーンは導入です。

 オープニングに【秘密】が存在する場合、無条件で情報を取得できます。また、その【秘密】の内容は、任意のタイミングで共有することができます。

 オープニングは、それぞれのPCがメインキャラクターとなり、クエストの指定した場所で指定したNPCに対するロールプレイを行います。ただし、メインキャラクターの許可があれば、通常のドラマシーンと同様に他のPCも登場可能です。メインキャラクターは後述するドラマシーン内の各プロセスを、通常通りに行うことができます。

 オープニングのサイクルは0番目として扱います。オープニングはサイクルリミットには数えませんが、時間経過による崩壊率増加は発生します。PC達はオープニング開始前に「2d10」を振り、崩壊率を出た目の数だけ上昇させます。

10.ドラマシーン

 オープニング後のシーンは、PLが自発的に発生させてゆきます。PLが発生させることができる個別シーンには、ドラマシーンとバトルシーンが存在します。

 ドラマシーンは、決められた空間の探索や、ある事件の真相を探るなど、アセットを使用して自由に探索を行う為のシーンです。アセットの効果などでラウンド中効果が持続する効果は、シーン中効果が継続します。

 ドラマシーンはPLがクエストを1つ選択し、そのクエストに対するシーン発生を宣言することで発生します。シーン発生を宣言したPLがシーンPLとなり、そのPCが該当するドラマシーンのメインキャラクターとなります。

 各ドラマシーンにおいては、メインキャラクターのみがメインプロセスを行うことができます。その他のキャラクターは、ロールプレイとシーンPLが許可したアセットの使用だけを行うことができます。

 ドラマシーンにおいては、GMが特別に設定しない限り、距離と射程の概念が存在しません。アセットの効果を適用する場合は射程を無視し、対象となるキャラクターのPLもしくはGMの合意をもって効果を適用します(つまり、アセットの効果を受ける側には拒否権が存在します)。効果を拒否する際の演出は自由です。

 また、距離の概念がないため、クエストパートではアセットの効果による移動の効果を無視します。ただし、”空撃ちの禁止”の原則とは異なり、移動する効果のアセットを使用することは可能です(移動が効果適用に必要となるアセットは、クエストパートでも使用可能となります)。

 ドラマシーンにおいて、1ラウンドの間効果が続くアセットの効果は、ドラマシーンの終了時まで続きます。

※ドラマシーンの演出
 そのドラマシーンがどのようなものであるかは、シーンPLがクエストに合わせて決定します。

 シーンPLは、ドラマシーンの時制、場所、登場人物を決定します。必要であれば、下記のシーン演出表を使用しても構いません。

+シーン演出表+
①血の臭いが充満する街角
②町並みを見下ろせる高層ビル
③平穏な時間が流れる喫茶店
④夜の帳が降りる荒れ地
⑤濃密な気配が漂う森
⑥閑散とした住宅街
⑦大雨が降り注ぐ道
⑧荒れ果てた廃墟
⑨騒がしい繁華街の一角
⑩光あふれる公園
⑪使い慣れた事務所
⑫人々が溢れるレジャー施設

10.1.ドラマシーンのセットアッププロセス

 セットアッププロセスは、ドラマシーン開始時に発生します。このセットアッププロセス前に、メインキャラクターおよび必要なNPCがシーン内に登場します。

 登場を認められた全PCはセットアッププロセス開始前にシーンに登場しますが、メインキャラクターは他のPCの途中参加を認めて構いません。

 このセットアッププロセスでは、キャラクターは使用可能なアセットを任意の数だけ組み合わせて1度だけ使用できます。メインキャラクター以外のPCは、メインキャラクターが許可したアセットのみを使用できます。

10.2.ドラマシーンのイニシアチブプロセス

 ドラマシーンにイニシアチブプロセスは存在しません。従って「使用:イニシアチブ」のアセットは使用できません。

10.3.ドラマシーンのメインプロセス

 ドラマシーンにおいて、キャラクターが判定が必要な行動を取ったり、アセットを使用する場合、メインプロセスを発生させる必要があります。

 ドラマシーンのメインキャラクターは、1シーンに1度、任意のタイミングでメインプロセスを行うことができます。メインキャラクターでないPCは、メインキャラクターが認める範囲でアセットを使用することが可能とです。

 ドラマシーンのメインプロセスは以下の順番で処理します。ここで、メインプロセスを行うキャラクターを行動者、メインプロセスに使用したアセットの対象になったキャラクターを対抗者と呼びます。

 ドラマシーンの攻撃にはあまり意味がないので、攻撃に関する処理は記載しません。必要に応じてバトルシーンの記述を参照願います。

10.3.1.マイナーアクション
 行動者は「タイミング:マイナー」のアセットを1度だけ組み合わせて使用できます。移動するエフェクトなど、使用しても意味がないものもあります。また、マイナーアクションを使用することで解除可能な状態異常も存在します。

 やりたいことがなければマイナーアクションは放棄することもできます。その場合、マイナーアクションの処理を飛ばします。

10.3.2.メジャーアクション
 クエストパートにおいては、基本的にはメジャーアクションは探索判定か購入判定を実行、またはアイテムを譲渡するためのものです。

 行動したくない場合、メジャーアクションは放棄することもできます。その場合、メジャーアクションの処理を飛ばします。

 また、行動者は判定の代わりに「タイミング:メジャー」のアセットを任意の数だけ組み合わせて1度だけ命中判定を行えます。命中判定のないアセットのみを組み合わせた場合、自動命中となります。

 ただし受ける側に拒否権があるため、ドラマシーンでは攻撃には殆ど意味がありません。対抗者となるメインキャラクターを支援するアセットをメインでないPCが使用するのが、基本的な使い方になるでしょう。

①命中判定
 そのアセットが命中したかどうかを判断する判定です。メジャーアクションを使用して、命中判定に成功することで、組み合わせたアセットの効果が対象に適用されます。対象はアセットを組み合わせてリアクションが可能です。

 命中判定自体はアセットではありませんが、PCが指定した【能力値】および〈技能〉のアセットを組み合わせることができます(組み合わせたアセットに判定を行うものがない場合、自動命中となります)。

 メインキャラクターでないPCがドラマシーンに探索判定や調達判定を行う場合、それを行う効果を持つアセットが必要となります。

②探索判定
 クエストパートにおいてGMに指定された〈技能〉で行う判定全般を指します。町の中での【秘密】収集や、PCの【居所】の確定、建物の中での部屋探索など、クエストパートで行う一般的な判定は全て探索判定です。

 ドラマシーンではメインキャラクターのみが探索判定を行うことができます。メジャーアクションを使用して、GMに指定された目標値以上の達成値を出せば成功となります。

 成功することで、行動者は何らかの【秘密】か、PC一人の【居所】を得ることができます。

 探索判定はアセットではありませんが、指定された【能力値】および〈技能〉のアセットを任意の数だけ組み合わせることができます。また、探索判定の行動者が{財産点}を所持している場合、{財産点}1点につき達成値を1点増加することができます。

③購入判定
 PCがアイテムの取得を試みる時に行う判定です。メインキャラクターがメジャーアクションを使用して、欲しいアイテムの購入Pを目標値として〈調達〉で判定を行い、目標値以上の達成値を出せば成功となります。成功することで、欲しいアイテムを得ることができます。

 購入判定も探索判定と同様にアセットではありませんが、「技能:【社会】」「技能:〈調達〉」のアセットを任意の数だけ組み合わせることができます。

10.3.3.リアクション
 メジャーアクションで行動者が判定を行い達成値が発生した場合、対抗者が対抗判定を行います。

 対抗判定はアセットではありませんが、対抗者は「タイミング:リアクション」のアセットを任意の数だけ組み合わせて1度だけ対抗判定を行えます(組み合わせたアセットに判定を行うものがない場合でも、ルールにより判定を行います)。

 リアクションにおいて、行動者と対抗者がそれぞれ組み合わせたアセットの効果が矛盾する場合、対抗者側のアセットの効果が優先されます。

 対抗判定の達成値が、行動者の判定による達成値を超えた場合、対抗者が判定に勝利して、行動者の行動は無効化されます。

 なお、メジャーアクションにおいて行動者が攻撃を行うアセットを使用した場合のみ、対抗者は回避・防御・反撃、或いは他者によるカバーリングが可能です。

10.3.4.ダメージ計算
 メジャーアクションにおいて行動者が攻撃を行うアセットを使用した場合のみ、この処理を行います。キャラクターは達成値に応じてダメージを算出し、受けたダメージ分だけ{HP}を減少させます。

10.4.ドラマシーンのクリンナッププロセス

 ドラマシーンの終了時に、メインキャラクターはクリンナッププロセスを1度行うことができます。

 クリンナッププロセスでも、各キャラクターは使用可能なアセットを任意の数だけ組み合わせて1度だけ使用できます。また、GMが定めたクリンナッププロセスに行える処理を行うこともできます。

 クリンナッププロセス終了後に、メインキャラクターがシーンから退場することで、ドラマシーンも終了となります。

11.トリガーシーン

 探索判定などの結果、【条件】を満たすことでとして発生するシーンです。これはドラマシーンとは別にサイクルに挿入されるシーンとして扱い、PCやNPCとの会話、ロールプレイを主に行うシーンになります。

 トリガーシーンでは、GMはルールにない様々な処理を行って構いません。また、このシーンではPCは後述するトリガーアタックを除いて、アセットを使用できずメインプロセスを行うことができません。

11.1.ファジーなトリガーシーン

 シーンによっては、ドラマシーン中にロールプレイを行いたいこともあると思います。

 その場合、GMは無理にトリガーシーンを分割せず「アセットは演出にしか使えない」として、ドラマシーン中にトリガーシーンの内容を終わらせても構いません。

11.2.トリガーアタックと驚異判定

 トリガーシーンに発生する重大な問題のことをトリガーアタックと呼びます。これはPC達が異能の力で即座に解決できない問題、或いはPC達をコラプサー等の暴力的な力が襲ったりしたことを表す処理です。

 まずGMはPCを一人選択します。選択されたPCは任意の順でメインプロセスを行い、メジャーアクションを使用してGMの指定した〈技能〉を用いた判定を行います。この判定を驚異判定と呼びます。

 PCはトリガーアタックによって大きく揺らぐことになります。驚異判定は、このような重大な問題にPCが上手く立ち向かうことができたかを判断する為の判定です。

 驚異判定には、判定で指定された〈技能〉に組み合わせ可能なアセットを任意の数だけ組み合わせることができます。GMに指定された目標値以上の達成値を出せば成功となります。

 挑戦したPCの内1人でも驚異判定に成功した場合、トリガーアタックはPC側に有利な形で終了したことになります。

 全員が驚異判定に失敗した場合、トリガーアタックはPCが不利な形で終了したことになります。

 驚異判定の目安となる目標値は以下の通りです。

+驚異判定:目標値+
〈白兵〉〈射撃〉〈異能〉〈対話〉:12
その他〈技能〉、【能力値】:9

 驚異判定に挑戦したPCの崩壊率は、結果に関わらず「2d10」点上昇します。

11.3.ハンドアウトシーン

 PCのRハンドアウトが開示された場合、そのPCがシーンプレイヤーとなる特殊なトリガーシーンが発生します。このシーンのことをハンドアウトシーンと呼びます。

 ハンドアウトシーンは、Rハンドアウトに関連するNPCやPCが登場する回想シーンとして扱い、必要な会話やロールプレイを行います。

ありがとうございます。