神葬回天クトゥルフィカ_第十二章~十五章

12.バトルシーン

 バトルシーンは、NPCやPCの一人がメインキャラクターとなって戦闘を行い、勝利条件を満たす為のシーンです。

 バトルシーンでは、メインキャラクターが【居所】を取得している異なる陣営のキャラクターから、登場させる相手を一人選択します。選択されたキャラクターは、バトルシーンへの登場を拒否できません。

 その他のキャラクターは、メインキャラクターの許可がなくとも登場できます。これを戦闘乱入と言います。戦闘乱入したキャラクターは自身の属する陣営に協力して戦闘を行います。

※バトルシーンの陣営
 バトルシーンにおいて、勝利条件を共有する集団のことを陣営と呼びます。PCは全員一つの陣営に属しています。このゲームにおいて、PC同士が戦闘を行って勝敗を決定する、いわゆる対立型のシナリオを遊ぶことは推奨しません。

※脱落と退場
 脱落とは戦闘に参加するのを辞めることです。一度戦闘から脱落したキャラクターは、戦闘中あらゆるアセットを使用できず、自身以外からのあらゆるアセットの対象になりません。

 脱落したキャラクターは、シーンから退場した訳ではありません。そのキャラクターが登場している限り効果が持続するアセットの効果は、そのキャラクターが戦闘から脱落してもシーンから退場するまで残ります。

 脱落したキャラクターは、戦闘終了までシーンから退場することはできず、戦闘終了後にシーンから自動的に退場します。

12.1.戦闘の勝利

 戦闘の勝利条件は、自身の属する陣営以外のキャラクターを全て戦闘から脱落させるか、死亡させることになります。

 戦闘に勝利した陣営の代表は、戦闘に参加した他陣営のキャラクターを一人選び、そのキャラクターが持っていて自身の陣営に共有されていない【秘密】一つを取得するか、そのキャラクターが持つ【プライズ】一つを自身に譲渡させます。

12.1.1.ラウンド経過による決着
 クライマックスシーン以外のバトルシーンは、後述する二ラウンド目が終了した時点で戦闘終了となります。

 この際、戦闘終了時に脱落していない陣営は全て勝利したものとして扱います。【プライズ】の取り合いなどにより、優先すべき勝者を決定する必要がある場合、代表者同士が〈交渉〉で対決を行い、勝者の陣営を優先します。

12.2.脱落チェック

 ボス属性を持たないバースター同士の戦闘は不毛です。《コラプスボディ》の効果によって戦闘不能になっても無制限に復活するからです。従って、PCを含めた殆どのバースターは、何らかの捕縛術を体得しています。

 この捕縛術が成功したか確認するのが脱落チェックです。脱落チェックは、行動者が攻撃によって対抗者を戦闘不能にした直後に、命中判定の達成値を使用して行動者が行います。

 脱落チェックの目標値は「(対抗者の{最大HP}(最大50)-対抗者がシーン中に戦闘不能または死亡を解除した回数×10)(最低1)」となります。行動者が行った攻撃の命中達成値が目標値以上の場合は成功となり、対象の対抗者はその攻撃で戦闘不能になった場合、戦闘から脱落します。

 バッドステータス(以下BS)の効果など、攻撃以外によって戦闘不能または死亡した場合、対象の脱落チェックは行いませんが、脱落チェックの戦闘不能または死亡の回数には数えます。

 NPCは基本的に脱落チェックを行いませんが、GMは任意のNPCに脱落チェックを行わせることができます。

12.3.戦闘中の距離

 戦闘中、キャラクターには距離の概念が適用されます。戦闘中の移動には戦闘移動、全力移動、離脱の三つの方法があります。各移動の詳細は後述します。

 また、アセットの射程は距離の概念を下記のように指定しています。

・「射程:視界」:同一シーン内に存在するキャラクターであることを示します。

・「射程:??m」:キャラクターの所属するエンゲージ間の距離が「??m」であることを示します。

・「射程:至近」:キャラクターの所属するエンゲージ内であることを示します。

12.4.エンゲージ

 エンゲージとは、所属する全キャラクターが手持ちの白兵武器で互いに攻撃可能な程度の領域を指します。言い換えるなら、エンゲージとは「射程:至近」の攻撃が命中する距離を指す概念です。異なる各エンゲージ間の距離は、最低でも5mとなります。

 移動時を除き、全てのキャラクターはエンゲージに所属しています。一人でいるキャラクターの場合、自身単独のエンゲージに所属しています。また、一つのエンゲージには複数のキャラクターが所属することもできます。

 「射程:至近」の攻撃を命中させるためには、対象と同一のエンゲージに所属する必要があります。対象との距離が0mになるように移動することで、対象と同じエンゲージに所属することができます。

 複数のキャラクターが所属するエンゲージに所属しているキャラクターが、エンゲージから脱出して別のエンゲージに所属する場合、同エンゲージに所属しているキャラクター全員が脱出に同意するか、後述する離脱が必要になります。

12.4.1.エンゲージの設定
 PCが発生させたバトルシーンでは、一つの陣営がそれぞれ一つのエンゲージに所属し、エンゲージ間はそれぞれ10mずつ離れた状態で戦闘を開始します。

 NPCが発生させるバトルシーンでは、エンゲージ間の距離や陣営の数はGMが決定します。

12.5.飛行状態

 飛行状態は、飛んでいることを示す特殊な状態異常です。飛行状態のキャラクターは、飛行状態のキャラクターが同じエンゲージに所属していない限り、戦闘移動または全力移動でエンゲージを脱出することができます。

 キャラクターはアセットの効果によってのみ、飛行状態になることができます。飛行状態は、飛行状態を作り出したアセットの効果終了時に解除されます。

12.6.隠密状態

 隠密状態は、自らの姿を隠していることを示す特殊な状態異常です。自身含む全てのキャラクターは、隠密状態のキャラクターをアセットの対象として選択することができません。

 アセットの効果を使用するか、メジャーアクションを使用し、同エンゲージに所属しているキャラクター全員が同意することで、隠密状態になることができます。

 隠密状態は、使用タイミングが「使用:イニシアチブ」「使用:アセット」「使用:ジャッジ」「使用:ダメージ」のアセットを隠密状態のキャラクターが使用する直前、また隠密状態のキャラクターが行ったメインプロセスの終了時に解除されます。

13.ラウンド

 バトルシーンはラウンドというサイクルの繰り返しによって構成されています。バトルシーンの判定およびアセットの使用はラウンド処理の一貫として行われます。

 一度のラウンドでは、以下の順番で処理を行います。

①セットアッププロセス
②イニシアチブプロセス
→③メインプロセス×?回
④クリンナッププロセス

 以下に各プロセスの説明を行います。

13.1.セットアッププロセス

 セットアッププロセスでは、全てのキャラクターが「使用:セットアップ」のアセットを任意の数だけ組み合わせて1度だけ使用できます。1人のキャラクターが「使用:セットアップ」のアセットを使用できるのは1ラウンドに1回です。

 セットアッププロセスのアセットの処理順は{行動値}が高い順に行います。{行動値}が同値であるならば処理の順番は任意ですが、NPCとPCの{行動値}が同値である場合はPCの処理を先に行います。

 また、シナリオパートと同様、シーンに新たに登場するキャラクターは、原則的にはセットアッププロセスで登場します。

13.2.イニシアチブプロセス

 バトルシーンに登場している全ての未行動のキャラクターの{行動値}を比較し、{行動値}が高い順にメインプロセスを行います。

 メインプロセスを行えるのは1人1回です。ラウンド中、メインプロセスを行っていないキャラクターは未行動という状態であり、メインプロセスを行ったキャラクターは行動済みという状態になります。

 行動済みのキャラクターにはメインプロセスは回ってきません。シーンに登場している全キャラクターが行動済みになったら、クリンナッププロセスに移行します。

 また、イニシアチブプロセスでは、全てのキャラクターが「使用:イニシアチブ」のアセットを任意の数だけ組み合わせてそれぞれ1度だけ使用できます。同時に「使用:イニシアチブ」のアセットを使用する場合、{行動値}が高い順に処理します。

 1人のキャラクターが「使用:イニシアチブ」のアセットを使用できるのは1ラウンドに1回です。ただし、「重ねて使用できる」と記されたアセットは、条件を満たせば「使用:イニシアチブ」のアセットを使用した後にも使用できます。

 1度のイニシアチブプロセスにメインプロセスを何度行っても、イニシアチブプロセスは全体で1度として処理します。全員が[行動済み]になったら、クリンナッププロセスに移行します。

13.3.メインプロセス

 戦闘中のメインプロセスはイニシアチブプロセスとの入れ子構造になっており、以下の順番で処理します。

 ここで、メインプロセスを行うキャラクターを行動者、メインプロセスに使用したアセットの対象になったキャラクターを対抗者と呼びます。

 メインプロセス開始時に、行動者は待機を宣言することができます。この場合、行動者が未行動のまま、イニシアチブプロセスに戻り、次の行動者がメインプロセスを行います。

 待機を宣言した行動者は、待機を宣言していない他の全ての行動者が行動済みになった後で、{行動値}が低い順に行動することになります。

 1度待機した行動者がもう1度待機することはできません。

13.3.1.マイナーアクション
 行動者は以下の行動から選択して1つ行うことができます。

①「使用:マイナー」のアセットを任意の数だけ組み合わせて1度だけ使用する
 行動者はシナリオパートと同様に、様々なアセットを組み合わせることができますが、戦闘中は移動するエフェクトを組み合わせることにも意味があります。

②マイナーアクションを使用して回復する状態異常1つを回復する
 行動者がマイナーアクションを使用する状態異常を複数受けている場合は、その分だけマイナーアクションを使用する必要があります。

③装備しているアイテムを、取得しているアイテムから自由に選択して再び装備する
 行動者は1度の装備変更で、複数個のアイテムを自由に装備しなおすことができます。

④戦闘移動を行う
 行動者がマイナーアクションを使用して行うのが戦闘移動です。戦闘移動では「(【肉体】×2+【感覚】)+5m」、つまり{移動値}の値だけ移動できます。

⑤マイナーアクションを放棄する
 行動者はマイナーアクションの処理を飛ばします。

13.3.2.メジャーアクション
 行動者は以下の行動から選択して1つ行うことができます。

①「使用:メジャー」のアセットを任意の数だけ組み合わせて1度だけ使用する

 このとき、攻撃を行うアセットを使用することもできます。もし攻撃する場合、行動者は「使用:メジャー」のアセットを組み合わせて使用し、対抗者となる対象を決定した上で、命中判定を行います。

 攻撃を行うためには、「??攻撃を行う」と記されたアセットを1つ以上組み合わせないといけません。

 命中判定は、そのアセットが命中したかどうかを判断する判定です。行動者がメジャーアクションを使用して、命中判定に成功することで、組み合わせたアセットの効果が対抗者に適用されます。

 命中判定に失敗した場合は、組み合わせたアセット全ての効果が無効となります。また、対抗者はアセットを組み合わせて後述するリアクションが可能です。

 命中判定自体はアセットではありませんが、PCが指定した【能力値】および〈技能〉のアセットを自由に組み合わせて行うことができます(組み合わせたアセットに判定を行うものがない場合、自動命中となります)。

②全力移動を行う
 行動者がメジャーアクションを使用して行うのが戦闘移動です。全力移動では、戦闘移動の2倍の距離まで移動することができます。

③離脱を行う
 複数のキャラクターが所属するエンゲージから、全員の同意なしで脱出する際に行うのが離脱です。離脱はメジャーアクションを使用して行う移動の一種です。

 離脱を行ったキャラクターは、所属していたエンゲージから5m離れた任意の場所に移動し、エンゲージの所属を変更します。

 離脱を行った後で、移動できる距離内に存在する別の他者のエンゲージに所属することもできますし、自身単独のエンゲージに所属することもできます。

④隠密状態になる
 同エンゲージ内に所属するキャラクターが全員同意した場合、メジャーアクションを使用して、上述した隠密状態になります。

⑤逃走する
 同エンゲージ内に所属するキャラクターが全員同意した場合、メジャーアクションを使用して、戦闘から脱落します。

⑥メジャーアクションを放棄する
 行動者はメジャーアクションの処理を飛ばします。

⑦その他
 GMがメジャーアクションを使用して解決するべきだと判断した行動を取ることができます。シナリオパートと同様に、戦闘中に探索判定を行うこともできますが、調達判定は行なえません。

13.3.3.リアクション
 メジャーアクションで行動者が判定を行い、達成値が発生した場合、対抗者は対抗判定を行います。

 リアクションにおいて、行動者と対抗者がそれぞれ組み合わせたアセットの効果が矛盾する場合、対抗者側のアセットの効果が優先されます。

 もしも行動者が攻撃を行うアセットを使用して命中判定を行った場合、対抗者は回避・防御・反撃、或いは他者による対抗者へのカバーリングが可能です。

①回避を行う
 対抗者が〈回避〉を用いて回避判定を行い、その達成値が行動者の命中判定の数値以上になった場合、攻撃を回避して行動者の使用したアセット全ての効果を無効にすることができます。

 回避判定は〈技能〉が固定された対抗判定の一種です。アセットではありませんが、対抗者は「使用:リアクション」の任意のアセットおよび、既に効果を受けているアセット全てを組み合わせて1度だけ回避判定を行えます。

 回避判定に失敗した場合でも、装甲値によるダメージの軽減は適用されます。回避を行う場合、防御・反撃は行なえません。

②防御を行う
 対抗者は、装備している使用可能なガード値を持つアセット1つを選択し、「使用:リアクション」の任意のアセットおよび、既に効果を受けているアセット全てを組み合わせて防御を宣言できます。選択したアセットのガード値の合計分だけ、受けるダメージを減少させます。

 また、防御で選択したガード値を持つアセットは「使用:リアクション」「対象:自身」「射程:至近」として扱います。

 装備している使用可能なアセット全てがガード値を持たない場合、防御を行うことはできません。防御を行う場合、回避・反撃は行なえません。

③反撃を行う
 対抗者は、「使用:リアクション」の取得している行動者への反撃が可能なアセット1つを選択し、そのアセットの指定する「使用:メジャー」の任意のアセットおよび、既に効果を受けているアセット全てを組み合わせて反撃を宣言できます。

 反撃は、本来メジャーアクションで行う攻撃をリアクションのタイミングで行う特殊な処理ですが、ラウンド中効果が持続するアセットなどの、タイミングを問わず攻撃に組み合わせることが可能なアセットを組み合わせることができます。

 対抗者は選択したアセットを使用した命中判定を行います。対抗者の命中判定によるアセットの効果を行動者が受け、行動者の命中判定によるアセットの効果を対抗者が受けます。

 反撃はリアクションのタイミングで行われるため、反撃に対するリアクションはありません。反撃を選択した場合、回避・防御は行なえません。

④カバーリングを行う
 同じエンゲージに存在する、未行動状態の対抗者以外のキャラクター(以下カバー者)が宣言できます。カバー者は、対抗者の代わりに行動者の攻撃によるダメージを受けます。

 エンゲージ内の全員が攻撃対象の場合、自身への攻撃にリアクションを行い、他者の攻撃にカバーリングを行うこともできます。そうした場合、自身は自身の攻撃に対するリアクションを処理した後、カバーリングによるダメージを受けることになります。

 カバーリングはアセットではありませんが、カバー者はカバーリング宣言と同時に装備している使用可能なガード値を持つアセット1つを選択し、「使用:リアクション」のアセットを任意の数だけ組み合わせて防御を宣言できます。

 カバー者は行動者の攻撃を防御したものとして扱います。また、カバー者はカバーリング終了時に行動済みになります。

⑤リアクションの放棄
 対抗者はリアクションの処理を飛ばします。

13.3.4.ダメージ計算
 メジャーアクションにおいて行動者が攻撃を行うアセットを使用、攻撃の命中が確定した場合のみ、この処理を行います。

 まず、命中した場合に効果を発揮するアセットの効果を全て適用します。

 続いて、対抗者は命中判定の達成値に応じて基本ダメージを算出し、受けたダメージに応じて{HP}を減少させます。基本ダメージの計算式は以下の通りです。

・基本ダメージ=「命中判定の達成値/10(端数切り上げ)」d10+「アセットに記述された基本ダメージの合計」

 この数値から、「使用タイミングがダメージのアセットの効果」を差し引き、「対象の装甲値」および「対象のガード値(防御していた場合)」を減少させた値が、対抗者が受けるダメージになります。

 ダメージによって{HP}が「0」以下になる場合、対抗者の{HP}を「0」にして、対抗者を戦闘不能にします。

 戦闘不能になった対抗者は、戦闘不能または死亡時に使用できるアセットを使用するか、自ら戦闘から脱落するか、その場に留まるかを選ぶことができます。

※止めを刺す
 戦闘不能になった対抗者が提案し、攻撃者が合意した場合のみこのルールを適用します。そのキャラクターを死亡させます。この行動にアセットを組み合わせることはできません。

 このゲームにおいてPCがゲームから退場する条件の1つは、死亡状態でシーン終了を迎えることです。退場されたキャラクターシートはGMに渡します。

 シナリオ中にPCが死亡した場合、PLが望むなら新しいキャラクターシートを利用してシナリオに参加することができます。サンプルキャラクターなどを使用すれば手早く参加できるでしょう。

13.4.クリンナッププロセス

 ラウンド終了時の処理を行います。全てのキャラクターが「使用:クリンナップ」のアセットを任意の数だけ組み合わせて1度だけ使用できます。

 1人のキャラクターが「使用:クリンナップ」のアセットを使用できるのは1ラウンドに1回です。

 これに加えて、ラウンド中持続するアセットの効果の終了や、邪毒によるダメージなど、クリンナップに行う処理を行います。その後、次ラウンドのセットアッププロセスに移行します。

14.悪性状態異常

 悪性状態異常(以下BS)には以下に示す6種類が存在します。それぞれアセットの効果などで発生します。これらのBSの効果はアセットの効果に優先し、BSによってできない行動をアセットの効果で行うことはできません。

 BSはシーン終了時か、戦闘不能または死亡になった時点で、全て解除されます。

※硬直
 自分は戦闘移動および全力移動ができない。マイナーアクションで宣言すれば解除できる。

※憎悪(??)
 ??にはキャラクター名が入る。次の自身のメジャーアクションで、自身は??を対象に含む攻撃を行う。もし??への攻撃を行わない場合、代わりにマイナーアクションで《素手》を装備し、メジャーアクションで《素手》のみを使用して自身を攻撃しなければならない。効果を適用したメインプロセス終了時に自動解除される。

※愚鈍
 自身は回避が行えず、「使用:リアクション」のアセットを使用できない。マイナーアクションで宣言すれば解除できる。

※重圧
 自身は「使用:イニシアチブ」のアセットを使用できない。マイナーアクションで宣言すれば解除できる。

※邪毒X
 Xには任意の数字が入る。自身はクリンナッププロセスに(X×3)点の{HP}を失う。邪毒Xを複数回受けた場合、Xは受けた邪毒Xの中で最大の数値になる。アセットの効果で解除できる。

※散漫X
 Xには任意の数字が入る。あらゆる判定の判定ダイスを-X個する。散漫Xを複数回受けた場合、Xは受けた散漫Xの中で最大の数値になる。クリンナッププロセスで自動的に解除される。

 なお、{HP}が0になった時の戦闘不能や死亡も状態異常として扱います。しかしBSとしては扱わず、BSを解除するアセットの効果では解除できません。

※戦闘不能
 自身は常に{HP}が「0」かつ[行動済み]になり、「使用:効果」で戦闘不能時に使用するように指定されているアセット以外は使用できない。シーン終了時に自動解除され、自身の{HP}は「1」になる。

※死亡
 自身は常に{HP}が「0」かつ[行動済み]になり、「使用:効果」で死亡時に使用するように指定されているアセット以外は使用できない。また、自身はシーン終了時にゲームから退場する。ゲームから退場したPCのキャラクターシートは、セッション終了時にGMに渡す。

15.クライマックスパート

 クライマックスパートは、最後に行う特別な戦闘である、クライマックスシーンを行うためのパートです。クライマックスシーンのみがクライマックスパートに属しています。

 十分な【秘密】および【プライズ】を取得したPCが、合意の上でクライマックスパートへの移行を望むか、クエストパートで指定された数のサイクルが経過した場合、クライマックスパートへ移行します。

 クライマックスパートにおいては時間経過による崩壊率増加は発生しません。

15.1.崩壊加速

 クライマックスシーンに登場するPCは、全員がシーン登場時に〈意思〉を用いて難易度9の驚異判定を行います。

 これを崩壊加速と呼びます。崩壊加速の驚異判定に失敗したPCは「BS:愚鈍」を与えられます。

 崩壊加速は、クライマックスシーンに控える敵の圧倒的な戦闘力を表現するものです。相手は大抵ボス属性を持つキャラクター、つまり強力なコラプサーであり、PCを含む周囲の全てを作り変えてしまうのです。

※ボスの《コラプスフィルド》
 クライマックスシーンに出てくるNPCがボス属性を持つ場合、NPCは戦闘開始時に《コラプスフィルド》の効果を適用します。

 この効果により、崩壊率が100%を越えたPCの持つ《コラプスボディ》の効果は無効化されます。

15.2.クライマックスシーン

 クライマックスシーンは、NPCがメインキャラクターとなる特殊なバトルシーンです。通常のバトルシーンと異なる点は、前述した崩壊加速が存在することと、ラウンド経過による決着がないことです。

 また、クライマックスシーンには特殊なギミックがある可能性があります。PCはクエストパートで【秘密】や【プライズ】をしっかり集めておくと良いでしょう。

 クライマックスシーンの終了時に、クライマックスパートも終了となります。


ありがとうございます。