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【正しく怖がっている実例 その①】

★雑貨屋の店先に手洗い場ができた

 毎朝、ウオーキングの戻りに立ち寄ってジュースを立ち飲みする店は、子供のいない40代の仲良し夫婦がやっている本当に小さな雑貨屋だ。

 それでもコロナ防疫への意識は高く、2ヶ月ほど前から紙幣や硬貨を指先でつまむようになり、勘定のあとにはすぐさま手指を消毒するようになった。

 そして、いつの間に水道工事を行ったのか、数日前からは店先に手洗い場を作り、手作りの看板で客に手洗いを促すようになった。

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 店前にバリアを張るように置かれたテーブルの上には、電卓の脇に軍手も置いてある。

 これからは、手袋をして勘定をするのだろうか。

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★近所の人々への啓蒙にも役立ちそう 

 まだ40代の旦那が、照れ笑いをしながら初めて紙幣を指先でつまんだときには思わず苦笑してしまったのだが、考えてみれば、現時点でもコロナウイルスの本当の正体は誰にも分かっていないはずだ。

 専門家といわれるご仁たちも、大方は推測で物を語っているに過ぎないと考えるべきだろう。

 だから、よく言われるように、ここは「正しく冷静に怖がる」しかないのである。

 ただ、雑貨屋のようなくだけた客商売では「怖がる」にも限度がある。

 勘定をするには客と向かい合うしかないし、奥の自宅につながる店舗内にも客は入ってくる。

 店先の椅子に座り込んで、話し込む近所の人もある。

 ひどい煙害もあって、ほとんどの客がマスクをしているとはいえ、人との距離はなかなか保てないだろう。

 私がいま想像しているのは、数日後に旦那が照れ笑いをしながら長さ2メートル超の棒付き籠か網を付き出して、「悪いけどお金はそこに入れてください」と言って勘定をする姿である。

 それはきっと、近所の人々に向けた啓蒙にもつながるだろう。


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