見出し画像

雑語りシノビガミ:第一回 「忍犬」

はじめに
 この記事は筆者が暇潰しのために、忍術バトルRPG「シノビガミ」についてテーマを決めて雑に語るものである。


常識では考えられない生命力

 皆様は忍獣カテゴリのエネミー「忍犬」をご存知だろうか。驚異度2、生命力3。接近戦攻撃と連撃にかばうが添えられた簡素なキャラクターシートは、誰もが一度は目にしたことがあるはずだ。
 簡素な、とは書いたがそれは決して実力の低さを表すわけではない。走法という微妙な特技からの接近戦攻撃は対戦相手を着実に削り、そして主人への攻撃はどんなに大きいものだろうとかばう。
 ──完璧だ。筆者が思うに、忍犬より強い従者を用意するには「魔王降臨の法」を使わなければならない、それほど完成されている。
 そんな忍犬について、雑に語っていこうと思う。そんなの知ってるよ、みたいな情報が多いかもしれないが、ご容赦いただきたい。

忍犬を取得できる忍法

 並べてみると思ったより色々ある。順番に見ていくことにしよう。

眷属

 狐も強いんだけどね、な忍法。重めのコストと手番消費と引き換えに一枠で二体もの忍犬を呼び出すことができる。魔血で使えるのが偉すぎる。

犬神憑

 何故か冒険企画局から忘れ去られた、スタートブックの忍法。効果はほぼ眷属と同じだが、特技が異なるためそれによって使い分けられる。あとはレギュレーションの都合で使えないことも多い。

群れ

 何でも取ってこれる強力忍法。おまけ効果の間合プラス1もかなり嬉しく、様々な用途が期待できる。忍犬は生命力が高いため、他の忍獣よりもおまけ効果を長く発揮できるだろう。

一味

 世界のバグ。汎用忍法最強格。あの頑健を押し退けて採用されることがあると聞けば、その異常性はお分かりになるだろう。最後の一枠が余ったらこれを積んで寝よう。

魔王降臨の法

 忍犬より強い従者を喚ぶためのものだが、忍犬も取れる。これで忍犬を???

そろそろ洗ってやろうと思っている

忍犬の強み

 かばうの三文字書いて終わりでもよいのだが、一応書く。

外付けの生命力
 
かばうにより主人を絶対に守ることができる。かばうの仕様によって、どんなに大きいダメージでも、奥義でも代わりに受けることができてしまう。判定不要の御斎魂、1.5倍頑健、本物肉鎧。構成に忍犬が入っているだけで、構成評価の「耐久力」の部分を5くらい上げられるだろう。

集団戦ダメージ対策
 
主人が受けてしまうとじわじわと辛い集団戦ダメージを完璧にカットできる。裏目になるのは呪いでかばうが消えてしまうときだけで、可能性はおよそ5%である。95%で正解になる行動、しない理由がない。

数の暴力
 単純に駒が一つ増える。これはダメージレースにおいて大きな優位になる。

かわいい
 かわいい。

忍犬の弱み

 ない……というわけではない。最強である以上メタはたくさんある。順に見ていこう。

彼方よりの声
 
従者である以上避けては通れない妖魔武器。かばうを止められるだけで機能不全に陥ってしまう。昨今は憑依術をピン持ちしているシノビが多いのも向かい風。

主変
 従者型に一族郎党皆殺しにされたシノビが生み出した謎の忍法。忍犬を奪われてしまうと実質生命力6もの損が生じてしまうため要注意──とは言っても、これを表に入れてくるプレイヤーはあまりいない。追加忍法には気を付けようがないためどうしようもない。

範囲攻撃:撃ち
 どうしようもない。が、主人を守って6点受けられるため十分な仕事はしているといえる。

基礎がしっかりしたアタッカー
 
シノビの基礎とは「間合2、2ダメージ、回避マイナス2」であるが、しっかりしたシノビは3ダメージ出す。シノビガミの環境は忍犬を中心に回っているため、3ダメージないと辛い試合は多々ある。忍犬対策をするなら回想シーンなしで3ダメージ出せるようにしよう。

本題:雑語り

 ここまでは前座である。ここからが本題、筆者が思い付くことを思い付いた順に雑語っていく。
 皆様は人生で最初に使った構成を覚えているだろうか?筆者が最初に使った構成には一味の忍犬が入っていた。あの耐久力、強い味方を守って感謝される感覚。一年中経った今でも忘れず、鮮明に覚えている。
 ちなみに筆者は忍犬が嫌いである。単発の大ダメージを出す構成が好きなので、かばわれると負けてしまうのだ。
 だが、好感度にかかわらず忍犬は強い。そして、私は犬が好きなのだ。できることなら使ってやりたい。そして、できることなら面白い使い方がしたい。そう考えて出来上がったのが以下のコンボである。
 約定+秘棺。
 犬を妖魔化させるのだ。秘棺に必要な感情は背景獣心によって簡単に取得できるし、約定に必要な鬼力は御供や夜駕籠によって、ある程度の遠回りはあれど取得できる。
 そして、このコンボの魅力は拡張性の高さだ。約定で指定する妖魔忍法によって、様々な構成が考えられる。
 オーソドックスな大太郎。生命力4の忍犬は最強である。
 火力に寄せた鏖殺。指定は瞳術固定、しかも代用判定になってしまうが、それでも回避マイナス2の連撃付き全体攻撃は強い。
 火力寄せだが安定感がある、見越。これを使うなら主人が犬を守るような構成になって面白い。
 別に忍犬じゃなくていいけど単純に強いので強い、付喪神や震々。幽霊がかばうを持っていたらギリギリ強い。
 このように、様々考えられる。装備忍法烙印によって火力の増強が簡単なのもいい。皆様も犬を妖魔化させてお好みの最強犬を作り出そう!

雑一味にしないために

 一味の忍犬は雑に積んでも強い。それは事実である。しかし、理由なく積まれた忍犬の顔を見て上げてほしい。どこか悲しそうな眼をしていないだろうか。そのかばうには愛はあるんだろうか。
 一味を積むべき構成と、積まないべき構成があるはずだ。考えていこう。
 まず積むべき構成。これは魔輪などを搭載したタンク型・サポート型が挙げられる。かばうは主人以外にも使えるため、味方全員の生命力をプラス1しているイメージに近い。これは文句なく強力だろう。魔輪を採用していれば使い捨てではなく、試合終了まで役立つ盾になってくれるだろう。
 他にも、従者が必要な型にも採用してみいだろう。戦駒や業火、騒乱、そして幻草子。従者が入り用な構成は思っているよりもたくさんある。そういった構成においては、背景体育委員会を採用できる私立御斎学園でもない限り重要な忍法になってくる。もちろん配下でも需要は満たせるのだが、せっかく従者を用意するなら強い方がよいだろう。
 逆に、一味を積まない方がよい構成とはなんだろうか。無理やりにでも考えることにする。
 まず、一味よりも有用な忍法が他にある構成。一味よりも後の先の方が強いし、開眼を使いたいなら頑健の方が便利だ。すでに十分な耐久力がある構成にも不要だろう。耐久力は、多くてもクリティカルヒットを2回耐えられれば十分だ。1回分を忍犬に回せるのは偉いとはいえ、それ以外で用意しているなら残りのリソースは火力に回そう。
 いかがだっただろうか。読者の皆様の構成は必要な一味だっただろうか。考え直す機会になれば幸いである。それを踏まえて、次の項目へ行こう。

雑一味のすゝめ

一味を積まない方が良い構成などといったものは存在しない。
完璧な絶望が存在しないようにね。

村上春樹『犬の歌を聴け』

 ここまでの文章は全て欺瞞である。
 シノビの作り方とはまず一味を入れ、コンセプトを決め、忍法を入れていき、枠が足りなくなったら一味を抜く。そういうものなのだ。
 一味を積めなくなった構成は耐久力を捨てて他の要素に振った構成のはずである。そうでなければいけない。
 その構成のその枠は一味ではいけないのだろうか。忍犬よりリソースを稼げるだろうか。一度真剣に考えることで、知識や思考力、場合によっては言いくるめ力を鍛えることができるだろう。
 そして悲しいことに、大抵の場合は一味でいい。忍犬は上位存在であり、一般的なシノビが太刀打ちできるようなものではないのだ。忍犬を崇め、一味を積もう。

最後に

 あなたの好きな忍法があったとする。その忍法が一味の忍犬に比べて、優れている点はなんだろうか。ダメージ量でも、味方への貢献量でも、ヘイトコントロール力でも、好感度でもいい。何か一つでも優れていれば、それはその忍法を積むべき理由になる。
 逆に、劣っている点はなんだろうか。こちらを考えるのは難しく、悲しいことかもしれない。だが、それを考えることでまた一歩進めることも確かのなのだ。どうしてこの枠は一味ではいけないのだろうか。劣っている部分がその構成のコンセプトにとって必要ない部分だからかもしれないし、従者という処理能力を圧迫する存在を採用したくないからかもしれない。
 理由があればいい。理由があれば、その構成はきっと強い構成だ。
 読者の皆様が一味と共に、あるいは理由があって一味から離れて、良きシノビガミライフを送れることを若輩者ながら祈っている。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?