安逸を喫する

ぜつぼうの朝。
窓から薫る陽光。雛鳥のさえずりが皮膚に浸透して、わたしの醜さはじわじわと晒される。ぼんやりと曖昧模糊な憂鬱。ああ、積み重なっては消える不明瞭なこのもやが、すべて感興となってしまえばいいのに。
電気ケトルで沸かしたお湯でインスタントコーヒーをつくる。沈殿し、きわから溶けゆく砂糖。
わたしたちは少し似ているね。

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