CLラウンド16リバプールvsアトレティコ2ndレグ感想
「どうせリバプールでしょ」大方の予想はこの一言だったように思います。1stレグを終えた後も多くのリバプールファンが「アンフィールドで一点差ならいける」と思ったはずです。だって彼らにとってアンフィールドは奇跡を起こした場所なのだから。
リバプールのボール保持について
実際この試合もリバプールは素晴らしかったと思います。
多くの戦術ブロガーさんが仰ってるようにアトレティコのLSBのロディの裏をチェンバレンが使うのは効果的であり、何度もチャンスが生まれていました。前半は右からの攻撃が多かったので、偏重という意味では対応しやすいかと思いきや、チェンバレンのチャンネルラン、サラーの突破&カットイン、アーノルドの高速クロスとあるのでこの多彩な攻撃パターンをアウェイで受け続けるのは相当なことだなと思いました。
前半の内に、しかも自分たちが今日用意してきた形で点を取れた(同点にできた)という意味でリバプールは想定通りだったと思います。
後半に入ると右の攻撃に比べるとシンプルな印象があった左の攻撃も、ワイナルドゥムを内側、マネを外側に出したり、マネを内側、ロバートソンを外側に置いたりして「左からもいくぞ」というクロップのメッセージが伝わってきました。
実際90分で決まっていてもおかしくなかったと思いますが、味方のアクションに対するカバー、スライドが良かったり。そしてなによりオブラクがいたこと。
シメオネの試合後のコメントが全てを表してると思います。
「うちにはメッシはいねぇがオブラクはいるぞ」
かっけー!!!
全然関係ないですが、この一言で踊る大捜査線の最終回での和久さんのセリフを思い出しました。和久さん(いかりや長介)の後輩の刑事を殺した犯人に対して言ったセリフなんですけど、「俺が辞めてもこいつ(青島)がいる限り警察は死なねーぞ」ってやつです。
話を戻して、延長についてですが先にネットを揺らしたのはリバプール。
アーノルドのところに出て行ったコケの背後を回って受けたワイナルドゥムが縦突破からのクロス。ロディの対応は甘かったかもしれませんが、延長に入っても尚、受ける場所を考えられるワイナルドゥム、最後までCBの視野の外に居た魔術師フィルミーノ。思わず声が出たシーンでした。
マルコス・ジョレンテについて
このゴールで勝負ありかと思ったのも束の間、アドリアンのミスキックから途中出場のマルコス・ジョレンテが決めて、2戦合計2-2。
それから10分もたたないうちにアトレティコのカウンターが炸裂し、再びマルコス・ジョレンテ。
後半の早い時間にジエゴ・コスタに変えてジョレンテを入れたときは正直厳しいと思いました。おそらくリバプールが左からの攻撃を変えてきたのでジョレンテを右に投入したのだと思いますが、まさかそのジョレンテが2ゴールとは想像もできませんでしたね。
2点目に関してはファンダイクとの勝負にならなかったこと、ヘンダーソンがフォローに戻っていたにも関わらずジョーゴメスがバックステップを踏んで下がってしまったことなど、要素は整っていた感はありましたね。
セカンドキーパーの難しさ
欠場のアリソンに代わって出場したものの、失点につながるミスをしてしまったアドリアン。フィルミーノのゴールで突破に向けて前進してただけに痛かった。ただ、改めて思ったのはセカンドキーパーの難しさだなと。今シーズンでいうとリバプールvsマンチェスターシティのシックス・ポインターでシティはセカンドキーパーのブラボが先発。西スーパーカップのバルセロナvsアトレティコではバルセロナはネトが先発。
いずれもセカンドキーパーが出場したチームは敗れています。(もちろんキーパーで全てが決まるわけではないですが、ビルドアップ等変化があるのも事実)
シーズントータルで見たら世界トップクラスのキーパーを抱えるチームでセカンドキーパーが出場する時間なんて短いんですが、ビッグマッチで出番が回ってくるのも何かの巡り合わせなのかなぁ。
でもだからといって「アリソンとエデルソン両方いるぜ」のブラジル代表みたいなことをクラブチームでやるわけにはいかないし、本当にビッグクラブのセカンドキーパー問題は難しい。
正守護神に比べたらレベルは落ちるかもしれないけど、セカンドキーパーが活躍して勝ったときにはいつも以上の拍手を送ることが大切かもって思いました。
まとめ
リーグ戦でも無敗優勝がなくなり、カップ戦でも(メンバーを落としたとはいえ)敗れ、暗雲が立ち込めはじめた中で迎えた2ndレグ。素晴らしい試合をしながらも敗れてしまったことでリーグ優勝や今年の強さが微妙な雰囲気になってしまったとしたらそれは残念だなと。去年のバルセロナもリバプールに2ndレグで悲劇的な敗戦をしたことで優勝したにも関わらず微妙な感じになってしまいましたからね。
昨年も今年も圧倒的強さがありながらもリーグ戦とチャンピオンズリーグの二冠はならず。しかしながら、それが故にリバプールはまだまだ強くなりそうだなと思いました。
アトレティコに関してはリーグ戦では苦しんでいるもののこの試合はらしさみせてリバプールを倒して見せた。個人的にはボールを持つサッカーが好きだったりするんですけど、この試合を見ればアトレティコを好きになる人の気持ちがすごいわかりました。
「俺たちは同じ町の白いチームのようにグーもチョキもパーも強いわけじゃないけどグーなら負けないぜ」そんな気迫が伝わってくる試合でした。
そして何より、延長戦に入る前に雨が降る中、輪の中心で選手たちを鼓舞するクロップ監督とシメオネ監督、めちゃめちゃかっこよかったぜ。
ROOKIESとかそんなドラマを見ているような気分になりましたね。
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