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【読書】東京ロンダリング     著:原田ひ香

事故物件のロンダリングのお仕事してるアラサー女子
変死自殺殺人孤独死などの告知義務は1人までのため、
その1人となる仕事。
物件オーナー喜ぶことからビジネスになっている。
普通嫌がられるから担い手がなかなか見つからない仕事である。

ちなみに単身赴任時代、同じ会社のものが借上社宅の1Rで
首吊って事故物件に貶めたときは、会社が賠償として
その部屋の家賃2年分をお支払いしました…
今となっては笑い話ですが(笑えねーか)…

例:①変死した男の後住んでると、酔っぱらった女が訪ねてくる
  (まだ付き合ってもないのに?)
  ②男が腹を包丁で刺された物件に住まう
  (清掃したものの一時は血が飛び散ってる物件)
   ここでの出会いがメインストーリー
   おせっかいなオーナーと向かいの定食屋の跡取り息子登場
  ③21歳の女優が死んだ部屋
   丸の内のタワマン。何一つ不自由ないが生きてる感じがしない?

就職経緯:離婚したい夫の仕組んだ不倫トラップにまんまとはまる
     キャリーケースひとつで家をでる
     家を探すもなかなかみつからない中スカウトされる

この仕事の合言葉「いつもにこやかに愛想よく、でも深入りせず、礼儀正しく、清潔で、目立たないように。そうしていれば、絶対に嫌われない」

ある物件のお向かいの定食屋の跡取りにみそめられ、
おせっかいな大家に引きこまれ、定食屋で働き始める
ただ事故物件で暮らしているだけの主人公のことを、
歯痒いと心配し、このままでは何もできなくなるよ!
と愛ある忠告
やがて仕事に慣れて、新メニュー考案まで担う。
跡取り息子のアプローチ、いい感じに。

が、同業者失踪につき、いきなり丸の内のタワマンロンダリングへ

居住者歴:離婚、会社倒産、クスリ、女優が不倫もつれて自殺と
     家相はなはだ悪し。

ほぼ全てコンシェルジュがお世話してくれる、お姫様みたいな状態
ただ、落ち着かない。すべての感覚がおかしくなってくるような…

彼女を忘れられない跡取り息子、出前装い救出へ
交感神経の緊張状態を指摘
帰ってきませんか?

彼女は気づく、
交感神経と副交感神経はロンダリングに似ている
緊張から穏やかへ

自分の生きる道、することを見つける
ロンダリングして金もらって生活する、そして定食屋を手伝うと

ある意味いいおせっかいに救われる物語
何一つ不自由のない生活の不自由さ、
薄汚く貧しくとも、いいことや悪いことが起こる人生の幸福さ
を歌っているのか?
交感神経、副交感神経になぞらえているのか?

もうひとひねり、ふたひねり欲しかった
もう終わり?という感想
だが人間とは?生きるとは?を考えさせられたのでよしとします。

キャリーケースひとつで生きていく。断捨離。
モノに囚われない生活、少し憧れますね。

次、この著者の作品では「三千円の使いかた」を読みたいと思います。



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